藍住町は、不祥事続きでした。
副議長に続き副町長も逮捕、町民「町の信用なくなった」
2カ月前、町議会元副議長らによる大麻密売グループへの捜査情報漏洩（ろうえい）事件が明るみに出た徳島県藍住町で、今度は学校給食の食肉調達をめぐる官製談合の疑いで副町長が元副議長とともに逮捕された。「情けない」「町の信用はなくなった」。町民から厳しい批判の声が上がった。
大阪、徳島両府県警に官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕されたのは、副町長の奥田浩志容疑者（64）と町議会元副議長の平石賢治容疑者（46）=別の加重収賄罪などで起訴。同県松茂町の食肉卸売会社「阿波牛の藤原」社長、藤原誠容疑者（44）も公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕された。
両府県警によると、奥田容疑者は2020年10月、町立学校や幼稚園の給食で使われる食肉の納入業者の選定をめぐり、町側に先に提示された業者の見積価格を平石容疑者に伝えた。平石容疑者はその価格を藤原容疑者に伝えて約70万円で随意契約させ、公正な契約を妨げた疑いがある。
この日夕、高橋英夫町長らが役場で記者会見し、「昨年12月に発覚した不祥事に続き、町政への信頼を著しく失墜させることになり、町民に改めて深くおわび申し上げます」と頭を下げた。
奥田容疑者は1982年に町役場に採用され、社会教育課長や出納室長などを歴任し、18年に副町長に就任した。今月10日、高橋町長に事件への関与を伝え、「お騒がせして申し訳ない」と述べ、辞職願を提出したという。金銭の授受などについては「見返りはない」と否定したという。
30年余り町職員として一緒に勤めたという高橋町長は「仕事熱心で人当たりはよかった。このような事件に関与し、残念としかいいようがない。入札情報を漏らしてはいけないことは副町長なら分かっていたはず。どうして漏らしたのか捜査の状況を見守りたい」と語った。
同町は今年1月、元副議長と元町職員が共謀した大麻密売グループへの捜査情報漏洩事件の発覚を受けて、高橋町長をトップとするコンプライアンス対策検討会議を設置した。奥田容疑者も町幹部としてメンバーに加わり、不祥事を根絶するとして重要文書の決裁方法や管理方法などの見直しを進めていたという。
奥田容疑者の任命責任を報道陣に問われた高橋町長は「二度とこのようなことがないよう、不祥事の根絶に向けて職員の先頭に立って取り組む」と述べ、辞任については否定した。今回の事件による学校給食への影響について町教委の担当者は「影響はない」とした。
雨模様の中、町役場を訪れた70代の主婦は「不祥事が続き、全国に知れ渡るのは残念。町への信用はなくなった」。町内の無職男性（67）は「ニュースを聞いて、またかと情けない気持ちになった。町長には当然、任命責任があり、どう責任を取り、町民に説明するか見届けたい」と話した。（吉田博行）
徳島・藍住町の前副議長に有罪 密売組織に捜査情報「公務への信頼害した」
2023年11月10日
徳島県藍住（あいずみ）町の学校給食用肉の入札を巡り、最低見積額を業者に漏らしたなどとして官製談合防止法違反などの罪に問われた町議会の前副議長、平石賢治被告（４６）に徳島地裁は１０日、懲役２年６月、執行猶予４年を言い渡した。求刑は懲役２年６月。
藍住町 学校給食めぐる談合事件 元副町長に有罪判決
06月28日 11時55分
藍住町の学校給食をめぐる談合事件で、見積もり金額の情報を業者に漏らした罪に問われた元副町長に対して、徳島地方裁判所は「副町長としての重い職責に反し強い非難に値する」として、有罪判決を言い渡しました。
藍住町の副町長だった奥田浩志被告（６５）は、町の学校給食に阿波牛などを納入する業者を決める随意契約をめぐり、副議長だった平石賢治被告（４６）とともに食肉販売店の藤原誠被告（４５）に他社の最低見積金額の情報を漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われました。
２８日の判決で、徳島地方裁判所の高橋孝治裁判長は、「入札の公正を害することは明らかで、犯行は極めて悪質だ。副町長として入札の公正を守るべき立場だったのに、安易に秘密を教示した経緯に酌むべき点はなく、副町長としての重い職責に反し強い非難に値する」と述べました。
そのうえで「捜査段階から事実を認め反省の態度を示している」などとして、懲役１年６か月、執行猶予３年を言い渡しました。
また、藤原被告に対しても、懲役１年、執行猶予３年を言い渡しました。
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