2度目の週末を迎えた甲子園。
この日は”王者”大阪桐蔭登場の第1試合をはじめとして、
4試合すべてに関西勢が登場。
スタンドはぎっしり満員に埋まり、
青空と暖かな気候の下で4試合が行われました。
第1試合で大阪桐蔭が貫録の8強進出を決めた後、
第2試合では好投手・増居の彦根東が登場。
しぶとさでは定評のある花巻東との対戦となりました。
この試合の増居投手。
素晴らしいという言葉を通り越して、
凄みさえ感じさせる投球を披露しました。
6回までパーフェクト、
そして9回までノーヒットと、
花巻東のしぶとい打線に全く打撃というものをさせませんでした。
ここぞのところでは、
ほとんどがストレートでの勝負。
そのストレートは、
きっちりと指にかかって、
130キロ台前半の球速ながら、
うなりをあげて打者に向かてくるような球筋でした。
それを右打者には内角にクロスファイヤー気味に入ってきたり、
外角いっぱいに決まったり。
左打者にも外角いっぱいの届かないところに投げ込むなど、
速球だけで『球の出し入れ』で勝負できる、
素晴らしい投球でした。
彼のこの投球を見ていて、
ワタシは遠く84年春選抜で4強に進出した、
大船渡高校のエース、金野投手を思い出していました。
彼もまた、
左腕の好投手で、
ほとんど130キロ台前半~中盤の速球しか投げませんでしたが、
そのコントロールと球の出し入れの巧みさで、
4試合すべてで好投。
特に準々決勝で明徳を完封したピッチングなど、
見事なものでした。
その当時甲子園で活躍することはまれだった東北勢、
しかも県立高の投手で、
ここまで素晴らしい投球をする投手、
なかなかお目にかかれなかったため、
34年たった今も、
ワタシの記憶に深く刻み込まれています。
『小さな大投手』です。
この日の増居投手も、
選抜史にその名を刻む好投でしたね。
そして金野投手が準決勝の岩倉戦で、
サヨナラホームランで敗れたと同様、
増居投手は9回までノーヒットで抑えていたにもかかわらず、
延長10回にサヨナラ負けを喫しました。
相手が金野投手を生んだ岩手県の花巻東だったというところなんかも、
ワタシは【甲子園の因縁】というものを感じずにはいられません。
しかしこれで増居投手も、
『小さな大投手』の系譜に、
名を刻んだと思います。
この名前は『小さな投手が凄いピッチングを見せる』と同時に、
ある種の『悲劇性』も同時に感じさせてくれた投手に与えられる称号ともいえます。
増居投手、ぴったりですね。
夏の再開、楽しみにしています。
そして第3試合、第4試合も素晴らしい戦いでした。
第3試合の三重は、
初戦の日大三戦では主将の定本投手が好投。
そしてこの日は、
背番号1の福田投手が見事なピッチング。
見事な2本柱で、
さらに上位を狙っていきます。
第4試合の星稜の奥川投手。
リリーフのマウンドに立ち140キロ台中盤の速球とチェンジアップでピンチを切り抜けると、
打っては反撃の2点打に、犠牲フライでの激走で同点に。
そして最後は延長10回2死1塁から、
左中間へサヨナラ打をかっ飛ばし、その後大泣き。
いや~~~~
まだ2年生の彼。
もちろん来年のドラフト有力候補なんですが、
それ以上に「ドラマを作る男」として、
”新ヒーロー誕生”の予感がプンプンします。
第2、第3、第4試合で敗れた彦根東、乙訓、近江は、
本当にしびれる戦いを落としてしまって、
甲子園を去ることになってしまいましたが、
どのチームも素晴らしいチームに仕上がっていて、
ここで返してしまうのは惜しいチーム達でした。
滋賀も京都も、
夏は本当に大激戦になると思いますが、
激戦を勝ち抜いて、
また甲子園に出てきてもらいたいですね。
さて、今日は準々決勝。
ここまでくると、あっという間に決勝まで、
大会は進んでいきます。
準々決勝の展望をサラッと。
【準々決勝の見どころ】
第1試合 東海大相模 vs 日本航空石川
東海大相模は前半勝負、後半にもつれ込むと日本航空石川の粘り腰が発揮されそう。打線は両校ともに好調だが、東海大相模は打つだけではなく走塁がかなりの力を持っており、日本航空石川の投手陣が前半に速攻を許さないことが試合をもつれさせるカギか。東海大相模はどういう投手リレーを考えているのか。やや東海大相模が有利か。
第2試合 智辯和歌山 vs 創成館
智辯和歌山は打線が好調だが、エース平田も安定しており、スキが感じられない。しかしながら、創成館も初戦、2戦目と安定した戦いぶりで「隠れ優勝候補」の面目躍如。創成館の投手リレーが智弁和歌山打線を分断できると、ぐっと勝利に近づく。智辯和歌山としては、どっしりとして慌てない戦い方が必要。実力互角で、しびれる戦いになりそうな予感だ。
第3試合 大阪桐蔭 vs 花巻東
大阪桐蔭の優位は動かない。昨日は根尾が初先発して完投。エース柿木と横川などの質量豊富な投手陣は、たっぷりと休養をとれた。花巻東も昨日は1回戦で好投したエース田中は登板せず、大阪桐蔭打線に挑む。田中が初戦で強打の東邦打線を抑え込んだような緩い球で翻弄する投球ができるかが試合のカギ。しかしながら、大阪桐蔭は田中をじっくり研究しているであろうから、東邦打線のようなことにはならないとみるが、どうか。花巻東としては、先に点を取って大阪桐蔭の焦りを誘うことが絶対に必要な試合となりそうだ。
第4試合 三重 vs 星稜
95年センバツで1度対戦があり、その時は星稜が山本投手を擁して三重を完封。4-0で勝利している。今年は両校ともに2枚の信頼できる投手を持ち、ロースコアでも勝負できる。三重は定本の先発か。星稜は昨日同様、竹谷が先発して奥川につなぐリレーだろう。両校ともに打線もいい感じになってきてはいるが、点の取り合いにはならない予想。2,3点ゲームで、どちらが勝ってもおかしくはない互角の戦力。
ということで、
今日も朝から、楽しみましょう。
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