OMOIDE IN MY HEAD状態

音楽のこと、気になるモノコト、思い出等々を記録していくブログ。

町田康『パンク侍、斬られて候』

2008-02-16 23:19:26 | 
ずば。すべての常識を覆す、空前絶後の傑作時代小説

これが、この本の(文庫版)の帯のことば。
そう。

「ずば。」

これが、町田康の小説のすごさなのだ。
町田康、めっきり読書量の減った最近の私だが、この人の作品は大好きである。

町田町蔵と書けば、ピンと来る人も多いか。

1981年にパンクロックバンド「INU」のボーカリスト町田町蔵としてアルバム『メシ喰うな!』でデビューした人なんである。
同バンド解散後も様々な名義で音楽活動を続ける傍ら、俳優としても多数の作品に出演、1996年には処女小説『くっすん大黒』で文壇デビュー。
2000年には小説『きれぎれ』で第123回芥川賞を受賞、以後は主に作家として活動している。

当初は、町田町蔵の書く小説ってどんなのだ、と興味本位で読み始めたのだけど、これがすごい。
『くっすん大黒』、『夫婦茶碗』、『きれぎれ』など読んだけれど、ことばが疾走していて、めちゃくちゃなようで、めちゃくちゃでなく、作者の意図していることとか、意図していないかもしれないこととかが、怒涛のように伝わってくる。
読後はまるですげーカッコいいバンドのライブを見た後みたいになる。

やっぱ、この人はバンドマンなんだ、と思う。

パンクバンドやってた町田町蔵はもちろんカッコいいけど、文壇でカッコいい小説書いている町田康も同じくらいカッコいい。

今回読んだ『パンク侍、斬られて候』は時代小説。
町田氏の作品は短編が多いのだけど(そのほうが疾走感が感じられる・・・パンクバンドの曲が短いのと一緒?)、今回は長編。
どうなのかな~と思って読んだんだけど・・・

そんなのは、杞憂だった。
町田康は町田康だった。

だって、人を斬る時に「ずば。」って。
江戸時代の話なのに、「ザッパ」(フランク・ザッパのこと)とか「シャム69」なんてことばが出てきたりね。
ことばの操り方が絶妙。

あと、主要人物のゆかりの地(?)として岐阜が何度も登場するし。
岐阜っ子には嬉しい限り。

文庫本で353ページというかなりの分量なのに、それが飽きない、一気に最後まで読みたくなる。
時代小説にまったく興味がない私でも、夢中で読んでしまった。

町田康は、現代のパンク侍です

興味があれば、是非。

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町田 康
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パンク侍、斬られて候 (角川文庫)
町田 康
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2 コメント

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へぇ~! (つんちゃん)
2008-02-17 09:54:00
町田康って人は知ってたけど、バンドやってた
人なんだ♪
しかも面白いときた!
読書好きな私としては良い情報得た!って感じ★
ただいま「チームバチスタの栄光」を読んでる
途中なので、終わったら本屋で見てみま~す
返信する
そう! (AKANE)
2008-02-20 23:41:41
おもろいのよ~この人の小説。
つんちゃん、町田康のこと知ってたんだ
気が向いたら読んでみて!
「チームバチスタの栄光」、面白そうだね。
映画やドラマの原作になってる小説って、興味あるよね。
「鹿男あをによし」も気になる~
返信する

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