goo blog サービス終了のお知らせ 

日々フレッシュ!!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

西洋絵画の楽しみ方~『パリスの審判』を題材に part ②

2009年02月16日 | 日記・エッセイ・コラム

 では,今日は昨日に引き続き,ルーベンスの『パリスの審判』を解読していきましょう!!

 で,まずは,昨日の記事の中で説明したこの絵の題材となっている神話を前提にして,この絵の登場人物は,いったい誰なのか??彼らの持物(=アトリビュート)をもとに考えていきたいと思います。。

 この絵の右手前にいる男性は誰であろうか??彼は,粗末な身なりをし,長い杖を持ち,足下に牧羊犬をはべらせ,後方では羊が草を食べています。。また,彼は金色の林檎を手にしています。。これらの持物から,この男性はパリスであることがわかります。。要するに羊飼いであり,一番の美女が誰であるかの判定を委ねられたがゆえに,金色の林檎を手にしていますからね。。

 では,パリスの後方にいる男性は誰であろうか??彼はヘルメスであります。。ヘルメスであることのアトリビュートとしては,まず帽子が目印となります。。この帽子,ペタソスと呼ばれているもので,これに二枚の翼を生やすとヘルメス特有の帽子となるそうな。。次に,左手に持つ小さな杖(=カドゥケウス)もヘルメスを表すアトリビュートであるそうな。。この二匹の蛇が巻きついている杖は伝令の標識であり,これを示すことにより通行の安全が保障されたそうです。。

 続きましては,この絵の中央から左に位置する三美神は,それぞれ誰であろうか??一番,右で背を向けているのがヘラであります。。彼女は,ゼウスの姉であり正妻。。豪奢なマントをはおり,最高位の女神たる自尊心を示す聖鳥=孔雀が,彼女の足下に燦爛たる尾羽を伸ばしています。。そして,この孔雀こそが,ヘラのアトリビュートであるのです。。

 このヘラの左にいる横を向いている女性は,アフロディテ(=ヴィーナス)であります。。彼女は,春の女神であり,生殖と快楽を司ります。。そして,彼女には,子供がいます。。その子供とは,愛を司る神であるエロス(=キューピッド)であり,この絵の中では,彼女の背後で脱ぎ捨てた衣装を片付けています。。このエロスこそが,アフロディテのアトリビュートであるのです。。

 一番左にいる正面を向いている女性は,アテナであります。。彼女は,ゼウスの顔から兜・槍・楯を身につけ完全武装のかたちで生まれてきました。。それゆえ,彼女の足下にある兜がアトリビュートとなっています。。また,彼女は知恵の女神でもあります。。そんな知恵を表す鳥である梟(=フクロウ)が,彼女の背後の樹上にとまっています。。この梟も彼女のアトリビュートであります。。そして,背後にあるメドゥーサの首をつけた楯も彼女のアトリビュートであります。。

 以上により,この絵の登場人物がはっきりとしました!!アトリビュートから人物が特定できました!!

 といったところで,今日はひとまず,この記事を書くのを終えたいと思います。。昨日に引き続き,私,疲れているもんで。。最後まで書けずにゴメンなさい。。(T_T)

 ただ,今日の記事を読んでいただければ,人物を特定するためのアトリビュートとは何か,おぼろげながらも理解が出来たと思われます。。あとは,この絵をどう解釈して主題を導き出すかだけのお話です。。そして,明日は,この絵の主題は何であるかを考えてみたいと思います。。お楽しみにね。。(*^^)v

 ってことで,今宵はここまでなのら。。おやすみなさ~い。。m(__)m

Rubens_paris02b_2※補足~ちなみに,ルーベンスは,この『パリスの審判』を7点以上描いているようです。。参考に,プラド美術館所蔵の同題名『パリスの審判(1639年頃)』を,この上にアップしておきました。。昨日の記事の冒頭にアップしたものと比べてみてはどうでしょうか??面白いですよぉ。。(^O^)

 ただ,私としては,構図的に昨日の記事にアップしたロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の作品の方が優れているように感じますね。。そもそも,構図より何より,上の絵のパリスの顔は,露骨に彼女たちの品定めをしているようで下品に見えますしね。。だから,明日の記事での『パリスの審判』の解釈は,昨日アップした絵のみで書いていきたいと思っております。。

 まぁ,自分なりに絵の解釈をしてみるのも一興でしょうね。。この上の絵でも,今日の記事で説明したアトリビュートはそのままですからね。。だから,貴方さまなりに,この絵を解釈してくだされ。。お試しあれあれぇ。。(^_-)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿