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唐人相撲 野村万作・萬斎

2009-03-27 | ART
ゆーとぴあ開館10周年を記念した最大の狂言「唐人相撲」が上演されました。
この唐人相撲は現在上演されている狂言の中では最も多くの演者を要する演目で上演機会が限られる特別な狂言です。今回の上演は能舞台ではなく劇場で行われました。



能楽は室町時代から始まり今日に至るわけですから、当然言葉も現代用語ではありません。聞いていてまったくわからないわけではありませんが、事前にあらすじがわかればもっと面白く観れると思います。ということで、鑑賞に行く前にあらすじの予習をしておきました。しかし、当日、劇場で萬斎さんがあらすじ、見所を詳しく楽しく説明してくれました。
狂言は日本の古典喜劇です。現在狂言には263曲の演目がありますが、笑いの要素がまったくない演目は数番に過ぎません。狂言はいわゆるお笑いなのです。
ただお笑いといっても野村万之丞さんは「狂言は和学の世界で、ただのお笑いじゃない。格式や品格があるものだと。品格はあるが形骸化して面白くないていいとはおもいませんが・・・」と言ってます。まさにそうだとおもいます。現代のお笑いは今の時代にはうけていますが、時代の流れには対応できずにすぐにすたれていっています。そしてまたすぐに新しいお笑いが誕生する。それはそれで面白いと思うのですが、狂言は室町時代から600年以上も続くお笑いです。ここまで続くにはやはり格式や品格の高さを志向するという基本資質は変えなかったことでしょう。狂言は格式あるお笑いに昇華することができたのです。笑いたい欲求は第四の欲求といわれています。古典芸能にふれつつおもいっきり笑いましょう。



新潟市市民芸術文化会館「りゅうとぴあ」は曲線を上手に使った建物です。



演目は「能楽囃子」、狂言「見物左衛門」「唐人相撲」です。
舞台が能楽堂ではなく劇場だったのでライティングや映像など普段と違った狂言の演出でした。
唐人相撲は演者総勢36人の大狂言です。唐に滞在していた日本人の相撲取りが皇帝に帰国を願い出ると、名残惜しいので最後にもう一度相撲を見せてほしいと言われ、臣下の者たちとつぎつぎと相撲をとるといった内容です。その臣下の負けっぷりがおもしろい。誰も勝てる者がいなく、ついに皇帝が勝負を挑むのですが・・・という内容です。演者のいろとりどりの衣束やアクロバティックナ相撲技、唐人の架空中国語の会話など楽しく観られました。観客も一緒になって「ほうちゃ、ほうちゃ」と謎の中国語で応援するという一幕もありました。やはり日本人、新潟県人。会場声援は幾分恥ずかしさがあったようです。



帰りは唐に感化され創作中華「DAO」へ。



甕だし紹興酒をいただきながら、狂言の話、萬斎さんお話などで盛り上がりました。



最後は大好きな杏仁豆腐で〆です。ちょっとこってりな中華の口直しにちょうどよいです。



萬斎さんのこんな本もあります。



写真などもけっこう載っています。狂言や、萬斎さんについてちょっと勉強してみようと思います。


あらすじで読む 名作狂言50 (ほたるの本)
小林 責,森田 拾史郎
世界文化社

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狂言入門―鑑賞へのいざない (淡交ムック)

淡交社

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狂言サイボーグ
野村 萬斎
日本経済新聞社

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