3,000本のヒット

【マイアミ＝篠山正幸】米大リーグ、マーリンズのイチローは28日、カージナルス戦の七回に代打で二塁打を放ち、メジャー通算3000安打まであと２本とした。2001年のメジャーデビュー以来16年、驚異のスピードで安打を放ち続けた打者が歴史を刻む日が近づいた。

　２点を追う場面で代打に起用されたイチローは右翼線に引っ張り二塁打とした。これを足場にした得点も及ばず、チームは４―５で敗れたが、目を見張らされたのは打球の速さ。打撃練習では球宴のホームラン競争で優勝した当代一の飛ばし屋、スタントンとともに、ぽんぽんスタンドに放り込んでいる。そのパワーが表れた１本だった。

　球団の公式ツイッターで29日の同カードで先発出場する、との情報が流れた。この日も１球ごとにイチローコールが起こった。日に日に高まる地元ファンの期待にこたえ、一気に快挙達成となるかどうか。

ご冥福をお祈りします。

　戦後日本のクラシック界をけん引したピアニストの中村紘子（なかむら・ひろこ、本名＝福田紘子＝ふくだ・ひろこ）さんが26日午後10時25分、大腸がんのため死去した。72歳だった。連絡先はジャパン・アーツ広報宣伝部。お別れの会を行うが日取りなどは未定。喪主は夫で作家の庄司薫さん。

　小澤征爾さんらを輩出した桐朋学園の「子供のための音楽教室」で学び、早くから天才少女ピアニストとして注目を集めた。１９５９年に日本音楽コンクール第１位。翌60年にはＮＨＫ交響楽団の初の世界ツアーに同行するという華々しいデビューを飾った。

　その後、米ジュリアード音楽院に留学し、65年にショパン国際ピアノコンクールで入賞。芥川賞作家の庄司さんと結婚し、著書「チャイコフスキー・コンクール」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど文筆家としても知られた。

　紫綬褒章や日本芸術院賞・恩賜賞など受賞多数。ショパン・コンクールをはじめコンクールの審査員も数多く務めた。日本赤十字社などを通じたボランティア活動にも積極的に取り組んだ。

　２０１５年１月にがん治療のため活動中止を発表したが、その後復帰。休養をはさみながらも活動を続け、今年５月に兵庫県で行ったリサイタルが最後の公演となった。

　庄司さんは「誕生日（７月25日）をむかえる日も、このところみつけた、モーツァルトからラフマニノフまで、音色に新しい輝きを与える奏法を試すのだといって、興奮していました。ぼくも、それを聞きたいと熱望していました。残念です」とのコメントを出した。日本経済新聞web版より

11月8日

　【フィラデルフィア＝吉野直也】米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催中の民主党全国大会は26日、ヒラリー・クリントン前国務長官（68）を党の大統領候補として正式に指名した。クリントン氏はニューヨークからのビデオ中継で初の女性大統領へ決意を表明した。民主党は「クリントン大統領」誕生に向け結束を演出する。

　11月８日投票の大統領選はクリントン氏と、共和党の大統領候補、不動産王ドナルド・トランプ氏（70）が対決する。正式指名を受け、クリントン氏はビデオ中継で「この栄誉をありがとう。みなさんの勝利だ」とした。そのうえで、女性の社会進出を阻むガラスの天井に「最も大きなひびを入れた」と語った。

　「もし少女たちがこれを見ていたら、私が最初の女性大統領になるかもしれないが、次はあなたたちの誰かよ」と話した。ツイッターでも「我々は歴史をつくった」と訴えた。クリントン氏は大会最終日の28日に指名受諾演説に臨む。

　民主党は結束を演出する。27日はオバマ大統領が登壇し、米国の分断をあおるトランプ氏は大統領の資格がないと断じ、クリントン氏への支持を求める。同じ政党の政権が３期続けば、1980年代の共和党のレーガン政権（２期）、ブッシュ父政権（１期）以来。

　クリントン氏は大統領夫人や上院議員を経て2008年大統領選の予備選に出馬したが、オバマ氏に敗北。15年４月に大統領選の予備選への出馬の意向を表明した。２月から始まった予備選・党員集会は本命候補でありながら「民主社会主義者」を自称するバーニー・サンダース上院議員（74）に苦戦し、６月に指名を確実にした。

　クリントン氏は国務長官在任中に公務に私用メールアドレスを使った問題が発覚したこともあり、支持率は伸び悩む。好感度は低いままだ。米ＣＮＮテレビが25日発表した世論調査結果によると、トランプ氏の支持率は48％で、クリントン氏の45％を上回った。

　サンダース氏の代議員の一部は26日、クリントン氏の正式指名後、世界各国の報道陣が集まるプレスセンターに押し掛け、抗議の座り込みを繰り広げた。

糸谷哲郎【27歳】

　第64期将棋王座戦（日本経済新聞社主催）の挑戦者決定戦が25日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、午後９時52分、149手までで先手の糸谷哲郎八段（27）が佐藤天彦名人（28）を破り、羽生善治王座（45、王位・棋聖）への挑戦権を獲得した。糸谷八段の王座挑戦は初めて。

　５連覇、通算24期を目指す羽生王座との五番勝負第１局は９月６日に横浜市の横浜ロイヤルパークホテルで指される。

　糸谷八段は今期の王座戦本戦で渡辺明竜王（32）らトップ棋士を破って勝ち上がった。早見え早指しの天才肌で形にこだわらない力戦の将棋を得意とする。大阪大学大学院に在籍し哲学を専攻する異色の棋士でもある。

　タイトル戦登場は３回目となる。羽生王座とのタイトル戦は初めてだが、2014年、竜王戦挑戦者決定三番勝負では羽生王座を２勝１敗で下し挑戦権を獲得。勢いに乗って七番勝負も制し竜王の初タイトルを獲得した。今年度の成績は９勝５敗。終局後、糸谷八段は「羽生先生は目標にしている棋士で五番勝負ではいい将棋を指したい」と話した。日本経済新聞web版より

世界文化遺産登録を目指す

　文化審議会は25日、2018年の世界文化遺産登録を目指す候補として、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」（長崎、熊本）を選んだ。政府は候補を閣議了解し、17年２月１日までに国連教育科学文化機関（ユネスコ）へ推薦書を提出。ユネスコの諮問機関による現地調査などを経て、18年夏の世界遺産委員会で審査される見通し。

　「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は当初、今夏の世界遺産登録を目指していたがユネスコの諮問機関から不備を指摘されたため、政府は推薦の一時取り下げを決定。新たな推薦書では、もともとの14構成資産のうち２資産を除外した。日本経済新聞web版より