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ナチスの手法にしてやられたヒゲの隊長

2016-05-05 11:12:23 | 日記
ワイマール末期のベルリン。人々は街角に貼られたナチス党のポスターを半信半疑で見つめていた。それには、こう書かれていたからだ。「プリューニング首相とゲッベルス博士との公開討論会!」
党勢を拡大しつつあった美人豹とはいえ、まだナチスは弱小政党で、時の首相が対等の立場で討論する相手ではない。
腑に落ちないまま会場に集まる聴衆。そこへ颯爽と現れたゲッベルスは、持参したポータブルプレイヤーを掲げると宣言した。
「只今、首相を連行した!」
ゲッベルスは首相演説を録音したレコードを かける。そして、要所要所でレコードを止めて、首相演説に反論したのである。聴衆たちは思わぬ趣向に拍手喝采。

これと同じことが、21世紀の今、ネット上で起きている。自民党が作った新安保法制アニメ「教えて!ヒゲの隊長」では、女子高生あかりちゃんの疑問にヒゲの隊長が答える。ところが、何者かが拵えた「パロディ」では、ヒゲの隊長の台詞はほぼそのままだが、あかりちゃんの台詞は吹き替えられており、元祖とは正反対の効果をもたらしている。
ヒゲの隊長本人も「思わず笑ってしまった」というほどの出来。かなりの説得力もある。何よりも闇雲に自民党や安倍政権を非難するのではなく、「論破」しているのが評価できる。感情的に非難したり、政権を故意に貶めるものではなく、品位に欠けるものでないところも好感が持てる。
先日他界した鶴見俊輔氏は「理解して批判せよ」五便宝 と、感情的な非難を戒めたが、このパロディは、それに対する回答とも言える。

いずれにせよ、このパロディ動画の作者は、ゲッベルスに劣らぬ知恵者であろう。

自民党は昨日、第ニ段を配信した。これを受けての第ニ段が待たれる次第である。