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上を向いて。~佐藤洸‘s DIARY~

「喪服、緋色の」公演後記

普段の舞台公演は都内の劇場なので、荷物を宅配便で発送して、さくっと帰ってくるのですが。横浜からの帰り道というのはなかなかの距離で、衣装やら小道具やらとんでもない大荷物だったので。面倒になってレンタカー借りて帰ってきました。
一夜明けて。朝一番でレンタカーを返却して、大量の洗濯スタート。
1日では終わらず火曜日のこの晴天の中でも、まだ洗濯機が回っています。

あらためて。
「喪服、緋色の」公演、ありがとうございました。
備忘録として、終演後のあとがきを残しておきます。

今回、「舞台に立ちたい、殺陣がやりたい、お客様に殺陣や演劇を楽しんでいただきたい。」そんな想いから、企画に参加しました。
尊敬する先輩たちが舞台公演で活躍する姿を見て、後押しされた形です。
53歳にもなったおじさんに何ができるのか。模索しながら稽古する日々でしたが。

ほとんどが初共演となる若手の皆さんと稽古する日々は、楽しく新鮮な日々でした。

竹之内 勇輝くん
この物語の主人公、清七(波音チーム)。洸が演じる、父:一之介を探す若者。
竹之内くんは、他の公演への出演もあるため、稽古場に来れる時間が少ないなか、着実に役を作り上げていく姿は、脱帽でした。
最期の一騎打ちは、母の想いを泣きながらぶつけてくれたので、それを受け止めつつ、思いっきり刀を振ることができました。
最後の戦いでしか会わないのに、親子の機微や情愛を表現するにはどうすればよいか、細かいディスカッションはほとんどしませんでした。
でも、結果的にその方が、長年出会うことがなかったわだかまりや距離感が表現できてよかった気がしてます。



日比 のどか さん
この物語のヒロイン、政吉(波音チーム)。粋でいなせな辰巳芸者。ひょんなことから清七と恋に落ちて、哀しい結末へ。
洸が演じる一之介が後妻にしようとしますが、夢かなわず、一之介は殺されてしまいます。裏設定では、清七と同様に、政吉におえいの面影を見出したため、後妻にしようとしていたというものがあります。
稽古の段階から、所作が美しいし、歌は上手いし。日比ちゃんは普段なにをしているの?と謎でしたが。
歌の先生もしていてミュージカルもできちゃう経験豊富な女優さんでした。
そりゃ、素敵な動きなのもうなづけます。一之介様も惚れちゃいますよね笑



藤安 多音さん
辰巳芸者を束ねる置屋のおかみ、お春さん(波音チーム)。一之介は政吉攻略のためにいろいろお春さんに根回ししてました。なぜにお春さんには惚れなかったのか不思議ななくらいw。
多音ちゃんと一緒に出るタイミングが多く、出とちることがないよう多音ちゃんに頼りっきりでした。ありがとうございました<(_ _)>



寒川 瑞貴くん
侍崩れの、巳之助。人の金を当てにして、たかりゆすりで生きている。
政吉の芸者仲間、豆奴と恋仲。
一之介は出会うこともなかったのですが、通りすがりに出くわすことがあり、いぶかしんでいる演技を足してます。
みずきくんは、なかなかミステリアスな空気を出していたのですが、波と雨の両方に出演する関係上、キャスト皆と接する機会も多く、ムードメーカーでもありました。
稽古終わりにバイクで颯爽と帰っていく姿は羨ましかったなあ、バイクの免許はやく取ろうっと。



渡辺 里佳さん
政吉の芸者仲間、豆奴(波音チーム)。政吉に負けず劣らず、粋でいなせな芸者さん。巳之助に惚れてはいますが、自分をなくすようなことはなく、政吉を大事に思っている。最後に政吉と「じゃあね」と言い合うシーンは素敵でした。
里佳ちゃんは、歌も上手くいつも笑顔で、キラキラしてました。
こんなおじさんにも気さくに仲良く接してくれて、感謝感謝。雨音チームでは、里佳ちゃんと逢引するシーンもあり、楽しかったです(*^_^*)





塘 孔明くん
この物語の主人公、清七(雨音チーム)。母を亡くしたばかりで、母の遺言をもとに、父:一之介を探す若者。そんななかで、政吉に惚れていく。
孔明とは、とりにく公演「クロウラー」で共演して、2度目の共演。「クロウラー」では、先輩と後輩役ということで、わいわい楽しく演じてましたが。
今回は別班なので、ほとんど出会うこともなく、初主役に四苦八苦している様を、こっそり応援してました。
自分も孔明くんと同じ年齢の頃に、テレビのレギュラーいただいて四苦八苦したので、その気持ちは十二分にわかるのです。助言しすぎてもしょうがないし、いかに楽しくできるか、オジサンはプレッシャーを与えないように気をつけてました(^_^;)



酒井 優花さん
この物語のヒロイン、政吉(雨音チーム)。粋でいなせな辰巳芸者。
優花ちゃんは、まだ経験値が少ないせいか稽古序盤はかなり苦労していました。最終的には、粋でかわいい雰囲気をものにしてました。あの頑張りというか根性はすごかったなぁ。
本人はしんどかったでしょうけど、こればかりは我々が教えることもできず、孔明くん同様にこっそり応援していました。
本番では、笑顔で楽しんでいたので、ホントによかった。



久保田 伶奈さん
辰巳芸者を束ねる置屋のおかみ、お春さん(雨音チーム)。
伶奈ちゃんは、元気でタフなお姉さん。それこそ色んな経験を積んでいるのだろうと思ったら、まだデビューして3年だそうで驚きました。
あの安定感は、よほど厳しい養成所などで培われたんでしょうね。
別チームなので、舞台上では出会うことはありませんでしたが、楽屋や稽古場で楽しく話してました。酒豪みたいなのでいつか一緒に飲みに行けますように♪



下田 望さん
政吉の芸者仲間、豆奴(雨音チーム)。波音の豆奴とは違い、割とパワフルなキャラクター。洸が演じる酔っ払いの三郎太さんは、肘鉄食らったり脅されたり楽しく演じさせてもらいました(^^)/
しものんちゃんは、ワイルドバンチ演劇団の団員ということもあり、稽古場の準備や衣装の段取りや着付けなど、八面六臂の大活躍。あれは大変ですよ。
そんな大変な様子を表に出すこともなく、楽しく舞台公演を作っている姿に、オジサンは何度も元気をいただきました。



川元 楓太くん
岡っ引きの総次。もとは博打を打ってばかりのダメな奴でしたが、心を入れ替え岡っ引きに。一之介の殺害を発見し、同心とともに清七を追うことに。
楓太くんは、ダンサーだけど演技はほとんど未経験ということで、なかなか苦労してました。でも、「これはどうすればいいですか!?」とすぐに食らいついてくるので、皆があれこれ教えていました。あれは上手くいけば大物になりますよ。



北澤 桃子さん
芸者の新人、音吉。まだまだ見習い同然のなか、お春さんに可愛がられている
桃ちゃんは、現役高校生の17歳。お父さんは40代と聞いて、おじさん愕然としました(T▽T)。
演技や踊りのセンスが素晴らしく、学校帰りに稽古場に来ては、どんどん吸収していく姿は、見事でしたね。稽古場で、笑顔を振りまく姿にみんな癒されてました。
ときどき話がかみ合わないのは、ジェネレーションギャップでしかたありません(>_<)



寺島 八雲くん
政吉を見初めて後妻にしようとする侍:一之介(雨音チーム)。清七の父。
寺島君は、洸のつくる一之介とはまた別のアプローチで父親を作っていました。
寺島君は、顔が広くて、自分と共通の知り合いが何人も。この公演が終わればすぐまた次の公演だそうです。すごいなぁ。
さすがに同じ役で別チームなので、お互いに役の話をすることはなく、世間話やアクションの話など、楽屋で盛り上がってました。ありがとうございました。



古田 龍さん
演出・殺陣。今まで何度か「殺陣をやって遊ぶ会」で刀を交えてましたが。
演出をしてもらうのは初めて。楽しませていただきました。
ずーっと、自分で殺陣を作ることばかりしてきたので、人が作る殺陣を演じるのはすごく久しぶりで。自分のものにするのに時間がかかりました。
やはりいろんな経験を続けていないといけませんね。
ステキな機会をありがとうございました。


佐藤 洸
一之介 役。台本上に、一之介の人生がほとんど描かれておらず。
自分の中でいろいろ膨らませていきました。

浪人の頃に、おえいと出会い夫婦同然となりましたが、親族から江戸詰めの仕官の話があり、断ることができず。おえいに刀を残し別れた。刀を売って金に換えてくれたらと、そのまま忘れようとしていた。
それから10数年、独り身のまま暮らしていたが、おえいの面影を重ねた政吉に出会い、妻にしようとして。。。
そんな設定。
おえいに子供ができていたとは露知らず。頭をなでてやることもできず。
我が子、清七に殺されてしまいます

そんないろんな思いをクライマックスの殺陣に込めていたのですが、どこまでお客様に伝わっていたのか。
基本的には自分は脇役ですし、メインは清七と政吉の悲哀の物語。
その悲しい物語に少しでも色を添えることができていたら、嬉しく思います。


そして、スタッフの皆様。
脚本:いちかわともさん
舞台監督:鈴木良輔さん
舞台美術:村上薫さん
照明:はちあかりさん
音響:山根真祐さん
制作:安東みはるさん
スタッフの皆さんのチームワークが見事で楽しかったです。あんなに仲良しワンチームとなっているのは珍しいのでは?
幕間にワイワイ楽しんでいる若いスタッフの皆様を見ているのは、楽しい時間でした。
素敵なスタッフワークをありがとうございました。

さてさて、ひとつの物語が終わったので、また新しい一歩を進めます。

今回、4月末から緊急事態となり、神奈川県内の施設まで稽古場通いしたり。
劇場入ってからは、美味しそうなモノをたくさん差し入れしたり、横浜でホテル暮らしだったり。
食費や交通費にとかなり出費したので。

たくさん稼いで、身体を鍛えて、また公演に出演できる日に備えます。





この度は、皆さま本当にありがとうございました。


佐藤洸

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