「どうした?険しい顔をしているが。」
彼が心配そうに私の顔を見ている。
「何でもないわ。」
彼が何者かは分からない。正体が分からない以上、何か行動を起こすのは危険だ。
仲間が同じ空間に居ない以上、何かあっても女である私は彼に対抗する力がない。
私は彼に気付かれない様に「窓」を作り、仲間に救援信号を送った。
十数分有れば近くの領域にいる誰かが来るだろう。
「窓」を急いで閉める。彼はここを自 . . . 本文を読む
私達の無意識の中には、人類すべてに共通する普遍的な共通意識が存在する。
私達ストローは、有機コンピューター「VINCENT」を使用し人々の普遍的共通意識に侵入する。そして、普遍的共通意識から枝分かれする個人的な意識領域に踏み込み、優良な知識を盗む――私たちは情報の盗賊である。
私は日常繰り返している通り朝9時半に仕事場に出勤した。
一側面がガラス張りのごく一般的な作りのフロアに質素なベッド十数 . . . 本文を読む