人生厳しい なんとかなるさ♪~♪~

ネットの不信

http://news.livedoor.com/article/detail/5031515/の引用文です。
京大さん、日経さん、ネット調査信頼は無茶
団藤保晴
提供:Blog vs. Media 時評
2010年09月25日16時30分

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 8月に京都大や同志社大などのグループがインターネット調査で約1600人調べた結果、「理系は文系より年収が100万円高い」と発表したので、《「理系が文系より高給」京大さん、それは無茶》で批判しました。マスメディアがこうした発表があったと伝えるのは中身にどんな問題があろうと構わないのですが、9月20日に日経新聞が事もあろうに教育面でグループのリーダー、西村和雄・京大特任教授の寄稿を大きく掲載しました。これでは日経新聞としてオーソライズしたことになります。世論調査を手がけた経験者には当たり前の「インターネット調査はきちんとした社会調査に使えない」との常識が欠けているのは大問題です。

 日経新聞の見出しは「理系卒、職業選択肢広く/京大特任教授ら調査/年収、実は文系よりも高く/定説は誤り/文理問わず勉強を」となっています。このグループは2000年と2001年にも私立3大学の文系学部卒業生の平均年収を郵送調査し、入学試験で数学を選択した方の748万円に対し選択しなかった方は641万円(2000年分)などの結果を出しているそうです。「数学を勉強しても社会で役に立たない」と言われることへの実態調査だそうですが、文系進学でも数学を選択できた能力の高さが反映しているだけともとれます。

 今回のインターネット調査は「予備調査で約9万人のサンプルに配信した上で大卒者6870人に絞って配信し、2152人の有効回答から分析に用いる変数に欠損がない1632人を分析した」とだけ説明されています。その結果が平均年収で文系(平均41.11歳)583万円に対し、理系(平均41.05歳)が681万円と高く、これは年齢別でも大学の難易度別でも同じだったといいます。文系で数学選択の有無をみると、636万円対506万円で数学選択者が高く、前回同様といいます。

 このインターネット調査だけで結論が出せる度胸の良さに唖然としました。この1632人がどうして日本の大学卒業者全体を代表できるのか、どこにも説明がありません。たまたま調査会社に登録した人から大卒者を選び、3割もない有効回答率の下で議論をしています。年収は完全に自己申告でしょうから正確とは思えません。また、テーマが収入であることを考えると、ネット調査会社に登録してお金を得ようとしている人ばかりが対象となれば、かなりひねくれた偏り、いわゆるバイアスがあると考えられます。

 広く認められている世論調査でサンプルを集める手法は層化2段無作為抽出法と呼ばれます。調査地点を最初に選びます。全国3000人調査なら、1地点10人として300地点を全国から選んできます。その際に全国から集めてもどこも都市中心部だった、では困ります。地点の性格を商業地、住宅地、工業地帯、農林漁業地区などに分類、全国的にみてこの地区性格の割合も全国の縮図になるようにランダムに選びます。「層化」とはこういう意味で、2地点しか選ばれなかった小さな県では都市部なしの田舎ばかりというケースもあります。

 新聞社ではあらかじめいくつもの全国調査地点セットを用意しておき、必要に応じて使い分けます。面接調査をするなら有権者名簿や住民基本台帳で地点ごとにもう一度、ランダムサンプリングして対象者を確定します。最近多い電話調査の場合は、電話番号の下から3桁目以上が所在地を表しているので、調査地点に入る電話番号を集めてきて、コンピュータでその中からランダムに番号を発生させます。電話帳に載せず、誰にも知らせていない番号でも掛かることがあります。

 内閣府が2008年に調査研究「世論調査におけるインターネット調査の活用可能性~ 国民生活に関する意識について ~」を実施しています。
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