歯科技工管理学研究

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歯科技工士・岩澤 毅

末瀬一彦 小臼歯 CAD/CAM 冠導入 2 年後の臨床経過に関する調査研究

2022年02月21日 | 歯学系学会・日本歯科医療管理学会雑誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/11/1/11_45/_pdf/-char/ja?fbclid=IwAR16un42mw0F8dy58vFHgU09YEd1jVRoWUo6QNdyjEG_8vBg9hQ5NZlsvKo

日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 11 : 45-55, 2019

小臼歯 CAD/CAM 冠導入 2 年後の臨床経過に関する調査研究
末瀬一彦  ,橘高又八郎  ,辻  功  ,澤村直明
Clinical investigation of CAD/CAM crowns on premolars after two years progress
Kazuhiko Suesea
, Matahachiro Kitsutaka b
, Isao Tsuji b
and Naoaki Sawamurac
原著論文
抄 録
目的:平成 26 年 4 月に CAD/CAM 冠が先進医療として医療保険に導入され,平成 28 年 9 月には全国の歯科診療所の 59.0%が施設基準の届け出を提出するようになった.そこで,CAD/CAM 冠を成功させ,大臼歯や前歯部への適用拡大を図る目的で,CAD/CAM 冠の使用状況ならびに予後について広範囲の調査を行った.
方法:全国の歯科診療所を対象に CAD/CAM 冠に対するアンケート調査を実施した.調査の回収にあたっては歯科技工所の協力を得て,全国約 2,000 カ所の歯科診療所を対象に調査を実施した.調査内容は,CAD/CAM 冠適用の実態,CAD/CAM 冠の脱離と破折,CAD/CAM 冠の将来展望,患者評価などである.
結果:CAD/CAM 冠の脱離率は 8.0%で,前回調査よりわずかに減少し,脱離までの期間は,装着後 2 週間以内,また破折率は 4.3%を占め,前回調査よりわずかに増加した.破折までの期間は 2 週間以降 1 カ月以内が多かった.装着前の前処理としてプライマー処理は 88.5% の歯科医師が行っていたが,サンドブラスト処理は38.9% であった.また脱離に関しては使用したレジンブロックおよび接着性レジンセメントの種類において有意差は認められなかった.さらに患者評価は極めて高く,98.9%が満足している回答であった.
結論:医療保険における CAD/CAM 冠の適用頻度は増加しているが,今後さらに大臼歯部や前歯部への適用拡大においては材料強度,色調再現性を高めるとともに,脱離や破折に対する配慮は極めて重要である.
キーワード CAD/CAM 冠,脱離,破折,プライマー処理,サンドブラスト処理


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