鉄腕アチョ

先天性心疾患の長男(2003年4月7日生)の闘病と成長日記

手術

2006年08月18日 10時35分41秒 | 心臓病
今月の頭に、また静岡のこども病院に行ってきました。

アチョの今後について相談をしに。
S先生と久々に面談しました。

アチョは肺の進行性の高血圧症を持っているので、今後このままほっとけば状態が悪くなる一方でよくなることはありません。
それを防ぐには手術をするしかないのですが、それには二段階のハードルを越えねばなりません。

第一に、現在は右肺へは血液が循環してますが、左肺へはほとんど血流が流れていないので、左肺への循環をつくる手術をする。

それがうまくいって高血圧が抑えられたとしたら第二に、大血管転換の治療ということでさかさまになってる肺動脈と肺静脈に対しての手術をする。


右肺の高血圧がかなり進行しているのは検査でわかっているので、今まで血流が少ない左肺は逆に温存されて状態がいいまま残っているのではないか、という診立てから、左肺に賭けてみる、という考えです。

それには心臓から左肺への肺動脈がしっかり働かなければならないのですが、アチョの場合はその血管が非常に細くなってしまったようで、血流も非常にか細い状態のようです。

先日の慈恵医大でのCTでもはっきりと肺動脈の場所を特定できなかったので、開胸して手探りで肺動脈を捜し、発見できたら肺動脈を増強するなんらかの処置をしていく、ということになるそうです。

S先生がおっしゃるには、そもそも手術というのは「ここに○○がある」というのがわかっててそこに向かって切り開いていくのが普通で、「切っても○○があるかどうかわからない」手術というのは大変難しい、ということです。
アチョも、肺動脈がか細すぎて場所が特定できないので、どこまで開胸しても大丈夫か執刀医のカンでやっていくしかないような手術になってしまうそうです。

さらに、アチョの病状のような子供はいまだかつて事例がなく、なので国内でも初めてに近い手術になり、データが何もないのでリスクの提示もできません、というお話でした。

「この状況であれば、普通の病院だったら手術の成功率がみえないので手術を断るのが普通でしょう。さらに、手術事態がうまくいったとしても、それで今より状態がよくなるとは限りません。しかし、ご両親の強い意志があるのであれば、私はやってみますよ。」とS先生はおっしゃってくれました。

・・・その場で即答はできませんでした。

親族一同と相談のうえお返事しますと言って、その日は帰りました。