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歯科技工士・岩澤 毅

安本典夫 強制加入制団体の内部民主主義および対外的アカウンタビリティのあり方──土地家屋調査士会制度を例に──

2022年02月02日 | 基本・参考
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/02-1/yasumoto.pdf

強制加入制団体の内部民主主義および対外的アカウンタビリティのあり方──土地家屋調査士会制度を例に──
安本典夫

強制加入制団体の内部民主主義および
対外的アカウンタビリティのあり方
──土地家屋調査士会制度を例に──
安本典夫
1.は じ め に
今日,多くの専門職能団体,いわゆる「士業」団体は,そのあり方を問
われている。中でも,その有資格者による業務独占と,会への「強制加入
制」,そして報酬額の設定が規制緩和の流れの中で見直しを求められてき
ているのは,最も大きな検討課題であろう。
規制緩和の展開の中で,業務独占や,報酬規定を定めること等について
は早い段階から,そしてやがては強制加入制についても見直しが要求され
るようになった1)。特に報酬規定については,公正取引委員会が,2000年
10月,埼玉県行政書士会に対し,標準報酬額の設定が独占禁止法第8条第
1項第1号(事業者団体による一定の取引分野における競争の実質的制限
の禁止)の規定に違反するおそれがあるとして警告を行い2),さらに,資
格者団体(公正取引委員会は専門職能団体をこう呼ぶ)一般についての報
酬額設定を独占禁止法上問題があるとする見解を明らかにした3)。これの
是非自体,重要な検討課題であるが,さしあたりそれはおくとしても,資
格制度・業務独占制度全般,あるいは強制加入制をとる専門職能団体のあ
り方にまで,この流れは至るのか,また至るべきか,これが問われている
のである。
公的資格制度については,規制緩和推進計画自体が,参入規制による競
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争排除とならんで国民の権利と安全・衛生の確保,取引の適正化,資格者
の資質・モラル向上等を考慮する必要を述べている4)。また,公正取引委
員会見解原案に対して,資格者の業務が公共性をもち競争になじまない本
質を有すること,資格者団体は公益的目的を存在理由としており,独占禁
止法上の「事業者団体」とは異なる,という意見が寄せられた5)。いった
い,専門職能団体をどう考えるか。

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