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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

22年ぶり 秩父宮に高らかに「オオ明治!」

2019年01月16日 | ラグビー



ラグビー全日本大学選手権の決勝が、
土曜日に秩父宮で行われ、
明治が22年ぶりに歓喜の優勝を飾りました。

決勝は”絶対王者”帝京大を破り波に乗る天理大に対し、
慶応、早稲田のライバルをギリギリの勝負で破って2年連続で決勝に進出した明大が、
天理大の勢いをどう抑えるかということが焦点でした。

秩父宮はぎっしり満員。
10年ぶりに大学王者が代わるこの試合を、
2万人を超える大観衆が、
かたずをのんで見守りました。

試合前の両校の校歌斉唱。
「おお明治」が高らかに鳴り響けば、
高校野球ファンにはおなじみの天理の「見よ空高く輝く光」という校歌も久しぶりに鳴り響き、
いい雰囲気の中で決戦は開始されました。




前半開始早々、
天理大が明治のミスを突いて勢いそのままに一気に先制。
帝京大戦がそうだったように、
天理が強力FWを軸に一気に試合の主導権を握るかと思われました。

しかしそこから、
明治は素晴らしいラグビーを見せましたね。

まずはしっかりとした防御で相手を抑え、
攻めてはBK陣への球の供給が絶妙。
見事に前半2トライを奪って逆転すると、
後半も流れを渡さず。
22-5と完璧に試合を進めていきました。

特に押されながらスクラムを耐え、
ラインアウトはことごとく相手に絡みボールを奪取。
ターンオーバーも多く、
天理の強みをすべて奪い取っての見事な試合運びでした。

しかし残りが15分ほどになってから、
天理が開き直って猛攻を仕掛けました。

それまで抑えられていたセンターのフィフィタやNo8マキシらを中心に、
前に前にと圧力をかけるものすごい攻撃で2トライを奪取。

ほぼ8割がた明治のファンで埋め尽くされた秩父宮は、
ざわめきが止まらない異様な雰囲気となりました。
点差は5点。
トライが決まれば同点、キックも決まれば逆転という、
「ラグビーで最も面白い状況」
が演出されていました。

残り5分で明治はボールをキープしてタイムアップを狙いますが、
最後の2分(?)を残して天理が執念でボールを奪取。
得意のスクラムに命運をかけました。

そして明治はここで勝負手。
FWの第1列3人をそっくり交代。
ワタシも周囲の観客も、
この交代には本当に驚きました。

しかしこのフレッシュな3人が天理得意のスクラムでのプレッシャーに耐え、
何とかしのいで出させたボールは、
最後には天理のノックオンを誘いノーサイド。



この瞬間、
明治が22年ぶりに、
待ちに待った大学選手権の奪回を果たしました。

今年の明治。

対抗戦で帝京を破り、
最終戦を迎えて「勝てば優勝」というところでしたが、
その最終の早明戦を落としてなんと4位(相当)で大学選手権出場となってしまいました。

組み合わせを見ると、
初戦を勝つと次にリーグ戦優勝の東海大、
そしてライバルの慶大、早大の勝者、
それに勝たないと決勝が見えないという「明日をも知れない」死のブロックに入ってしまいました。

東海大、慶大、早大、明大が全く横一線に並び、
帝京大への挑戦権をかけるという図式に見えました。

しかしワタシは、
対抗戦の終盤で見せた明治の「最後での勝負弱さ」が気になって、
勝ち上がりの本命にはどうしても推せませんでしたが、
大学選手権の間に、
彼らはどんどんと成長していったという印象ですね。

”メイジ”と言えば、
「前へ」のイメージが強く、
FWでゴリゴリとゴールに迫るイメージがありますが、
今年のチームの”売り”は「献身的なタックル」にほかなりませんね。

「献身的なタックル」といえば、
早慶の代名詞のような感じのイメージを持っていましたが、
メイジが「湧き出てくるような守備、タックル」を愚直に行っているところが、
今年は特徴的でした。

それこそが明治が「ライバル、そして帝京大を破るためにどうしても必要」な戦術だったんでしょうね。
昨年から明治がそういった戦いを行って帝京との差をどんどん埋めて行っていたのは、
印象的でした。

手元に前回の優勝(96年)以降の大学選手権での戦いの跡があるのですが、
本当に苦しい時間が長く続きましたね。
栄光を常につかみ取ってきたOB達にとっては、
本当に雌伏の22年でした。



96年以降の明治は、
対抗戦では優位を保ってはいたものの大学選手権では関東学院大の後塵を拝し、
その後清宮早稲田には歯が立たない時代も長く続きました。

早稲田が清宮監督とともに時代を席巻しているさなか、
明治は部内がガタガタに揺れた時期というのもあって、
名門の明暗がくっきりと分かれた時期もありました。

その後は帝京大が”出現”したこともあり、
大学日本一は遠く霞のかなたにあるものになっていましたね。

ようやく明治が復活ののろしを上げたなあと思い出したのは、
ワタシは昨年でしたね。

さあ、
これで明治が「完全復活」となるのか、
それとも帝京大を中心に今年くやしさを感じた各チームが、
来シーズン以降どう巻き返してくるのか。

また大学ラグビーも、
かつてのように人気が復活するかもしれませんね。



一つ不満があるとすれば、
秩父宮に詰め掛けていたのは明らかにOBが中心。

もっと現役の学生が、
駆けつけなきゃ!!

そんなことを思いながら、
素晴らしいゲームに酔いしれて家路につきました。

明治大学 おめでとう!!


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