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森氏女性蔑視発言「一般社会では謝罪では済まない」 オリンピズムの伝道師
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言には、オリンピック研究者からも反発が出ている。「オリンピズムの伝道師」を自称する舛本直文・東京都立大・武蔵野大客員教授に尋ねると、開口一番「森さんはオリンピック精神をご存じだったのでしょうか?」。撤回や謝罪で済ませてはならないと力を込め、新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい状況が続く中でも「何がなんでもやる」方針に異議を唱えた。オリンピック研究の第一人者は森氏をどう叱るのか。【上東麻子/統合デジタル取材センター】
一般社会では「撤回・謝罪」では済まない
――森会長の発言は、五輪憲章からみるとどうでしょうか?
◆当然、ダメでしょう。そもそもこの会長は本当にオリンピック精神というものをご存じなのでしょうか? たとえばオリンピック憲章の根本原則第6項には、「人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見(など)、いかなる差別をも伴うことなく」とあります。また、オリンピックの三つの価値は、「卓越、友情、尊敬」。パラリンピックの四つの価値は、「挑戦、決心、インスピレーション、そしてequality=公平、つまり平等」です。組織委員会の会長としてオリンピック・パラリンピックの価値に「尊敬」と「平等」という言葉があることをご存じであれば、あのような女性蔑視発言は出てこないはずです。
――森会長は発言について「撤回し謝罪する」と述べています。
◆一般社会ではセクハラ、パワハラは「撤回」「謝罪」では済みません。それなのに政治家の人たちは「撤回」「謝罪」で済ませるのでしょうか? しかも、森さんはこれまでも失言を繰り返しています。お年寄りの政治家が名誉職のような形でオリンピック・パラリンピックの組織の長をやるのが、どだい無理な話なのです。政治の世界では撤回、謝罪で済むかもしれませんが、オリンピック・パラリンピックの委員会の職務はそんなことで務まるものではありません。「オリンピズムの伝道師」を自称している私からしたら、これは問題視するしかありません。かといって森さんが辞任しても、この緊急事態で引き継げる適切な人がいるかというと、心配になることも事実です。