さて、前回長々と前置きを書きましたが、
今回はずばり肌色やっちゃいましょう。
-----------------------------------------------------------------------
CMYKにおける肌色を補正する時、
ものさし的な意味で、
健康色の色バランスを知っておくと良いと思います。
◆健康色
C M Y
2 4 4
4 10 13
8 18 20
14 29 30
18 38 40
24 48 50
29 58 60
あくまでもこれは一例で、
会社によって、健康色の概念やバランスは多少違います。
ちなみにこのバランスは、日本人女性を基準としたもので、
あくまでも目安であって、
例えば男性にこれをそのまま適用したり、
例えば野外で撮影された普通のスナップ写真などに適用したり
という無理な事をすると、
とても不自然なものになってしまいます。
また、たとえ肌色を健康色に補正する場合でも、
例えば頬の部分はY%よりM%の方が多くなったりという、
そういう自然な色合いは損なわないようにしなければ、
これもまた、不自然なものになってしまいます。
つまり健康色のバランスを知った上で、
被写体に対する推理を働かせなければなりません。
「この人は黄色っぽい肌色だな」
とか
「この人は年配の男性で赤黒い肌色をしているな」
とか
そういう推理です。
補正はあくまでも
「必要の無いにごり成分をとってやる」
「あまりに黄色く、または赤く写っているものを直す」
「あまりに影の部分の色濃度が濃い」
「蛍光灯によって緑かぶりしている」
「洋服やまわりのものによって色かぶりしている」
などなど、そういう問題点を排除してやるのが正しい方向性です。
-----------------------------------------------------------------
ですが中には、
無理やりにでも健康色にしなければならないものもあります。
例として言えば、
例1)
チラシの中に、同じモデルさんが違う服を色々着たものが
並んで写っている場合。
商品である洋服を着ているモデルさんは健康的な肌色であるべきです
→肌色は健康色に
また、同一人物なのだから、肌色は同じ色であるべきです。
→肌色をそろえる
例2)
雑誌の表紙などの写真
これは言うまでもなく、雑誌の顔ですから、
健康的な肌色にしなければいけません。
例3)
グラビアや写真集など。
これはライティングもシチュエーションもばらばらな、
野外での撮影やスタジオ撮影、それらの肌色をそろえます。
などなど、例を出せばきりがないのですが、
世の中にあふれている印刷物は自然な肌色でなければならないものと
作ってあげなければならない肌色と、大きくふたつに分かれます。
また、赤っぽい肌色が望まれる仕事もあれば、薄い肌色が望まれる仕事もあれば…
と、仕事の傾向によっても色々だったりします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とまあ、長い話はおいといて、
実際やってみた画像です。
こんな画像があったとして↓

補正したらこうなります↓

これは、スタジオ撮影で商品である洋服をモデルさんが着たイメージ画像ですね。
もう、こういうのは自然な健康色でいいと思います。
プロカメラマンの撮影で、元々の画像の色が良いですから、
少しにごりをはらって少しメリハリでいけちゃう画像ですね~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手順
書き忘れてましたが、
肌色を補正する時、健康色にしたいからといって、
肌色を中心に補正すると、えらいことになっちゃいます。
「黄色が足りないからトーンカーブでYの中間をブースト」
とかやっちゃうと、
画像全体の黄色が強くなります。
どんどんやっていくと、
一緒に写っていたワインレッドの服が金赤のような色合いに!
なんてことにもなるでしょう。
そこで重要になるのが、「グレーバランス」ってやつです。
グレーバランス
C M Y K
3 1 1 0
5 3 3 0
10 7 7 0
20 15 13 0
30 25 20 1~3
40 35 30 15
50 43 40 25
60 54 50 35
70 65 60 45
80 74 70 55
90 85 83 68
95 90 88 75
これも会社によって違いますし、
ほんの一例です。
30%あたりからスミがぱらぱらと入ってきて
95%あたりで75%くらいになります。
どれかのパーセントを増やせば、
色浮きしたグレーになります。
これをふまえて
ではどんな手順で補正するか?
わかりやすい画像で↓

これ、すでに補正済みなんですが、
1、まずは画像を良く見て、
・一番白い部分(ハイライト)
・一番黒い部分(シャドウ)
・グレーがあるかどうかの確認
2、トーンカーブで補正
・服の白でハイライトをC5M3Y3に補正
・髪の毛の一番黒い所をC95M90Y90K75に補正
・背景のグレーのバランスを見て多少補正、
中間のバランスを取る。
3、グレーと肌色のバランスを交互に見る。
・肌色は少しにごっていて(Cが多い)
黄色が強かった。(Mが少ない訳ではなかった)
・グレーは、CとYを多少下げる余裕があった。
4、トーンカーブでCとYを中間で少し下げた
5、肌色チェック→まだややCとYが多かった。
6、特定色域の選択を使い、赤の中のCとYを下げた。
こんな感じの手順となりました。
この画像は、
白・黒・グレーがあって、すごくやりやすい画像だと思います。
逆に言うと、
白黒グレーを補正するだけでも、
画像はある程度よくなります。
補正はなるべくトーンカーブで。
ハイライト、シャドウ、中間のバランスを決めてやる。
特定色域の選択は最低限の使用にするのがいいと思います。
このふたつの機能で、ほとんどのものはできちゃうかも知れませんね~
で、どうしてもやりようがない時に、
選択範囲やパスで切って補正するとよいと思います。
また、白黒グレーが無くても、
ハイライト・シャドウ・中間の手がかりを見つける事が大切です。
黄白赤白藍白、必要色反対色などの知識が、
その時生きてくると思いますよ~
そういう時はカラーチャート片手に、
画像の中から手がかりを探して下さい。
またまた長くなっちゃいましたね^^;
画像の補正は奥が深いっす(笑)
今後の予定は
1、キャッチライトについて
2、モノクロ画像のノウハウ
3、2色刷りにおける商品画像
4、CMYKとRGB
5、家庭用プリンタの落とし穴
6、モアレ対策
7、解像度のお話
8、シャープネスとスムース
9、フォトショップのカラー設定
などなどです。
まあ、気が向いたらどれかやります(笑)
希望があればそれやります(笑)
日常の話がたまってきたので、しばらくはそっちかな^^
今回はずばり肌色やっちゃいましょう。
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CMYKにおける肌色を補正する時、
ものさし的な意味で、
健康色の色バランスを知っておくと良いと思います。
◆健康色
C M Y
2 4 4
4 10 13
8 18 20
14 29 30
18 38 40
24 48 50
29 58 60
あくまでもこれは一例で、
会社によって、健康色の概念やバランスは多少違います。
ちなみにこのバランスは、日本人女性を基準としたもので、
あくまでも目安であって、
例えば男性にこれをそのまま適用したり、
例えば野外で撮影された普通のスナップ写真などに適用したり
という無理な事をすると、
とても不自然なものになってしまいます。
また、たとえ肌色を健康色に補正する場合でも、
例えば頬の部分はY%よりM%の方が多くなったりという、
そういう自然な色合いは損なわないようにしなければ、
これもまた、不自然なものになってしまいます。
つまり健康色のバランスを知った上で、
被写体に対する推理を働かせなければなりません。
「この人は黄色っぽい肌色だな」
とか
「この人は年配の男性で赤黒い肌色をしているな」
とか
そういう推理です。
補正はあくまでも
「必要の無いにごり成分をとってやる」
「あまりに黄色く、または赤く写っているものを直す」
「あまりに影の部分の色濃度が濃い」
「蛍光灯によって緑かぶりしている」
「洋服やまわりのものによって色かぶりしている」
などなど、そういう問題点を排除してやるのが正しい方向性です。
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ですが中には、
無理やりにでも健康色にしなければならないものもあります。
例として言えば、
例1)
チラシの中に、同じモデルさんが違う服を色々着たものが
並んで写っている場合。
商品である洋服を着ているモデルさんは健康的な肌色であるべきです
→肌色は健康色に
また、同一人物なのだから、肌色は同じ色であるべきです。
→肌色をそろえる
例2)
雑誌の表紙などの写真
これは言うまでもなく、雑誌の顔ですから、
健康的な肌色にしなければいけません。
例3)
グラビアや写真集など。
これはライティングもシチュエーションもばらばらな、
野外での撮影やスタジオ撮影、それらの肌色をそろえます。
などなど、例を出せばきりがないのですが、
世の中にあふれている印刷物は自然な肌色でなければならないものと
作ってあげなければならない肌色と、大きくふたつに分かれます。
また、赤っぽい肌色が望まれる仕事もあれば、薄い肌色が望まれる仕事もあれば…
と、仕事の傾向によっても色々だったりします。
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とまあ、長い話はおいといて、
実際やってみた画像です。
こんな画像があったとして↓

補正したらこうなります↓

これは、スタジオ撮影で商品である洋服をモデルさんが着たイメージ画像ですね。
もう、こういうのは自然な健康色でいいと思います。
プロカメラマンの撮影で、元々の画像の色が良いですから、
少しにごりをはらって少しメリハリでいけちゃう画像ですね~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手順
書き忘れてましたが、
肌色を補正する時、健康色にしたいからといって、
肌色を中心に補正すると、えらいことになっちゃいます。
「黄色が足りないからトーンカーブでYの中間をブースト」
とかやっちゃうと、
画像全体の黄色が強くなります。
どんどんやっていくと、
一緒に写っていたワインレッドの服が金赤のような色合いに!
なんてことにもなるでしょう。
そこで重要になるのが、「グレーバランス」ってやつです。
グレーバランス
C M Y K
3 1 1 0
5 3 3 0
10 7 7 0
20 15 13 0
30 25 20 1~3
40 35 30 15
50 43 40 25
60 54 50 35
70 65 60 45
80 74 70 55
90 85 83 68
95 90 88 75
これも会社によって違いますし、
ほんの一例です。
30%あたりからスミがぱらぱらと入ってきて
95%あたりで75%くらいになります。
どれかのパーセントを増やせば、
色浮きしたグレーになります。
これをふまえて
ではどんな手順で補正するか?
わかりやすい画像で↓

これ、すでに補正済みなんですが、
1、まずは画像を良く見て、
・一番白い部分(ハイライト)
・一番黒い部分(シャドウ)
・グレーがあるかどうかの確認
2、トーンカーブで補正
・服の白でハイライトをC5M3Y3に補正
・髪の毛の一番黒い所をC95M90Y90K75に補正
・背景のグレーのバランスを見て多少補正、
中間のバランスを取る。
3、グレーと肌色のバランスを交互に見る。
・肌色は少しにごっていて(Cが多い)
黄色が強かった。(Mが少ない訳ではなかった)
・グレーは、CとYを多少下げる余裕があった。
4、トーンカーブでCとYを中間で少し下げた
5、肌色チェック→まだややCとYが多かった。
6、特定色域の選択を使い、赤の中のCとYを下げた。
こんな感じの手順となりました。
この画像は、
白・黒・グレーがあって、すごくやりやすい画像だと思います。
逆に言うと、
白黒グレーを補正するだけでも、
画像はある程度よくなります。
補正はなるべくトーンカーブで。
ハイライト、シャドウ、中間のバランスを決めてやる。
特定色域の選択は最低限の使用にするのがいいと思います。
このふたつの機能で、ほとんどのものはできちゃうかも知れませんね~
で、どうしてもやりようがない時に、
選択範囲やパスで切って補正するとよいと思います。
また、白黒グレーが無くても、
ハイライト・シャドウ・中間の手がかりを見つける事が大切です。
黄白赤白藍白、必要色反対色などの知識が、
その時生きてくると思いますよ~
そういう時はカラーチャート片手に、
画像の中から手がかりを探して下さい。
またまた長くなっちゃいましたね^^;
画像の補正は奥が深いっす(笑)
今後の予定は
1、キャッチライトについて
2、モノクロ画像のノウハウ
3、2色刷りにおける商品画像
4、CMYKとRGB
5、家庭用プリンタの落とし穴
6、モアレ対策
7、解像度のお話
8、シャープネスとスムース
9、フォトショップのカラー設定
などなどです。
まあ、気が向いたらどれかやります(笑)
希望があればそれやります(笑)
日常の話がたまってきたので、しばらくはそっちかな^^