きょうの潮流
神はモーリシャスというパラダイスをつくり、それをまねて天国をつくった―。『トム・ソーヤーの冒険』の著者、マーク・トウェインはかつてこの島を訪れたとき、こう語ったと▼インド洋のアフリカ寄りに浮かび、美しく透き通った海に囲まれた東京都ほどの島。以前は『不思議な国のアリス』にも出てくるドードー鳥が生息していたほど多様な生き物に富み、自然保護や環境保全に力を入れています▼世界屈指のリゾート地としても知られる「楽園」が黒く汚されました。沖合で座礁し、大量の重油を流出させた日本企業の貨物船によって。希少生物が数多い保護区の近くで、サンゴやマングローブ林をはじめ生態系への影響は計り知れません▼油まみれになりながら、流れ着いた重油を手作業で取り除く地元の人たちやボランティアの必死な姿。マスクや手袋が不足し、体調を崩す人も続出しているといい、健康面も心配されます▼先月25日に座礁し、モーリシャス政府が環境上の緊急事態を宣言したのは今月7日。現地では対応の遅さが批判されていますが、日本の専門家チーム6人が派遣され活動を開始したのは、事故から半月以上もたった後でした▼コロナ下での制限はあるとはいえ、物心両面からの早く手厚い支援はできないのか。観光業が落ち込む最中に追い打ちをかける環境破壊。住民は不安を募らせています。事故の深刻さに世界が衝撃を受けているなか、日本政府はひとごとのような姿勢を改め、回復に力を尽くすべきです。
2020年8月18日(火) 赤旗
靖国神社に行くのでなく、モーリシャスに行き回復に全力を尽くすこと。安倍政権としての談話はないのか。日本政府として誠意を示せ。
モーリシャス、賠償請求へ 座礁日本船が完全に分裂
2020/8/17
インド洋の島国モーリシャス沖で日本の貨物船が座礁し燃料の重油が大量に流出した事故で、モーリシャス政府は17日までに、船主の長鋪汽船(岡山県)や保険組合に環境汚染の損害賠償を請求する方針を発表した。また地元当局者は16日、貨物船の船体が完全に2つに割れたと明らかにした。
モーリシャス政府は14日付の声明で、環境汚染による損失や損害の法的責任を追及すると表明し「経済、社会、環境面に影響が出ている」と指摘。モーリシャス国民らに被害を証明する書類や写真の提出を求めた。
長鋪汽船は13日に「責任を痛感しており、賠償については適用される法に基づき誠意を持って対応させていただく」と声明を発表している。
2つに割れた船体の周囲では海面が灰色や黒色に濁り、量は不明だが、残っていた油がさらに流出したもようだ。16日にも油の回収作業が続いた。
貨物船は「WAKASHIO」。商船三井が手配し、中国からシンガポール経由でブラジルに向かっていた。約3800トンの重油と約200トンの軽油を積んでいたが、現地時間7月25日夜に座礁し、8月6日に油漏れが発生。千トン以上の重油が船体から漏れ、一部が海岸に漂着した。
長鋪汽船によると、船の前方部分を沖合にえい航する。後方部分をどうするかについては関係機関と協議している。
沿岸部には国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に指定された区域もある。モーリシャス政府は、多様な野生生物が被害を受け危機的な状況にあるとして7日に「環境緊急事態」を宣言した。
(共同)
他国の海で環境破壊しても人ごとのような態度。安倍政権には一日も早く退陣してもらいましょう。世界からの笑いものになります。