「辛夷」例会の歌。
** リタイアの後の夫へ少しずつ命令調になりゆく言葉 **
今年度の「釧路春秋賞」を受賞することになってしまった、正直戸惑っている、「力ではないから辞退する」と潔く格好よいことも言えぬ、もう少し力をつけてからというほどこの後に自信があるわけでもない、かといって嬉しくない訳では決してない、応募したものなら兎も角、降って沸いたような賞にしばらくは落ち着かぬ日をすごすだろう。
対象になった56号、57号より
「合鍵ふたつ」
吹き抜けのビルの一角造作なく鍵屋がつくる合鍵ふたつ
行方不明のパズルの一片真っ青な海のどこかが崩れはじめる
コカコーラー喇叭飲みする其処だけが光の底のようなる窓辺
ペットボトル傾け夏の光ごとぐいと一気に飲み干している
青白いトカゲの尻尾のストラップ辻褄合わせの会話にゆれる
「淋しい脚」
濃きみどり浅きみどりを分け入れば淋しい脚から気化してしまう
丹頂を仰ぐ眼差しやさしくて樹のように根を降ろしかねない
ゴールとはたったこれしきクロールの延ばした指のその先にある
いちどきに真夏の光あふれたり向日葵畑の迷路を抜ける
西向きの窓が真っ赤に燃えている軌道修正できぬ速さで
こんな具合です、かおりさ~~~ん、見てくれていますか(笑)
** リタイアの後の夫へ少しずつ命令調になりゆく言葉 **
今年度の「釧路春秋賞」を受賞することになってしまった、正直戸惑っている、「力ではないから辞退する」と潔く格好よいことも言えぬ、もう少し力をつけてからというほどこの後に自信があるわけでもない、かといって嬉しくない訳では決してない、応募したものなら兎も角、降って沸いたような賞にしばらくは落ち着かぬ日をすごすだろう。
対象になった56号、57号より
「合鍵ふたつ」
吹き抜けのビルの一角造作なく鍵屋がつくる合鍵ふたつ
行方不明のパズルの一片真っ青な海のどこかが崩れはじめる
コカコーラー喇叭飲みする其処だけが光の底のようなる窓辺
ペットボトル傾け夏の光ごとぐいと一気に飲み干している
青白いトカゲの尻尾のストラップ辻褄合わせの会話にゆれる
「淋しい脚」
濃きみどり浅きみどりを分け入れば淋しい脚から気化してしまう
丹頂を仰ぐ眼差しやさしくて樹のように根を降ろしかねない
ゴールとはたったこれしきクロールの延ばした指のその先にある
いちどきに真夏の光あふれたり向日葵畑の迷路を抜ける
西向きの窓が真っ赤に燃えている軌道修正できぬ速さで
こんな具合です、かおりさ~~~ん、見てくれていますか(笑)
「花野」例会の歌
「白菜を一枚一枚剥いでゆく手抜き許さぬドラマのように」
披講者も先生も、上句と下句のつながりがしっくりしていないと同じアドバイスだった「手抜き許さぬ・・・・」は単なるドラマじゃなく白菜の葉を痛めぬように細やかに剥いでゆくに繋がってひとつずつ丹念に謎を解いてゆくような推理ドラマを想定していたのだが、提出ぎりぎりまで言葉が見つからず、これでも行けるかな?とは思ったが、やはり甘かったかな、・・・・である。
父方の兄弟、三番目の連れ合いがなくなった、享年94歳、その通夜と葬式に斜里から兄夫婦が来る、忌中引きも終わって、我が家で一休みの間に母の話になる、食欲のない日もあるが、気分の良い時など苺を「美味しい、美味しいね」と言いながら半パックも食べてしまうとか、その他焼きプリンなども食べる話になり、
兄曰く「焼きプリンてどんなものよ」と、
夫までが「そんなもん聞いた事もない、本当にあるのか?」
「あるんだよ、お父さんは食べないと思ってから、何時も二人だけで(娘と)食べてるもの」
夜娘が帰ってきてその話をすると娘も曰く
「今度買って来て上げるからね、でも多分すぐ忘れて食べた事ないが始まるんでしょう」・・・・確かに・