俳優の奈良岡朋子さん逝去。享年95。彼女が遺した言葉「戦争の本当の恐ろしさを知らず、おんば日傘で育った政治家たちが日本を戦争へ導いてるように思えてなりません。国会中継を見ても、彼らがあまりに人間の命を軽く考えていることに憤りを覚えます。『俺たちが与党だと』有無を言わさない強引さ。アメリカの戦争を支援しにいけば必ず攻撃され、自衛隊員にも犠牲者が出るでしょう。そうなってからでは遅いんです。鉄道員だった私の叔父は戦前日本共産党員でした。ある日、家で会議をやっていた時、特高に踏みこまれ捕まりました。叔父に最後にあったのは獄中から運びだされた病院です。叔母は、叔父が獄中にいる間に生まれた赤ん坊を抱いて行きました。叔父は拷問されて傷だらけ。息絶える間際で話すこともできませんでした。私は役者として、仕事で世の中を変えたいと考えてきました。私が出演した映画『お母さんの木』。お母さんは『お国のためだ』と言われて耐えるけれど、本当はつらい。息子が出征するたび、キリの苗木を1本ずつ庭に植え、毎日無事を祈ります。でも息子たちは次々戦死して帰ってきません。かつて本当に無数の『お母さん』がいました。もう二度とそんな世の中にしてはいけません」(2015年7月12日、『赤旗日曜版』)