『ダ・ヴィンチの罠 祭祀王』からのつづきです！
東方に向かって大陸を横断する西アジア系移民の潮流の
始まりはＢＣ2000年以上にまで遡り、特にＢＣ８世紀以降
はイスラエル国家の崩壊により、新たなる大きな民族移動
の潮流が発生しました。
ＢＣ722年に北イスラエル王国が、そして後を追うよう
にＢＣ586年には南ユダ王国も滅亡し、おそらく数百万人
にのぼると思われる難民が離散し、その多くが大陸を横断
して東アジアを目指したのです。
ところで、
アッシリア人により追放され、忽然と行方がわからなく
なった人々を指して、「イスラエルの失われた10支族」と
呼びますが、果たして彼らはどこへ消えてしまったのか？
中央アジアから中国を経由し、朝鮮半島を経て極東の地
である日本へとイスラエルの血統を受け継ぐ人々が大移動
を始めたのが、いまから2700年前のことでした。
東にある日本の地を目指したイスラエルの民の移動ルート www.historyjp.com
生き延びた彼らは、はるばる東の国へと辿り着いて日本
という国の礎を築いていった ・・・
つまり、
★「イスラエルの失われた10支族」の一部は、日本人の
祖先だったのではないか？
という説が「日ユ同祖論」であり、あくまで、その対象
は「イスラエルの失われた10支族」なのですが ・・・
古代イスラエルの12支族 ja.wikipedia.org
小生には少なからざる疑問が残るのです！
それならば、なにゆえに「日イ同祖論」とは呼ばないで
「日ユ同祖論」（日猶同祖論）なのでしょうか！？
「日ユ」（日猶）であるならば、むしろ、南のユダ王国
の方を指しているようにしか、感じられません。
そこで、
小生の説では、その点を考慮し、残された南ユダ王国の
２部族と祭祀を担っていたレビ族の一部も日本を目指して
無事に辿り着き、我が国の礎ばかりか中心になっていった
という考え方に帰着します。
北イスラエルが崩壊したＢＣ722年から136年が過ぎた
ＢＣ586年、遂に南のユダ王国も滅びます。
新バビロニアの国王ネブカドネザル２世はイスラエル
の民を捕虜とし、「エルサレムのすべての市民、および
すべての司（つかさ）とすべての勇士、並びにすべての
木工と鍛冶１万人を捕らえて行った」ことが『聖書』に
記録されています。 （列王記24章14節）
エルサレム以外に居住していた民のうちの何人ほどが
捕虜になったか定かではありませんが、「すべての市民」
と記載されているだけに、少なくとも何十万人という民
が連行されて行ったと推測されます。
その時点においてエルサレム周辺に残った民は、国の
民のうち、貧しい者のみだったのです。
繰り返しになりますが、
第一神殿時代のエルサレム Illustration: Shalom Kveller, City of David Archive
ＢＣ586年、南ユダ王国はバビロンの侵略によって滅び、
エルサレム神殿は破壊されます。
そして、王国に在住していたユダとベニヤミンの２部族
および祭司のレビ族は、バビロンに捕囚の身として連れて
いかれたのです。
南ユダ王国が崩壊した際に、王国の民の全員がバビロン
に連れ去られていったわけではありません。
エルサレム周辺の住民の多くは捕囚の民となりましたが、
一部の貧しい民は、エルサレムに残されことが『聖書』の
歴史書に記録されています。
また、当時の南ユダ王国全体の国民の数は百万人を優に
超え、あまりに多かったことから、実際には北イスラエル
王国の「失われた10支族」のように世界各地に離散した民
の数も少なくはなかったと推測されます。
つまり、
南北イスラエル国家の崩壊で失われた民は、北の10部族
だけでなく、残りの南２部族も歴史の中に消え去った民が
数多く存在したと考えられるわけなのです。
「失われたイスラエル10支族」の移動ルート＆その痕跡 eb27.sakura.ne.jp
さて、
★ ここで訂正というか、補足説明を加えるとすれば、
前記事の『ダ・ヴィンチの罠 祭祀王』において、統一
されたイスラエル王国として12の支族がひとつにされた
のは、ダビデ王の時代だったと言いましたが、より正確
には初代のイスラエル王であったサウル王の時です。
イスラエルの歴史を振り返ると、ＢＣ1020年に12支族
（部族）からなるイスラエルはサウル王によって初めて
統一されます。
サウル王の死後、王家が変わりエッサイの子ダビデが
２代目の国王となり、その子ソロモン王の死（ＢＣ928年）
の後に、統一イスラエル王国は分裂して、北イスラエル
王国（～ＢＣ722年）と南のユダ王国（～ＢＣ586年）に
分かれます。
イスラエル12支族の紋章 ameblo.jp
北イスラエル王国は、ルベン・シメオン・ダン・ナフ
タリ・ガド・アシェル・イッサカル・ゼブルン・マナセ
・エフライムの10支族で構成されており、南のユダ王国
は、２代目の国王であるダビデとその子ソロモンの家系
であるユダとベニアミンの２支族からなっていました。
そして、
祭司階級であるレビ族は、12支族に組み入れられずに
北イスラエル王国にも南のユダ王国にも属していました。
イスラエル12部族 soku30.jp
北イスラエル王国の10支族は、アッシリア帝国により、
イスラエルの地から連行され（アッシリア捕囚）、以後、
行方不明となって、「イスラエルの失われた10支族」と
呼ばれることになります。
北イスラエル王国と南ユダ王国 ja.wikipedia.org
南ユダ王国の２支族は、新バビロニア帝国に滅ぼされ、
「バビロン捕囚」の後に、アケメネス朝ペルシア帝国の
キュロス2世によって解放され故国に帰りますが、その後
ローマ帝国による追放劇によって離散の歴史を経たあと、
紆余曲折の末に、ＡＤ1948年に建国（再建）を果たした
イスラエル国家の国民や世界中に散在するユダヤ民族と
して現在に至っているわけです。
ところで、古代中国において、
遠い東の彼方には「君子の国」や「不死の国」がある
と言い伝えられていました。
国には争いがなく、謙譲を重んじた理想郷であったと
されています。
北イスラエルの崩壊にともなう〝アッシリア捕囚〟、
バビロン捕囚 ja.wikipedia.org
そして、南ユダ王国の崩壊での〝バビロン捕囚〟から
数十年後のＢＣ６世紀には、中国の孔子が唱えていたと
されるその国が ・・・
ＢＣ２～３世紀からの朝鮮半島から日本への大規模な
民族移動が開始される前に、すでに小規模な国家として
日本のどこかに存在していたということでしょうか？
おそらく小生には、この「君子国」「不死国」こそが、
邪馬台国の礎を築いていった初代小規模国家なのだろう
と思われてならないのです。
そこで、話は一気にイスラエルから中国を飛び越えて、
日本とイスラエルの位置関係 ja.wikipedia.org
一万キロ近くも離れた極東の小さな列島に移ります。
（日本とイスラエルは9,147キロ離れています）
ＡＤ３世紀半ばの日本に君臨した女王にして巫女でも
あった女性、それが卑弥呼でした。
高校の日本史教科書では、卑弥呼は邪馬台国の女王と
して記されていますが、実際に卑弥呼が邪馬台国の女王
だったことを示す信頼性のある史料は存在しません。
彼女の人物像は、あくまでも３世紀末頃の中国で記述
された魏志倭人伝などの中国の史料に基づいています。
魏志倭人伝の原文の抜粋 ja.wikipedia.org
おっと、ハタと気づけば、もうすでにかなりの時間が
経過してしまいました。
先刻来からのイスラエルの民族移動にともなう考察に
紙面をとられた関係で事前に予定していた『卑弥呼』や
邪馬台国についての記事を書くスペースも時間的な余裕
も失くしてしまったようですので、今回のブログ記事の
タイトルを『大移動』に変更して、前号で予告していた
『卑弥呼』や邪馬台国についての解説については、次回
以降にまわすこととさせてください。
ついでに言及すれば、
小生の説は「日ユ同祖論」をベースにしてはいますが、
むしろ、その紐帯には祭祀を担ったレビ族や南ユダ王国
のユダ族との関わりに重きを置いていて、北イスラエル
の「失われた10支族」については、ほんの付け足し程度
にしか言及していません。
さもあれ、
本当に日本人がユダヤ人の末裔だとしたなら、それは
それで、とんでもなく大変なことになってしまいます。
表面上いくら似ているところがあると言っても、一番
肝心な信仰の本質が、まったく異なっているからです。
日本で崇められているのは八百万の神々であり、宗教
としては仏教を信仰している家が大多数を占めています
が、イスラエルの神は唯一絶対、全知全能の創造主です。
「創造主」（神）keaton511.com
唯一の神以外を信仰の対象とすることは、偶像礼拝で
あり、律法で最も厳しく禁じられている事柄です。
日本人がユダヤ人なら、偶像礼拝という最も重い罪を
長年に渡って続けてきたことになってしまいますよね！
偶像礼拝に対する神の厳しさを、イスラエルの人々は
嫌というほど思い知らされているわけですが、
イスラエルが置かれたカナンの地も、実は、さまざま
な偶像礼拝が蔓延していました。
その悪影響に感化され堕落したイスラエルは、厳しい
裁きを受け、世界中に散らされて、現在もその苦しみは
続いています。
常に迫害されていたユダヤ人は、地域の民と同化する
ことすら許されず、彷徨い続けてきました。
ナチス・ドイツによるホロコーストでは、 600万人が
凄惨な死を遂げていますし、世界の中で反ユダヤ主義が
絶えたことはありません。
ナチス・ドイツによるホロコーストの舞台になったアウシュヴィッツ強制収容所跡地の入り口
2015年1月、ポーランド・オシフィエンチム【ＡＦＰ時事】www.jiji.com
神が選びしユダヤの民の過酷な運命を思えば、たとえ
百歩譲ってもユダヤ人のようになりたいとは、軽々しく
言えないことを思い知らされます。
ですが、小生には、少なくとも日本の中心においては
〝ユダヤの血〟が流れていると思えてならないのです。
それゆえに『ダ・ヴィンチの罠』でも取り上げている
わけなのですが ・・・
むむ！ 
この男は、何も、わかってませんな！
日本人は、異質なんじゃ！ 
「お前さんは、どう思うんじゃ！？」
「この世界には男と女しかいないってことよ！」
それって、〝天照大御神〟と何か関係があるの？
アマテラスは男であったとする説もあるが、とんでもなヨタ話なんじゃろか？
さあね！？ う～む (^▽^;)(^^ゞ
アマテラスは本来は男神であり、女帝の推古天皇や持統天皇の影響で
女神にされたという「男神説」ですが ・・・
〝天照大御神〟jp.pinterest.com
この説は古代中国の文献に出てくる東海の島に住む太陽神の母である
羲和（ぎか）とアマテラスを結びつけたりもしていますよね？
… to be continued !!
「天照大御神」 jp.pinterest.com
このつづきとして『君子国』と題するテーマでの記事を予定しています。
祭祀王 卑弥呼 ameblo.jp
〝天照大御神〟と「卑弥呼」との『同一人物説』も存在しますが、
女王にして巫女でもあった卑弥呼 mag.japaaan.com
卑弥呼 mag.japaaan.com
