アカバネーゼのささやき

夫の裏切り!妻の仕返し!夫婦とは?自立に目覚めた私が起業するまで!

現実逃避

2006年06月19日 | Weblog
あと15日間、どうやって過ごせばいいのだろう?

もうすぐ逢えなくなってしまう・・・

毎日いつもいつも逢っていたわけではないし、一緒に仕事をしているわけでもない


でも、いつでも彼は飛んできてくれる

いつでも私が飛んでいけば逢える


・・・だから、その支えがあったからどんな事も越えてこられた


もう、仕事の帰りに誰も助けてくれない…

病気の彼に、熱さまシートを貼ってあげることはできない…


タクシーの中で、二人とも無言だった

彼は「お台場」と行き先を告げた


彼の手から私の手に、切ない想いが充電される

私の手から彼の手に、迷いと悲しみが放電される


どうすればいいのかわからなかった

いい大人なのに「性欲」ではない、「母性」?でもない

なんだろう?この気持ちは?

ただずっとこうしていたい、まるで母体の中にいるような安心感

「この人に任せていれば大丈夫・・・」という思い

父親がすぐ隣で見守っていてくれるような暖かさ


こんなに緊張しているシーンなのに、眠くて仕方がない

このまま少し肩にもたれてもいいかな・・・


誰かがほっぺたを指でツンツンとつついている

なんとなく目が覚めるとレインボーブリッジを渡っていた


私は、彼が隣にいることを確認したら、また眠くなってしまった

「僕もウトウトしてた。。。なんだかすごく眠たいね。でもあかばねっちのイビキで目が覚めたよ!」

「う。。うそ~っ!」

「本当だよ!グググって聞こえて、起きたんだから」

ゲッ~ガハハハハハハハ~

二人で顔を見合わせて大笑い!!

急に彼は「あ、有明の方に言ってください」

と言った


タクシーの停まったところは大きな家具屋さんだった

「今度のモデルに使うソファやインテリア、一緒にみてくれる?」

「はい、付き合います」


平日の輸入家具の店は、とても空いていた

「インテリアが好きで、いろんなところに見に来るんだ」

「私は、新居に入る前、主人と何度も家具を見に行ったよ」

「あのさ、ご主人のこと『他の人』って呼んでもいいかなぁ?なんか悔しいからさ!」

「フフフフフ、『他の人』かぁ・・わかりました」


家具屋さんの広いフロアはたくさんのエリアに分かれており、私たちは二人でゆっくりと歩いた


「いつも仕事仲間と一緒に来るか、一人で打ち合わせで来るかだったんだ。いつもカップルが一緒に家具を選びに来ていて、すごくうらやましかったんだ」

「誰かとデートで来ればよかったのに…」

「一緒に家具を見たい人は、今までいなかったな」

「僕はこんなソファが好きなんだ」

「いいねぇ、なかなかセンスいいんじゃない?」

「こんな風に使いたいんだ」

「これはどう?」

「君と一緒だったらいいのに…」

「え?」

沈黙...


「他の人の事をずっと愛してる?」

「他の人には、彼女ができちゃって・・。ま、結婚したらいろいろあるんだよ」

「他の人のこと、今でも好きなんでしょ?」

「ずっと好きだったよ。本当に好きだと思ってた。でも、今はわからない」

「どうして、こんなにステキな奥さんがいるのに、きみを悲しませるの?」

「そんなにいい奥さんじゃなかったのかも」

「僕は絶対に君を悲しませないのに」

「それはわからないよ。結婚したらみんな変わるんだよ」

「絶対に悲しませない、一生きみを愛するよ」

「そんなこと、誰も信じられないよ。時間が経てば人の気持ちは変わるから」

「どうしてそんな絶望的な考えなの?」

「もう、疑ったり裏切られたりするのが怖いから」



「じゃあ、僕と結婚して?絶対に変わらないって誓うから」

「そんなの信じられないよ。いいの、このままで 結婚なんてもう誰とも一生しないよ」

「誰がきみをそんな人に変えたの?」

彼は悲しい目をして振りむいた


キッチンの食器棚がいっぱいあるフロアで、彼は私を抱き寄せた

「絶対に悲しませないから」

二人は食器棚の影で、静かに長いキスをした



なぜだか、涙が止まらなかった

なんだか、やっとここに落ち着いた・・・というような、不思議な安堵感だった

彼はずっとそこでおでこをくっつけたまま、

「だから結婚しよう?」

と言った


私は、鼻水をすすりながら、

「私、もう結婚してるってば」

「子供さんからママを取り上げられない。だから、ずっとずっと先でいいから結婚しよう?」

「そうしたら私はおばあさんになってしまうよ」

「仲良しのおばあさんと、おじさん・・でいいじゃん!」


真新しい家具に囲まれて、私たちは会社のことも、「他の人」のことも、全部忘れて現実逃避していた

ゆっくりと幸せな時間だった



・・・つづく




2 コメント

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Unknown (夜更かし)
2006-06-19 23:18:13
いいなぁNさん。

本当にこんないい男がいるんですねぇ。

信じていたご主人の不倫で深く傷ついた奥様が仕返し(言葉が悪くてごめんなさい)で自分も他の人とHしてしまうってよくブログなどでも目にしますが。。

でも二人は全然違う!うまく説明できなく歯がゆいけど。アカバネさんとNさんはもっと深いところで繋がってるね!

二人が本当に結婚できたらいいと私も心から願ってしまった。。無理?
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不倫と純愛の違い (アカバネーゼ)
2006-06-20 21:54:11
夜更かしさん、こんばんは~



どんなに純愛でも、どんなに心が繋がっていても、コレって世間では「不倫」ってことなんですよね?

なんだかんだと、とても美しい表現をしていますが、所詮、あんたも結局不倫したんでしょ!?・・・と世間の人々に言われてしまいそうです。。

でも、本当に思い出すだけでも、胸が苦しくなる幸せな瞬間でした…

私は、純愛だと思ってます





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