バンタム戦線異状あり？！

１２／１４　東京・両国国技館

◇ＷＢＡ＆ＩＢＦ世界バンタム級タイトルマッチ　１２回戦
チャンピオン　　　　　　IBF6位
井上尚弥（大橋）　　　アラン・ディパエン（タイ）


”モンスター”井上尚弥の2団体世界タイトルマッチが近づいてきました。
オミクロン株の”入国阻止”のために年末の村田諒太、井岡一翔のビッグマッチは涙を呑んで中止になりましたが、
この井上尚弥のタイトルマッチは何とか開催にこぎつけたという経緯があり、
こちらに注目が集まることになっています。

さて、
井上尚弥の階級であるバンタム級、
現在ＷＢＡとＩＢＦのタイトルは井上が保持し、
その他のタイトルであるＷＢＣはドネアが、
そしてＷＢＯはカシメロがその世界タイトルを保持していました。

そしてこの人の世界チャンプ、
この12月に相次いでタイトルマッチを行うことになっていました。

１２／１１　米・カーソン
　◇ＷＢＣ世界バンタム級王座統一戦　１２回戦
チャンピオン　　　　　　　　　　　　暫定王者
ノニト・ドネア（フィリピン）　　　レイマート・ガバリョ（フィリピン）

１２／１１　アラブ・ドバイ
　◇ＷＢＯ世界バンタム級タイトルマッチ　１２回戦
チャンピオン　　　　　　　　　　　　　　　　同級1位　
ジョンリエル・カシメロ（フィリピン）　　　ポール・バトラー（英国）


そしてこの各団体のタイトルマッチを経て、
いよいよこの3人の世界チャンプが来年早々から「統一王座戦」に向けて鎬を削る。。。。。
そういったシナリオが描かれていました。


まずは昨日、
ドネアが暫定王者のガバリョとタイトルマッチを戦いました。

暫定王者のガバリョはさほど評価の高いボクサーではありませんでしたが、
この日のリングでは最初のラウンド、
左右の強いパンチを振るい「おっ？」というところを見せてくれました。

しかしながらそこは激戦の雄ドネア。
あっという間に間合いを見切り、
2Ｒからは試合を支配。

そして４Ｒの終了間際。
左の強烈なボディをガバリョに叩き込み、
そのまま立ち上がることを許さず戦慄のＫＯ勝ちを収めました。

数年前からドネアは井上と戦う事を見込んで階級を自身の”適正”のバンタムに下げてきましたが、
やはりここで見事に生き返ってきたという感じがします。
動きもいいし、さすがに上の階級で戦ってきただけにパンチ力はこの階級では破格。

前の試合では世界チャンプのウバーリに、
そしてこの試合でも暫定王者のガバリョにそのパワーの違いを見せつけてＫＯ勝ちしました。
井上尚弥は全快の対戦「スリラー・イン・サイタマ」ではＫＯ勝ちを収めましたが、
やはり最も警戒すべきはこのドネアでしょうね。
四十路も目前ではありますが、
まだまだビッグファイトに向けて虎視眈々です。


一方同日ドバイで開催されるはずだった、
ＷＢＯのチャンピオン、カシメロのファイトは、
カシメロが前日計量に現れることがなく、
試合は中止になりました。

強打と荒い試合運びが持ち味のカシメロ。
散々井上やドネアにも毒づいているそのビッグマウスぶりは有名ですが、
減量の失敗か計量に現れず失格とは、
まるであのネリみたいで、
苦々しい限りです。

現在ＷＢＯは、
カシメロに対して「医師の診断書を速やかに提出しなければ王座はく奪」
と伝えており予断は許せませんが、
井上、ドネアとの『バンタム級タイトル統一バトル』からは零れ落ちそうな雰囲気になってきたと言えるでしょうね。

まあ、
もともと井上がＷＢＳＳでバンタム級のタイトルを統一したような感じでしたが、
そこに参画しなかった団体のチャンピオンが存在したことで、
まだ井上はこの階級でやり残したこと（4団体のタイトル統一）があるためこの階級に残り、
ファイトを継続しています。

そうでなければ、
1階級上のスーパーバンタム級に主戦場を移していたことでしょう。
今となって思えば、
『あのＷBCというイベントは、結局何だったのか』
という思いもないではないのですが、
まあビッグネームと次々にファイト出来たという事で、
良しとしなければいけませんかね。
（最初のうたい文句では、「全団体のチャンプが参加して、その階級の真のチャンプを決める」ってことだったと記憶しているんだけどね。。）


井上が現在4位（？）にパウンド・フォー・パウンド（ＰＦＰ）（＊全階級で誰が一番強いかという紙の上でのランキング）だって、
ビッグファイトをして勝っていかない限りその評価、ひいてはランキングを上げていくわけにはならないですしね。

ということで、
まず井上チャンプには明日の試合に力の違いを見せてサクッと勝ってもらって、
今後につなげていってもらいたいと思っています。

出来れば今後は、
ラスベガスなどに主戦場を移して、
ＷＯＷＯＷかＤＡＺＮあたりで配信してもらって…ね。

という事で、
ボクシングも少しずつ動いてきています。


そういえばライト級では、
あのロマチェンコも昨日ファイトを行い、
さすがの試合っぷりで勝ちましたしね。

「やるぞ、やるぞ」
って言いながら話がまとまらず・・・・・っていうのは、
もうご勘弁を。