透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 地動説

 今から、およそ500年前といえば、漸(ようや)く、地球が
丸いことが分かり始めてきた時代ですが、未だ「科学」
いう概念さえおぼろげだった15世紀から16世紀にかけて
ヨーロッパの先駆者たちは、宇宙に関するカトリック教会の
教えとは相反する事実に対する理解を得るようになります。

 そんな中で、新たな視点で天空を眺め観察し続けた人物
にガリレオ・ガリレイがいました。

  

 西暦1564年、斜塔で有名なイタリアの都市ピサで生まれ、
パドバ大学で教鞭を執り、その後 フィレンツェに移り住んで
活動をしますが、ガリレオの時代以前には、多くの人々は、
太陽も惑星も他の星もすべてが地球の周りを回っている
と信じていました。

 当然ながら、そのこと(天動説)はローマ・カトリック教会の
絶対的な公式教義でもあったのです。

 しかし、ガリレオは望遠鏡による天体観測を行なって教会
の教えとは矛盾する数々の証拠を目にします。

 望遠鏡は同時期にいろいろな人が発明したとされることも
ありますが、1608年、オランダのハンス・リッペルスハイ
初めての望遠鏡を作った人物として広く認知されています。

 そんなリッペルスハイの発明を知った後の1609年5月に
ガリレオは、彼自身が1日で作った望遠鏡を初めて天空の
夜空に向けたのでした。



 以後、彼は望遠鏡の倍率を上げながら、その実用性を
向上させていったのです。

       
 左:ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)、右:ガリレオが作った
14倍(上)と20倍(下)の望遠鏡(イラスト/高部哲也・リベラ)

 そしてある日のこと、太陽の表面を黒点が移動するのを
目撃し、太陽が回転していることに気づきます。

 こうした観測の積み重ねにより、宇宙への理解が深まる
のに比例して、ガリレオはカトリック教会と真っ向から対立
するようになるのです。

 これを遡ること数十年前に、ポーランドの天文学者である
ニコラウス・コペルニクスは地球が太陽の周りを回って
いるとする「地動説」を唱えていました。

 ガリレオは天体の運行に関するコペルニクスの理論
研究し、それと一致する証拠を望遠鏡を通して目撃する
と、カトリック教会の教義とは相反する結果に迷いながらも
、やがて、その発見を公表することにします。

 ガリレオは異端を問われて審問となり、拷問を受けたか、
あるいは拷問の脅しを受けるかして、コペルニクスの説を
否定するよう強要されます。

 2回目の異端審問となった

 1633年、ローマの異端審問所はガリレオに対して終身刑
を言い渡しますが、自宅軟禁に減刑したうえで、その著作
(天文対話など)を禁書に指定します。

 そして、この時に言ったとされるのが、かの有名な言葉、

 「それでも地球は回ってる」 ですが、

 実際には、イタリア語での「E pur si muove」
または「Eppur si muove」で、直訳すれば、単に
「それでも動く」と呟いたに過ぎないのです

         

 1642年1月8日、ガリレオはフィレンツェ郊外のアルチェトリ
の自宅で亡くなりますが、その後、何百年もの間、ガリレオ
の一部の著書はカトリックの禁書目録に含まれ、1979年に
なるまでその判決が見直されることはなかったのです。

 そして、ついに1992年、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世は、
ガリレオを有罪にしたのは間違いだったと認めたのです。

 しかしながら、

 ガリレオ・ガリレイを100年も先駆け、コペルニクスよりも
早く天体の構造と運行に係る知見を得た男がいたのです。

 そう彼は知っていたのです

 太陽の周りを回っているが地球なのだと ・・・

 知ってはいても自若にも臆面もなく知らぬ顔を決め込み、
コペルニクスの「地動説」を擁護して、火あぶりの刑に
処せられたジョルダーノ・ブルーノや終身軟禁の有罪宣告
を受けたガリレオと比べ、異端審問にかけられることもなく
秘密裏に自分の作品にせっせとを仕込んでいた男こそ
誰あろう、レオナルド・ダ・ヴィンチ、その人だったのです。


 ところで、コペルニクスも自分自身に降りかかる不都合を
十分に承知していて、『天球の回転について』
発刊には、慎重を期して不用意なことはせずに、1543年、
つまり、彼の没年に満を持しての出版となったのでした。

  
  コペルニクスと地動説を唱えた『天球の回転について』

 ブルーノやガリレオは、純粋で真面目な人間だったのか、
それとも一本気なだけのアホだったのか、の判断は皆さん
にお任せするとして …

 仮に、『ダ・ヴィンチの罠』に気づくようなことが
あったとしても、決して尻尾は掴ませないように証拠となる
部分やポイントには必ず二重三重の工作と言い逃れが
可能な味付けを施しているのがダ・ヴィンチなのですpeace

 たとえば

      


 前回『ダ・ヴィンチの罠 コピー』で取り上げた

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/419.html(参照)

 『糸車の聖母』にしても、通常では到底 ありえない
シチュエーションというか、高い山の上やロッククライミング
の末にどうにか辿り着ついた岩山の頂上に聖母とイエスが
いるようなもので、どう考えてもヘリコプターとか何か別の
空を飛べる乗り物でないとやっては来れないような場所を
設定している裏にはそれなりの理由(わけ)があるのです。

 

 穿(うが)ってみれば、

 ある意味での「地動説」連想させる作品のひとつ
であると言えなくもないでしょう

 『モナ・リザ』の背景にしても俯瞰的視点からのもの
ですし、極めつけは『聖アンナと聖母子』における
ロケーションで、ここはいったい何処だと言うのでしょうか



 まるで、空に浮かぶ「天空の城ラピュタ」
ようにも見えますが …

 いまならドローンで撮影した映像や熱気球のゴンドラから
被写体にズームアップした写真のようでもありますね
 
 ダ・ヴィンチが46歳の頃から、つまり『最後の晩餐』
が完成した時期と並行して、『聖アンナと聖母子』
の下絵となるデッサンが準備され、レスター手稿と呼ばれる
科学的考察をまとめた研究ノートが綴られ始めるのですが、


     デッサン画          『聖アンナと聖母子』

 生涯をかけて取り組んだ科学的考察の集大成として
レスター手稿がまとめられたのがダ・ヴィンチが56歳の時で
『聖アンナと聖母子』の制作開始と時を同じくして
いるのも奇遇といえば奇遇です

 ※ レスター手稿 right 月の満ち欠けや天体の運動
   などの天文学や地殻変動や地球の構造などについて
   の地球科学的な考察などが書かれた手稿。

 その最後の紙葉に「なぜ空は青いのかquestion2」の考察があり、
空が青く見えるのは上空(宇宙)が暗黒の闇だからであると
書いています。

 事実、昼間の空が青く見えるのは太陽光線のうち波長の
短い青い光が大気中の細かいチリにぶつかって拡散する
からで、波長の長い赤い光は大気を透過して見えません。

 夕焼けが赤いのは、太陽が低くなり、赤い光が大気層を
通過する距離も長くなるために、それまですり抜けていた
細かいチリにぶつかる確率が増えて拡散を始めます。

 青い光は波長が短いために遠くまで届かずに赤い光だけ
が散らばった空が目に映るので空が赤く見えるのです。

 ところで

 ダ・ヴィンチが死の間際まで手もとに置いていた3枚の絵
秘密については、

 先の『ダ・ヴィンチの罠 パズル』にて
解明したように、3枚の絵が合成・合体・融合する
ことによって極めて重要なメッセージが『モナ・リザ』
の絵のなかに隠されていることがわかったわけですが …

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/416.html(参照)

 もうひとつには、それぞれの絵画 123 は、

     1          2           3


 1 宇宙(太陽系の構造を示唆する『聖アンナと聖母子』)
 2 母なる大地(地球と人間の存在を示す『モナリザ』)
 3 太陽と月と惑星の運行を暗示する(『洗礼者ヨハネ』)


2 母なる大地(地球)  1 太陽中心の地動説(太陽)

 3 惑星の運行(月)

 … カッコ内は象徴する星を表現していますpeace

  「仮説」用に作った「合成・合体画像」は、



 言うなれば太陽系の擬似的な縮図で、太陽(中心)である
聖アンナを取り囲むように惑星が点在することを暗に示して
いるばかりでなく、地平に昇り沈みする太陽を符合の目印
に応用した二重の意図を内包するプロットでもあるのです。

     昇り沈みする太陽をイメージした符合の目印
                 down



 このことからも、

 レスター手稿 がまとめられた1508年以降の作品に
「地動説」を窺わせる表現が散見されるのも、なるほど、
頷(うなづ)けるものがあるようです

 さらには



 聖ヨハネが暗示する太陽と月が指し示す方向には母なる
地球であるモナリザがいて、そこに『最後の晩餐』
仕掛けられた封印を解くための(マスターキー)
が隠されているのですが、その秘密のありかの究明

 次回以降に譲るとして …
 
 聖アンナに投影される天空神(太陽)にして、ローマの光
の神であったルケティウスが一級天使に格下げられた末に
なおも堕天して悪魔にまで堕落させられていくプロセスは、

 『ダ・ヴィンチの罠 神と神』に詳しいですが、

 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/412.html

 そのことは、

 頑迷にして冷酷非情なカトリック教会と先駆者たちによる
「天動説」「地動説」をめぐる争いにも似ていて、
その経緯(いきさつ)ゆえに、デッサンでの聖アンナの左手
が暗示する事柄の重大性と危険性が解ろうというのです。



 と、同時に、それは『洗礼者聖ヨハネ』を任じて
ダ・ヴィンチの最後のメッセージにして最大のヒントを
委託しているのであって、を解くための道しるべ
羅針盤の働きを、アニメ「ドラゴンボール」での
ドラゴンボールのゆくえを示すドラゴンレーダーような役割
としての聖ヨハネの活躍に期待をしているというわけです。



 … to be continue !!


       「ドラゴンレーダーだとよ」

      

      「ブルマも出てくるのかのぉ」


   出てきません !!

コメント一覧

きくらげ
「タチの悪い、癖のある風邪ごときに何を騒ぐ」

当に、その通り!
利尻昆布
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

その昔、アスベストは新素材としてもてはやされ、新薬として承認されたサリドマイドやイレッサは重大な薬害を発生させた。

あれほど騒がれた猛毒ダイオキシンは今日、ほとんどの場合は無害であるというのが科学者の常識(認識)である。

“まみむメモ”さんの言うように、先が見える人は少数派のなかの少数派だから、きっとつらい目に遭うんだろうな?

ガリレオやコペルニクスが現代に生きていたならコロナ騒動を横目に見て「タチの悪い、癖のある風邪如きに何を騒ぐ」と一喝することだろう!

もちろん、レオナルド・ダ・ヴィンチも同じさ!

久々の「利尻昆布」でした。
まみむメモ
先が見えるって、実は結構つらいことなんですよね!
利尻昆布
いや、意向に沿うように見せかけているだけだと思う。

問題は、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、ギルドに加入している連中は職人であって、現代で言う芸術家=アーチストではない。

彼らは金を稼ぐための職業人として画家になったわけで、今風に言えば、専属カメラマンとか、そんな感じで主に教会からの依頼や注文に応じて絵を描いていたにすぎない。

だからこそ、レオナルドの独創性や技術に舌を巻くわけで、パトロンや注文主の意向に合わせるようにみせて、その実、妥協せずに自己主張してるところは凄いと思えるし、天才であることに間違いはないと思う。
刑事プリオ
この時代に地動説に辿りついていたなら、教会の意向に沿う絵画など描くわけもないか!
異邦人
ガリレオに100年先駆け、コペルニクスよりも早く、しかも、自身は教会などから絵の注文を受ける画家である立場でありながら、地動説を主張していたのか!?

確かに、俯瞰的な視点からの背景は絵の主題に比して必然性に乏しいもので、場違いと言えば場違いである。

暗に地動説を臭わせていたと言えなくもないが、

古代ギリシャのアリスタルコスやピオラオスやプラトンに比べ、千何百年も後だとしても、聖書やキリスト教の影響下にあった時代に、そうした発想を持つこと自体が驚嘆に値すると言える。

シェンロン(神龍)やドラゴンレーダーとなると、もはや、ファンタジーの世界だが・・・
ウーロン
それぞれの末裔と言っても、悟空やベジータはサイヤ人だし、ピッコロはナメック星人だしなあ。
むらさき納言
あなたたちと同じ動物型地球人たちのご先祖様ではないでしょうか?

それが何かは、それぞれの末裔に聞いてください。
ウーロン
― 動物型地球人の疑問 ―

ドラゴンレーダーが聖ヨハネなら、7個のドラゴンボールは
いったい誰で、そもそもそれは何なんだ!

透明人間2号
コペルニクス以前にも古代ギリシャのピオラオスもそうですし、
特にサモス島のアリスタルコスは、太陽を中心に5つの惑星が
その周りを自転しながら公転しているという説を唱えていたわけ
で、プラトンも太陽が宇宙の中心にあると考えていたようです。
いずれも紀元前の人たちで、ダ・ヴィンチはこうした哲人たちの
考えにシンパシーを持っていたようです。

おいらさんの言うようにキリスト教(ローマ・カトリック)が
天文学の進歩に悪影響を及ぼしていたのは否定できませんね。
おいら
地動説そのものは古代ギリシャ時代からあったんだな、その進歩を阻んだのがキリスト教の教義なんだよね。

それに反してコッソリ地動説を主張していたのかダ・ビンチは・・・この説面白い。
透明人間2号
卑怯者呼ばわりしてしまっては、コペルニクスが可哀想ですが、
彼は秀吉気質の家康タイプですね。
ガリレオは家康気質の信長タイプで、研究中は家康でしたが、
真理を知ると止められないタイプだったようです。
ダ・ヴィンチは信長気質の秀吉タイプで、わがままな天才ですが、機を見ることに敏なタイプではないかと思われますよ。

皮肉のアッコちゃんはどんなタイプでしょね?

小吉さん、ヨハネも重要なキーパーソンのひとりであるとだけ
言っておきましょう。

餃子ライスさん、地動説に関する内容はレスター手稿に残されています。
絵画だけじゃないんですよ、ダ・ヴィンチを侮るなかれです。
餃子ライス
ダ・ビンチが地動説を書いていたなんて知らなんだわ!
小吉
 ムム、
 ヨハネが重要なキーパーソンであるということですかな?
 
皮肉のアッコちゃん
さすが、コペルニクス。 やり方が憎いね!
ガリレオと比べて、卑怯と言えば卑怯だけど・・・
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