「ゲッ、この人、死んだはずじゃ!」
『闘将!!拉麺男』は『キン肉マン』に登場するラーメンマンを主人公としたマンガです。
とはいっても、基本的に『キン肉マン』とのつながりはりません(逆に『キン肉マン』では『闘将!!拉麺男』の設定の一部が使われましたが)。
ギャグが主体の『キン肉マン』に対し、『闘将!!拉麺男』はシビアな展開で、グロな描写もあったりして子どもながらにハードなイメージを持ってました。
また、超人パワーで闘うのではなく、カンフーで闘うってのも私の心をがっしり掴んでいて、当時のフレッシュジャンプの連載を読んでいました。
あと、お祭りの夜店でのクジでファミコンゲームの『闘将!!拉麺男』を引き当てたのも良い思い出です。
ところがテレビアニメ版に関しては、全く見たことがありませんでした。
時期的には原作も読んでいた頃なんですが……。
この劇場版もはじめてその存在を知りました。
というわけで原作は読んでいたけど、アニメ版には全く予備知識がない人が、この映画を見た感想です。
オープニングの「輝け!拉麺男」がステキでした。
今でも耳に残り、甘い声で「ラーメンマーン~♪」って口ずさんでしまいます。
ググってみたら、歌っている織田純一郎さんのサイトがありました。
そちらで「輝け!拉麺男」の動画を見ることができます。
冒頭、闘龍極意書を付け狙う悪党を退治したラーメンマン。
ところが勝利しても浮かぬ顔で「闘龍極意書なんかあるから闘わないといけないんだ! もう闘龍極意書なんかいらん!」と、重たい悩み。
そこで陳老師が現れ、盆絵にある村を救ってくれ、とお願い。
この辺の件は、原作でも読んだなと記憶にあります。
劇場版の敵役は黒色魔王なんですが、村人をミイラに変えるという超人技を披露します。
原作読んでるって言ってたくせに、こういうお話だったっけ? と、あんまり記憶がなかったりします。
まあ、原作との違いはいいや。
すったもんだがあって、黒色魔王は「子どもの笑顔がキライ!」ということで、村の子ども達を自分のアジトへと連行します。
そのとき、子どもを追いかけてきた親たちを、子どもが見ている前でミイラに変えるという外道ぶり。さすが『闘将!!拉麺男』!
子ども達を助けるために、アジトへ向かうラーメンマンですが、その際、ラーメンマンの仲間も加勢します。
蛾蛇虫と砲岩と……蛮暴狼!?
蛮暴狼と対決するエピソードは、私はすごく好きだったりします。
ラーメンマンが幼かった頃、蛮暴狼とは友達でした。しかし、ラーメンマンが自らの保身のために、蛮暴狼を裏切ってしまいます。
その後、ラーメンマンは超人拳法の達人になりますが(保身の結果、破門されなかったので)、蛮暴狼も拳法の達人にはなりましたが外道に堕ちてしまいます。
そんな二人が、お互いに殺し合うために相まみえ、ラーメンマンは後悔とともに蛮暴狼という屈指の名シーンです。
そんな蛮暴狼でしたが、アニメ版では生きていたんですね、ああ、そうですか…まあ、良いキャラですしね。そもそも、ゆでたまごマンガなんで、しょっちゅう生き返りますしね。
と、なんとなく、しっくりこない状態でラストバトルへ――行く前に。
黒色魔王が「笑うな!」って言うのに、子どもは逆らって笑います。
それにマジギレした黒色魔王は、子ども達を全員ミイラにするという暴挙へ! まさに外道!
結局、ラーメンマンは子ども達を救えず。
「ゆ・る・さ・ん」――になる前に、ラーメンマンは服を脱いでいたので、そのままバトルへ突入。
見事、黒色魔王を倒しました。
黒色魔王を倒したら、精気が元に戻ったようで、無事、ミイラになった村人達は全員生き返りましたとさ。めでたしめでたし。
劇場版ということなんですが、全体で25分ほどの上映でした。
東映まんがまつりのプログラムの一つだったので、上映時間はそんなに長い尺を取れないんでしょうね、きっと。
原作にあったハードさは、東映まんがまつりの客層を考えると無くなってもしょうがないでしょう。
むしろ、子ども達を全員ミイラにした黒色魔王は天晴れかも。
蛮暴狼への思い入れがあるんで、この劇場版に限らずアニメ版の展開にはちょっと同意できない部分もありますが…。
それとアニメ版といえば、オリジナルキャラとしてキョンピーなる、ラーメンの屋台をやってるキョンシーが登場するんですね。
しかも、テレビアニメ版ではレギュラーキャラの扱いだった模様。
こういう形でキョンシーが登場するところが、当時のキョンシーブームを物語っており興味深かったです。
『劇場版 闘将!!拉麺男』(VHS)
出演:森功至、松島みのり、小林清志、他
点数:5点
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