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酒盛り不良物語

(注意)
この作品には、法律違反や犯罪の描写がございます。また、この作品はフィクションであり、登場する人物・団体・事件などはすべて架空のものです。ご理解の上お読みください。
あと、決して真似をしないでください。

盛岡の名物わんこそば。ハングタンご一行様もわんこそばに挑戦。スティングこと原俊彦はわんこそばの100杯くらいは、と自信満々。
「でも100杯食えなかったら全員分自腹だから」
「キビシーーーーッ!!」
というわけでハングタンたちは東家本店へ。

スティングはさっそく二階でわんこそばに挑戦、ハングタンたちの野次にも負けず見事100杯を食べきった。
「よし、これで証明書がもらえるぞ」
続いてマッキーが挑戦。スティングには負けたくなかったが、そこは女の子だ。さすがに100杯はきつかった様子。しかし一階の棚で酒を発見すると人が変わった。
「これ、良くない?帰って一緒に飲もっ」
「そうだね」
「だめよ、これはそばの前に飲むんだから」
「あ、そっか」
それでもマッキーはそば前酒「中津川」を購入した。

一方、盛岡学園の高等部の屋上では数人の生徒が夜遊びをしていた。そこへ教諭がやってくる。
「こりゃいいや、先生」
「おお」
「高橋先生もこっちで飲みましょうよ」
高橋先生と生徒たちは屋上で酒盛りをやっていた。これは現実には犯罪だが、ここではあくまでフィクションだ。


翌朝、盛岡学園の理事長室にマッキーとショパンが呼び出された。
「実はうちの学園の退学者が夜な夜な公園などで酒盛りをしていると言う話なんだ」
「そりゃ退学もやむを得ないっしょ」
「それはわかるのだが、問題はそれのあとだ」
マッキーはキョトンとした目をした。
「実は先日、公園近くの住宅で放火があった。そこにアルコールが撒かれた痕跡があるため放火とわかったんだがね」
「でも放火魔が学園をクビになった人たちというのもね」
「それだけじゃないのよ」
「実は他の高校の生徒にも酒を強要したと言う報告がある。もし公になったらわが校の名誉毀損だ」
ゴッドの怒りに応えたマッキーとショパンはさっそく捜査を始めることに。

まずは校内の素行調査で飲酒などしてる子がいないかをチェック。しかしマッキーの前に英語教諭の高橋和幸が立ちはだかる。
「牧村先生、何してるんですか」
「べっ、別に…変なことしてるわけじゃ」
「ならいいんですが」
そう言って高橋は去った。
「あたしは日本酒と焼酎しか飲みませんから!」
マッキーはアッカンベーをした。一方のショパンは不良の被害に遭ったと言う3年C組の吉田雅人と屋上に向かっていた。
「ここで僕、竹田と絡んだんだよ。それで…」
「その竹田君に酒を飲まされたのね」
「違うんだ、僕は飲んでないんだよ」
雅人はショパンに潔白を訴えた。するとショパンは雅人を信じると言い、不良グループが現れないようになんとか努力すると約束した。
「絶対だよ、竹田をとっつかまえてくれよ」
「うん」

ショパンは雅人の言葉に出た竹田について調べた。
竹田和晃、18歳。巻堀中学から盛岡学園進学も、家庭のすさんだ事情から半年前に退学している。
「家庭の事情…ねぇ」
ショパンはさっそく竹田の実家を訪ねたが、誰もいない。近所の人に話を聞いても誰も取り合ってもらえず困ったショパン。するとスティングが好摩駅前でショパンに竹田和晃の話をする。
「竹田和晃の話だろ。この好摩まで無駄足だったね」
「えっ?」
「あいつ、巻堀には戻っていない。今は津志田のほうでヤンキーホームレスよろしくやってるよ」
「津志田ですって!?」
驚いたショパンはマッキーに電話。しかしマッキーは仙北高校との練習試合のため出かけていた。マッキーはホワイト、ウイングらに混じって真剣に試合をやっていたが、そこに突然呼び出しの校内放送が流れた。
「牧村先生、盛岡学園の牧村先生、お電話が入っています」
「先生、呼んでますよ」
というわけでマッキーは職員室へ。電話の相手はゴッドだった。
「実は津志田の界隈で重要参考人目撃情報あり。仙北高校との練習試合終了後すぐ津志田方面の警戒に」
「わかりました」
そしてマッキーはウイングとホワイトをお供に津志田界隈のパトロール。ここにアローも合流して竹田和晃を探すことにしたが、この日は見つけられなかった。

その頃高橋は青山駅の上りホームでウイスキーのジャック・ダニエルをかっ喰らっていた。そして昼の出来事を思い出していた。
「なんでぇ、あんな小娘」
そして女子校生に寄りかかろうとしたが、電車が来たので自重した。

翌朝、ひとりの高校生が前九年公園で寝ているのが発見された。高校生は病院に運ばれ、酒を飲まされたと診断された。そのニュースをマッキーも知って驚いた。
「あいつら、裏をかきやがった」
「竹田和晃君は関係あるかしら」
「あるんじゃない?当然でしょ」
そこへ電話が。相手はスティングだった。
「大変だ。上堂のほうで窓ガラス割られた家が多発しているらしい」
「えっ?」
というわけでマッキーとショパンはスティングの待つびっくりドンキーへ。そこでスティングは上堂のガラス割り事件が関係あるか、という話をした。
「青山での放火、上堂でのガラス割り、偶然にしてはおかしいと思いませんか?お二人さん」
「…偶然よね、偶然にしては出来すぎてると思うけど」
「やっぱり今流行の無差別テロでしょ」
「そんなわけはないのだ。実は近くの人からウイスキーのにおいがしたとか話を聞いたんでね」
「ウイスキー?」
「バーボン?スコッチ?」
スティングは頭を抱えたが、そのとき店からテネシーワルツが聞こえてきた。
「テネシー…あっ、ジャックダニエルかな。俺も飲んだことあるから」
「ジャックダニエルって、そういえば高橋先生が」
「知ってるの?」
「隠れて飲んでいるらしいのよ」
スティングは大通りの裏通りにジャックダニエルの飲める店があることを思い出し、さっそく高橋を誘ってくれとショパンに言う。
「わかったわ。その代わり…」
ショパンは伝票をスティングに差し出した。
「ゴチになります」
「右に同じく」

マッキーは放課後アローとホワイトに南地区、エースとウイングに北地区の探索を任せた。
「これが竹田和晃君。見つけ次第連絡すること」
「はいっ」
2時間後、大通りを歩くマッキーに電話が。
「先生ですよ~」
「あたし、竹田さん見つけちゃったんです」
「竹田発見!」
マッキーはメモ帳を広げ歩道にしゃがみこんだ。
「竹田さんはやっぱり北のほうにアジト持っていますよ」
「しかも、中年男性が出入りするらしいですよ」
「中年男性?まさか」
「そのまさかですよ、まさか」
しかしエースとウイングの背後に竹田を含む4人ほどの男の群れ。ひとりが携帯電話を取り上げた。
「おい、誰と話してんだ。警察か?学校か?」
そしてエースは別の不良に殴られた。ウイングも抵抗するが、ビール瓶をもろにぶつけられてしまった。
「行こうぜ」「行こう、行こう」
エースは死力を振り絞って後を追いかけたが、男たちは車に乗った後だった。それからウイングを起こし、マッキーにリダイアルで男たちを逃がしたものの車のナンバーやステッカーなどは記憶したことを伝えた。

そのワゴンの運転手はなんと高橋だった。
「先生、助かったよ。何とかしてくれると思ったからな」
「先生はよしてくれ」
「でもいいよなぁ」
「何が?」
「そんなこんなで夜の街を歩けて、気分はオトナじゃん」
「はしゃぐんじゃない。今日は大事な人との飲み会だ。黙ってろ」
そして高橋はスティングとショパンの待つバーへ。そしてスティングは高橋に話をする。
「おやおやおや、誰かと思えば盛岡学園の先生じゃありませんか」
「知ってるのかい」
「ええ、何度も盛岡学園の近くを通りかかっていますから」
そして世間話をする二人。その頃外では竹田たち4人が見張っていたが、そこへマッキーとハングタンたちがやってくる。
「よくもかわいい教え子を…酒には酒じゃい、バッキャロー!!」
そう言ってマッキーはスピリタスの液体とニトロを混ぜたというバッキャロー弾を竹田たちに投げつけた。
「逃げろ!」「待てぇ、バッキャロー!!」
バッキャロー弾は爆発した。その爆音を聞いたスティングと高橋は店外へ。ショパンもピアノを止めた。
「何かあったようですね。爆弾事件ですか…?」
「行きましょう」
しかし高橋はスティングとショパンによって眠らされてしまった。スティングは竹田たちの処理も行なった。これであとはハンギングだけ。

ある暗室に秘密バーが開店した。マスターはスティング、バーテンはマッキー、そして接待ホステスはハングタンの生徒たちがやっていた。
「いらっしゃいませ。当店は世界の珍しいお酒を取り揃えています」
「ほぉ、珍しいお酒ですか」
「はい。アクアビット、ピンガ、コルネ、その他色々ございます」
そして高橋の周りをバニーガール姿のウイングが歩いてきた。
「ちょっと、僕はジャックダニエル」
「またですか?」
スティングのこの言葉に高橋は動揺した。
「…まさか」
「ただでは飲ませるわけにはいきませんよ」
そしてスピリタス登場。スティングはウイングとホワイトにスピリタス満載のグラスを運ばせた。しかしスティングは念を押す。
「さっきも言いましたよね、ただでは飲ませないって」
「チェーサー用意」
チェーサーというのは強い酒を飲んだ後に飲む水のこと。和酒では「和らぎ水」と言っている。なお、「ストレイト・ノー・チェーサー」というのはストレートウイスキーを水なしで飲むことを言う。それはさておき、生徒たちは高橋の背後にやってきてチェーサーの準備。
「さぁ、チェーサーだ」
しかしそれはなんとニトログリセリン!竹田たちもアローとエースにニトロを飲まされていた。こぼした男は小爆発の餌食になった。
「うわわわわわわ、なんて店だ」
「いやでしたらしゃべってもらいましょうか。盛岡中に迷惑をかけた与太郎さん」
そのときウイングがいつものドジ(?)でなんとライターを落とし、スピリタスとチェーサーを一気にこぼしてしまった!
「いやぁん」
高橋の周りは炎に包まれた。
「うわっ、助けてくれ。誰か火を消してくれ」
「真水をぶっかける。その前に未成年飲酒防止法違反などの罪をしゃべってくれませんか?」
ショパンはピアノでオペラ座の怪人のメインテーマを弾いていた。ここにきて高橋はとうとう観念した。
「竹田、平野、佐藤、石川は俺の教え子だった。しかし素行不良や家庭の事情で退学させられて…かわいそうでならなかったんだ」
「そりゃ、みんな教え子はかわいいと言うわよ」
「あいつらはすさんでしまった。そして酒に手を出して…俺は止めたんだ。でも俺も世の中が面白くなかった、だからあいつらと一緒に悪魔に魂を売ったんだ」
竹田たちは高橋を助けようと泣き喚く。
「高橋先生の指示でいろいろやったんだ。僕たちは悪くない」
しかしスティングは怒り狂った。
「アルコールの強い洋酒をストレート・ノーチェーサーで一気飲みすると危ない。現に昨日だって前九年公園でやっただろ」
「ああ、やったよ。そんでその帰りに今度は火遊びじゃなくて的当てをやろうって」
そしてショパンがピアノを止め立ち上がった。
「やっぱりあんたたちの仕業だったのね」
スティングが、マッキーが、そして生徒たちがバーから去った。残ったショパンもピアノの鍵盤を叩いてどこかへと消え去った…

と思いきや、ここは盛岡学園の高等部の屋上。高橋や竹田の自白が校内放送に流れていた。
「先生、助けてくれよ」
「馬鹿野郎」
「先生も面白いからって協力してくれたんじゃないですか」
しかし校庭に集まった生徒、事件の被害者たちは納得しない。
「よくも無理やり酒を飲ませたな」
「痴漢に間違えられたんだぞ」
「うちの息子は肝臓をやられそうになったんです」
怒号の飛ぶ中をパトカーがやってきた。それをハングタンたちは黙ってみていた。

事件解決の夜、スティングは今日は小じゃれたスナックにいた。そこにマッキーがやってくる。
「いやぁ、しかしオトナはいいよね。うまい酒が飲めて」
「本当よね」
「でも、酒はほどほどにと言うけど、ほろほろ酔えば百薬の長だからね」
「うん」
スティングとマッキーは二人だけの乾杯をした。

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