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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

戦慄の2ラウンドKO   井上尚弥、あのドネアを完璧に粉砕!

2022年06月08日 | ボクシング



6/7  AMAZON PRIME LIVE BOXING   ~さいたまスーパーアリーナ~

◇WBC・WBA・IBF世界バンタム級王座統一戦

WBA&IBFチャンピオン         WBCチャンピオン
井上尚弥(大橋) ○  TKO  ● ノニト・ドネア(フィリピン)
          2回1分24秒


まさに戦慄のKOでした。

前回WBSSの決勝で相まみえたノニト・ドネアに対し、
井上尚弥が次元の違いを見せつける2RでのTKO勝ち。

そのあまりのすごさに、
集まった満員の観衆は、
ウオ~~~~
と叫び声にも似た大歓声を上げました。

こんなものすごいKO劇、
そう簡単にみられるものではありません。

まして相手はボクシング界のレジェンド、
あのノニト・ドネアなんですから。

この日のさいたまスーパーアリーナ。

雨模様にもかかわらずぎっしり満員に詰めかけた観客は、
その時を今か今かと待っていました。

何しろこの日の興行、
メインのこのカードの前まではグダグダした試合が続き、
会場の盛り上がりはなんというか・・・・イマイチどころかそれ以下って感じでした。


しかし。。。


メインの開始とともに、
布袋寅泰の生演奏(これがもう、よかったのなんのって・・・・・)に乗って井上尚弥が登場し、
そのあとに近年見たこともないようなシャープな体と引き締まった表情でドネアが入場してくると、
会場は突如としてものすごい盛り上がりを見せました。

そして第1ラウンドのゴングが鳴り、
両者がコーナーから出て戦闘態勢を取ると、
観衆はまさに「かたずをのんで」という形容がぴったりくるように、
シーンと静まり返りました。

まさにボクシングのビッグマッチという風情の1Rの立ち上がり。

ドネアの左が早くも一閃、
そして井上も早い動きからショートパンチを繰り出し、
「これはまた激戦になるな・・・・」
という予感をはらませていましたが。。。。。


拍子木が打ち鳴らされ、
第1ラウンドの終了寸前、
井上の右がドネアのテンプルにヒット。

ドネアは「まさか!」というようにリングにひざをつき、
その瞬間に井上の勝利は確定的なものとなりました。

カウント9で立ち上がったドネア。
そこで第1R終了のゴングが打ち鳴らされました。

なんという強烈な一撃。

あのタフなドネアが、
たった1ラウンドでマットに這うなんて・・・・・
誰が予想できましょうか。

そして第2R。

本人は「ラッシュをかけるつもりはなかった」と言いつつも、
冷静に相手の動きを見着分けて出す数々のパンチは、
試合を終わらせるに十分な威力をはらんでいました。

1分経過したところでいいパンチがドネアをとらえ、
そこから井上が猛ラッシュ。

たまらずドネアが2度目のダウンを喫したところで、
レフェリーが止めてジ・エンド。

井上があのドネアを4分30秒で葬り去り、
バンタム級の3団体統一王座に輝きました。




それにしてもすごかった。

井上の「衝撃KO」は数あれど、
この夜のKOは格別の趣がありますね。
なにせ相手がドネアですから。

ワタシはナルバエスを破った衝撃なKO勝ちを思い出していました。
あのときも衝撃的でしたが、
この夜はそれをもしのぐ「戦慄」のKO劇でした。


スターはファンの期待に応えるが、
スーパースターはファンの期待を大きく超える!

ミスターの言葉ですが、
まさにこの夜の井上尚弥のパフォーマンスは、
「こんな期待、誰もできないよ」
というようなレベルでした。


いや~~~

多分これで、
パウンド・フォー・パウンドの1位も、
実現するんじゃないでしょうか。
これで1位じゃなかったら、
リング誌の記者の目もふし穴ってことなんじゃないかな。


井上のボクシングを見て誰を思い出すかといえば、
やっぱり”全盛期の”タイソンかな。

パンチのスピードと威力、
踏み込みの速さ。。。。

その驚愕なKO劇はその都度世界を震撼させましたが、
あまりにも破天荒なその人格が、
彼のボクシング人生を短命に終わらせてしまいましたね。

その点井上は、
ボクシングへのあくなき探求心とそのモチベーションの高さ、
そしてストイックさ。

これらを兼ね備えていますから、
これからもその強さを長く保っていけるのではないかと思っています。




これからの井上について。

ワタシは逆説的に、
こう思っているんです。

このコロナ禍、
そしてその前の「井上があまりにも強すぎるので、対戦が組めず試合枯れ」
という状況も、
これから30歳を超える井上には、実は福音として降り注ぐのではないか。。。。
そんな予感がするんです。

20代で使いべりしていない体は、
30代になっても変わらない輝きをまとうのではないか。
今後スーパーバンタム級、
そして可能であればフェザー級に上げるという選択肢もある井上にとっては、
20代で体を酷使していないことがアドバンテージになってくるのではないか。
そう期待しています。


ホント、
どこまで高みに上っていけるんだろうか。

日本が生んだ最大にして最高のボクサー。
現代の世界No1のモンスター。

この井上尚弥の歴史的な一戦を目にできて、
その興奮からまだ冷めやらないワタシです。




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2 コメント

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圧巻です!!! (hanahana)
2022-06-09 01:16:55
衝撃的でしたねえ!
鳥肌もんでしたねえ!
KOの瞬間鳥肌がたちましたが、太ももからふくらはぎまで全身が鳥肌がたちました。
こんな感覚は初めてですね。ゾワゾワ~~~みたいな。

いやあ、末恐ろしい選手です。
なんといっても明らかにパワーアップしていますね。
スーパーバンタムでも余裕でしょう。
相手がフルトン、アフマダリエフだろうと子供扱いしそうです。

ガードがガラ空きのフルトンなんか、格好の餌食ですよ。スピードもないし。
リーチの長さが曲者ですが、出入りの速さで問題ないと思います。

以前も言いましたが、2階級での4団体統一も夢ではありません。
むしろかなりの可能性を感じます。
何とか年内にバトラーとの試合ができるのを願うばかりですね。


それにしても、まめちち様の逆説。
目から鱗です。

全く酷使していないし、ダメージも皆無。(カットした古傷は厄介ですが)
なによりもまだまだ伸びしろを感じさせる内容でした。
フェザーまでいってもらいたいですね。

いや~この先楽しみしかありません。


今日はネットの記事読んだり、動画見たりで全く仕事になりませんでした。(毎回のことですが)



PS

いつものように試合後、子供と電話で話すのですが、出た時の声のトーンが明らかに低いのでどうしたもんだろうと思っていたところ、
どうやら、ドネアが崩れ落ちていくシーンが切なかったと・・・。
前回のドネア戦前に、いかにドネアがすごいのか説明してからというものの、(ダルチニャン戦とシドレンコ戦)
一気にドネアに惚れ込んだようで、それだけに今回の負け方に少しばかりショックを受けたようです。
わたくしもあのラストのダウンシーンは切なかったなあ。(画面から消えましたからねえ・・・)

さすがに引退かな・・・
返信する
圧巻でした (まめちち)
2022-06-09 08:02:58
hanahana様、コメントありがとうございます。
凄い試合でしたね。
何だか日曜日に尾川があんな負け方をして、日本人としていや~な雰囲気をちょっと感じていたんです。
何か目に見えない流れみたいなもの、あるじゃないですか。

でも、井上にはなんだか我々凡人が考えるすべてのこと、まったくと言っていいほど当てはまらないですね。
それでこそスーパースター。

当日は、実は井上尚弥の試合までのサブのファイト、全くと言っていいほど自分の中で盛り上がらなくて、ちょっとだけ白けた感じでたたずんでいました。何しろ5時半過ぎに会場に入って、開始が9時半でしたから腰痛持ちのワタシにはつらくって。。。。。

しかしあの布袋さんのギターの奏でから会場の空気が一変。両者の登場、国家の演奏、そしてゴングと流れるように時間が流れていって、気が付いたら大コーフンのうちに試合が終わっていました。

すごすぎてすごすぎて。。。。

相手、あのドネアなんだよねえ。。。。
そんなことを感じたら、周りの人も同じこと感じていたらしく。。
全く信じられない結末でした。

ワタシもhanahanaさんと同じく、スーパーバンタムにも全く敵はいないのではと思っています。
サイズが相手にアドバンテージを出してくれるのは
フェザーに上げたぐらいからかな・・・・って感じですね。
今後がホント、楽しみです。
PFPの1位はほぼゲットするでしょうから、ワタシの私見ではもうバンタムにはこだわらず、スーパーバンタムへの挑戦を一刻も早く。。。。って感じです。

息子さんが感じられているように、ドネアに対する郷愁のようなものも、たくさん感じた試合ではありました。
スーパースターというのは、やはり井上やドネアのようなたたずまいでいてほしい、というのがワタシの願い。カシメロだのネリだの、あんな輩は所詮スターにはなれない器だと思います。まあ、タイソンのようなボクサーもいたけど。。。

いつかは誰もが引退するのですから、最後のファイトが井上尚弥だというのは、ドネアほどの選手の締めくくりとしては、良かったのではないかと思っています。

同時に村田諒太も、GGGとのあのファイトがしめくくりで、いいのではと思います。
山中のような最後は、だれしもに迎えてほしくないと強く思っています。
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