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2016-06-26 13:14:12 | 日記
幕末の志士、坂本龍馬(1836~67)の遺品の刀3本を秋に開かれる特別展「没後150年 坂本龍馬」で公開すると発表した。3本そろっての公開は87年ぶりだという。
 公開されるのは、龍馬が京都・近江屋で暗殺された際に携えていた愛刀「陸奥守吉行」と、「山城国西陳住埋忠明寿作」と銘のある刀、備前の名匠「勝光」「宗光」の銘のある脇差(わきさし)の3本。
 このうち、「吉行」と「埋忠明寿」の2本は、龍馬の子孫が1931年に同館へ寄贈したもの。ただ、「吉行」は反りの少ない刀身の形状や、まっすぐな刃文が本来の吉行の作風と異なることから龍馬の遺品として疑問視されてきた。また、「埋忠明寿」も土佐郷士の島村衛吉(えきち)の刀と思われており、20年以上公開されてこなかった。
 だが昨年、高知県立坂本龍馬記念館の調査で、子孫が遺品を寄贈した際の資料などが見つかり、「吉行」については北海道釧路市の大火で子孫宅が類焼した際に形状などが変化したことが、また、「埋忠明寿」は龍馬が海援隊士菅野覚兵衛に譲り、明治後半になって坂本家に戻された刀と判明。吉行については京都国立博物館の調査で本来の刃文も確認された。
 また、脇差は長らく所在不明だったが、昨夏に北海道で見つかり、1916年に京都で開催された「坂本中岡両先生遭難五十年記念祭典」の目録から龍馬が幼少時に愛用したものと確認された。
 3本がそろって展示されるのは、1929年に東京で開かれた「土佐勤王志士遺墨展覧会」以来87年ぶりとなるという。
 同館での展覧会は10月15~11月27日。このほか直筆の書簡など約200点が展示される。京都国立博物館の宮川禎一上席研究員は「龍馬の研究は刻々と新しい知見が見つかっている。それを踏まえ、龍馬とその生きた時代を理解してもらえるよう展示したい」と話す。(久保智祥)朝日新聞デジタル版より