ハルヒ、キックの鬼とたたかう

幕末、安政の大獄で捕われた吉田松陰がついに断頭台の露と消えた。

その頃、江戸の街では各藩の藩士による抗争が絶えなかった。尊皇攘夷、公武合体入り乱れる世論が世情不安をあおり、井伊大老の強権政治はますます江戸庶民を苦しめることとなる。

各藩は非公認ながら隠密を雇っていた。今回登場する蹴っ飛ばしのまどかもその一人。
土佐藩江戸家老の島本は長州藩との抗争に明け暮れていた。そこにくの一が現れる。蹴っ飛ばしのまどか(鶴ひろみ)である。早速長州藩の合田たち攘夷派を退治するために使いに出される。
彦根藩御用の店に押し込む合田たち。そこにまどかたち仕置人参上。見事に合田たちを一蹴した。合田たちはその後京へ上ることになり、新撰組と一戦交えることになる。

仕置人の活躍を伝える瓦版が江戸市中に出回る。みくる(後藤邑子)も瓦版売りに余念がない。
「仕置人なんて、あたしたちの足元にも及ばないわ」
みくるの瓦版をハルヒ(平野綾)が取り上げる。そして絶対に仕置人に勝ってやると対抗意識を燃やすのであった。

ある日、まどかの連れのウサギのひかる(原えりこ)が先日の彦根藩の番頭から二分金を受け取っているのを京太郎(杉田智和)が目撃。ひかるを捕らえようとしたが、土佐藩の藩邸に入られてしまう。
そこで小雪(茅原実里)の知恵を借りることに。小雪は温蔵庫を作っていたが、これを使えば土佐の名産品である鰹節の質を高められると言って土佐藩邸に乗り込む。

土佐藩邸でハルヒとまどかの対決が行われる。ハルヒはまどかの蹴りに苦戦を強いられるが、ハルヒは横から蹴りを入れてまどかをＫＯする。
「負けたわ。でもあたしを倒したからには、仕事を受けてもらうわよ」
「相手は」
「福井藩橋本派残党、木村一郎太とその配下」
「福井藩橋本派と言えば尊皇攘夷、確かに」

木村一郎太たちは彦根藩の屋敷前で暴動を起こしていた。そしてその巻き添えで罪のない町人の一人が死亡、二人が重体となった。そしてその一部始終をひかるが見ていたのである。
事件の数日後、薩摩藩の下屋敷前にて薩摩藩士たちと落ち合う約束をした木村たち。しかしそこをハルヒたちが狙うことになる。

仕事を済ませたハルヒは、江戸を離れるまどかに礼を言う。
「ハルヒさん、江戸にはまだまだ人がいますから。たとえば商売人の福笑いの福造とか」
「商売人･･･福笑い」
まどかの言った福笑いの福造、それは江戸市中を騒がす黒の元締めだった。詳しくは次回、オタノシミニ。