一転して、「稀代の詐欺師」 とまで揶揄される急転直下の
転落事件の最中にある 「科学界のシンデレラ」
小保方晴子さんの記者会見が、きょう(4月9日)の午後1時
から大阪市内のホテルで行なわれました。
研究に不正があったと認定されたことに対し強く反発して
「STAP細胞はあります」と断言したわけです
が、肝心要な部分は曖昧だった印象が拭えませんでした。
こうした 「STAP細胞」 をめぐっての ドタバタ劇 を
前回、2号さんが『堕ちたシンデレラなのか』
と題して記事にしていますが、ボクにもボクなりの意見
や疑念があるのでエントリーしたいと思います。
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/355.thml(参照)
画像の流用や他の論文からの無断盗用(コピペ)など、
ちょっと調べればすぐにでも発覚するような安直で幼稚な
偽装や捏造を2号さんも指摘しているように、精査される
ことが前提である重要で大切な論文に対して自ら意図して
行なうのだろうか … という素朴な疑問がボクのなかで
どうしても解決されないということが、エントリーする最大の
モチベーションになっているのだと思います。
少し前のことですが …
同じ細胞生物学の分野に身を置く複数の研究者に取材
をしたという 『NEWSポストセブン』 の記事に
よると、「研究者倫理として許されない」、「所属する研究所
や共同研究者に大きな迷惑がかかる」と怒りを露わにする
人もいれば、一方で 「小保方さんの立場も理解できる」 と
いう人もいたとして、次に示す4つの指摘を挙げています。
特許申請への焦り
「小保方さんは学術論文の発表以前に、ビジネスの世界
で役立てるため国際特許の申請を急ぐように周囲から
焦らされていたのではないか」
STAP細胞は英科学誌ネイチャーに発表される9ヶ月前
の2013年4月、米当局に特許出願されています。出願者は
理研と東京女子医大、ハーバード大の関連病院の3施設
で、発明者には小保方さんら7人が名を連ねています。
小保方さんが周囲から特許申請を急かされていたことは
間違いなく、特に理研は京大のiPS細胞の特許に対抗して
生物学の分野でビジネスに直結する特許を取得することを
目指す方針を打ち出しており、そうした特許戦略のなかで、
若い小保方さんは上司や先輩に強く言えずに、まだ研究が
そこまで進んでいないのに特許申請に踏み切ってしまった
のではないか … と推測するのは40代の研究者です。
再生医療に応用できる細胞生物学の分野は、現在 最も
カネになる科学分野といわれており、後々、実用化された
時のライセンスを睨み、学術論文の発表より先に国際特許
を申請するのは2000年頃から既成化し、京大の山中教授
のiPS細胞も学術論文の発表前に特許を申請しています。
特許申請により学術論文の発表が急務となった
「特許申請は学術論文に比べて圧倒的に情報量が少なく
て済む。 しかし、特許申請によって世界中の人が研究の
中身を知ってしまうことになり、誰かがそれを参考にして
先に学術論文を発表してしまうこともありえる。
すると、その人が学術の世界では “第一人者” として
認定されかねない。 なので、特許を申請した以上は、
より精度が求められる学術論文をいち早く作成し、発表
をしなくてはならない。 そうした焦りも、彼女にあったの
だろう」 …(前出:40代研究者)
こうして、国際特許を申請すると、次は学術論文の発表を
急がなければならない状況に追い込まれるわけですが …
仮にその通りだったとしても、時間に追われるがゆえに、
不完全な論文を発表してしまうものでしょうか
一方、こんな見方をする科学ジャーナリストもいるのです。
「特許申請すれば、再生医療の研究者や医薬品業界から
否応なく注目され、若いのにすごい発見をしたとチヤホヤ
される。 そこで小保方さんが有頂天になって、多少の
ごまかしは許されると勘違いをしてしまったところもあるの
ではないか」
「そんなアホな 」 と、この科学ジャーナリスト
には強く申し上げたいと思いますが …
掲載誌にせがまれた
学術論文の発表媒体の間にも、激しい競争がある。
小保方さんが論文を発表した英科学誌 『ネイチャー』 に
は、米科学誌 『サイエンス』 や細胞生物学に強い『セル』
という強力なライバルがいる。
「京大の山中教授が、iPS細胞の論文を 『セル』 で発表
したように、他の2誌との間で熾烈な争いをしている。
そんな状況下で、『ネイチャー』 が小保方さんに対して、
早くウチの方で発表してほしいと要求していたことも容易
に想像できる」 … (別の30代の研究者)
小保方さんのように、若くて地位のない研究者にすれば、
世界的な科学誌 『ネイチャー』 からの “要求” は 相当な
プレッシャーだったのではないか と、この研究者は指摘
しているのですが
他の研究者の嫉妬
「時間の制約のなかで、ある程度、杜撰に論文を作ると
いうのは、実は、他の研究者でもよくある話で … 今回、
奇しくも明らかになったのは、他の研究者も論文の捏造
について 非常に詳しかったということだ」
(前出:30代研究者)
小保方さんの疑惑が次々に明らかになったのは、他の
研究者がみんな同じようなことをしているからこそ、手口
としての 「パターンがよくわかっていた」 ためではないか
… というのが、この30代の研究者の意見ですが、本当で
あれば皮肉な話というよりほかはありません
以上、週刊ポスト2014年3月28日号より引用しました。
「理化学研究所の調査委員会は、『STAP細胞の発見
の事実とその証明』 という本質についての調査結果を
発表すべきところ、論文のプレゼンテーションの不備や
欠陥のみを取り上げて、マスコミの興味に材料を提供
している。 犯罪の裁判に例えれば、状況証拠だけで
メディアが有罪を叫んでいるようなものだ」 との記事を
静岡新聞 「論壇」(3月8日付)に寄稿しているのは、
ニューヨーク大名誉教授の佐藤隆三氏ですが、長年に
わたる権威ある国際的学術誌(経済学)への論文掲載
および編集の経験が豊富な同氏によれば、
「経済学術誌の編集に関しては、投稿された論文はその
分野の権威である数人の学者のレフェリー(査読者)
による評価を経て、その審査に合格した論文だけが現実
に掲載される」
「ある論文が発表された後で、『その研究はすでに私が
行なったもの』『実証分析のデータに作為的な誤りあり』
などのクレームがつきものである」
従って、
経済学で世界的に最も権威あるアメリカン・エコノミック・
レビュー誌の編集に携わった同氏の経験では、最終的に
掲載される論文は投稿論文の僅か10%にすぎない狭き門
なのだそうです。
それもそのはずで、
「ここで出た論文がノーベル賞の対象になるほど重要な
専門誌だからである」
「ネイチャー誌のレフェリー制度に詳しくはないが、140年
の歴史をを持つ最高水準の総合科学誌である。 ― 投稿
すれば誰の論文でも載る、というレベルではないはずだ」
つまり、編集の段階で レフェリー によって十二分なる篩
(ふるい)にかけられたはずだと指摘しているわけで、暗に
「論文を取り下げる必要はない」 ということ
を、同氏は訴えているのだと思います。
その証拠として、「学問に携わっている者としては真実
を知りたい。 ― だが日本人は誰もが時間がかかっても
小保方氏の快挙を信じて待っているはずである」 として、
記事を締め括っているのです。
そこで、今回の騒動におけるボクの結論としては …
論文に対する異議や批判はよくあることだし、人類に貢献
するような優れた研究に発展させるためにも外部の研究者
が意見をするのは科学研究の常でしょう。
だから当然のことに、小保方さんの杜撰な画像の管理や
安易な流用および貼り付けなどの行為は不正なものとして
非難・糾弾されて然るべきです。
しかし、
問題はネット上の自称科学者やエセ科学者たちが匿名を
いいことに跋扈し 彼女を標的にした批判や非難を繰り返す
ような醜い構図と不見識なマスコミなどの一部のメディアが
それを後押ししているという現実なのです。
その意味からは、そんな小保方バッシングにも
めげずに、きょうの記者会見はよく頑張ったと思いますが、
彼女自身が反省していたように、不勉強で未熟であった
ことは否めません。
要は、
いまどきのガーリー(ギャルではありません)として
見栄えをよくするために化粧(画像の流用や貼り付け)を
するほうが、素=スッピンよりも彼女にとっては重要なこと
だと思っていたのかもしれませんね
まあ、科学界に身を置かない一般人としては、この騒動も
ごく些細な問題であって大騒ぎする事件ではないのです。
それよりも、なによりも、気になるのは …
STAP細胞の再現 という
ガラスの靴 を持った 王子様 は
いったい、いつ現れるのか
★☆ その一点に尽きるのですが …
心静かに吉報を待つことにしましょう
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