ウィズアウ

女性向け二次創作・感想ブログ
当ブログには男性同士の恋愛描写が含まれます。
児童書『顔のない男』 詩・SS中心

はるか彼方に うっすらと

2010-03-30 | 顔のない男 二次創作
14歳になる、この夏





○●◎






訪れが聞こえる






青い風と
青い時の近づく音が





空の透き通る向こうに
見知らぬ高鳴りと
恐ろしいほどの
何かの気配







訪れる


何かが
きっと




優しく
悲しく澄んだ水平線が
額にそっと口付けるように
予感を伝える





きっと何かが
きっと何かが、





髪をそよぐ
一陣の風よりも短い
何かが




潮の薫りの入道雲や
濃い青葉の影とともに





僕に
訪れるよ、と












◎●○





夏の始まりは
ものすごくどきどきする。






会ったことはなくても
チャールズと先生は、同じ場所で同じ夏を、過ごしていたんだよなあ。
夏だけってのが良いとこですよね。






ほんと、幸せな二人を考えるだけで涙がほろほろする。
大好きだなあ。
なんでこんなに好きなのかなあ。
例えば空が綺麗とか、赤ちゃんが可愛いとか、そんな感覚で二人が好きです。




それぞれが愛しくて、二人まとまるともっと愛しい。
君ら早くまとまれよ!
(脳内ではまとまりまくってるんですが)(離れません)
早く書くぞ幸せな二人。





まあ
よこしまなサイドからでも、大好きですけどね







拍手ポチありがとうございます!
合言葉は質より量、のウィズアウですが
見に来て反応まで下さってる方に、少しでも還元できれば、と思います。
精進!

触れられず

2010-03-29 | 顔のない男 二次創作
あの夜





○◎○







その胸に痛むもの
涙に映るもの
てのひらに握るもの



小さなあなたに降り注ぐ
雨も陽も、
花も記憶も、
青い闇に溶かして




すべてを 捨てて




眠りなさい
眠りなさい



今夜、あなたを救えるのは
抱きしめる腕でも
言葉でもなく




淡く澄んだ月明かりと
あなたの夢見る
幸せな過去たちだけなのだから






◎○○







何回でも同じシチュで書きます(言い切った)




自分の行為が絶対にチャールズを傷つけるって分かってても
それでも抱かずにおれなかった、先生の心中やいかに。



先生にも欲望はあったと思うんだけど、性欲じゃないんだよ。
性欲じゃないセックスだったんだよ!(大声で何言ってるの)
あの夜のあれは、恋愛感情だけから発生した衝動じゃなかった、と思うなぁ。



どちらかといえば近親相姦に近いというか、
親への甘え方を知らない子供と、
そうと分かってるのに拒否しきれなかった
保護欲も愛情もごっちゃにしちゃった駄目大人、
的な
そんな
感じの 方向で
ひとつよろしくお願いします(たどたどしい)




うーん自分で言っててダメージが

卒業飲み会ラッシュの産物

2010-03-27 | 顔のない男 語り



語りますよ朗々と






ちょっと前にも語った
助手席の少年の話。
先生と一緒に事故に遭ったあの子について。
(チャールズじゃない子と先生の、恋愛模様の話をしてます)
(いろんな意味でうざい)






理屈っぽい、というか
頭でっかちですみません。






その少年は、マクラウド先生とそういう関係の子だったんだろうな
ただの生徒じゃなかったんだろうな
みたいなことを前は語ったのですが、
ちょっとその考えがブレまして。





この前映画のほうを見たときに(何度目だ)(意外とまだ4度目程度)思ったのが
やっぱマクラウド先生は、根っからの教師なんじゃないか、ということでした。
(めるさんの尋問されるシーンすごすぎる)
まあ映画と原作の違いはありますが、
長い間小説で生計たてていても、死ぬ前に、もう一度、教えたかった、という
マクラウド先生は、そういう人間なんだなあ、と改めて強く思ったのでした。



そして
そういう生真面目、というか自分の倫理をしっかり持った人間が
いくら愛したからって
はたして現役の教え子に手をだすのか、と。
思うのですよ。




もしかしたらその少年と先生は、
卒業したら、ちゃんと付き合おうか。
みたいなね。
可愛い恋愛をね。
していたんじゃないか。
文字通りプラトニック。
だって鉄の意志を持つ男マクラウドだもの。




で、卒業式後のパーティーとかで
まぁ、先生も未成年の生徒も、飲みますよ。
だって60年代だもの(お前は60年代を何だと)




それで、助手席にも乗りたがるわ。
せんせーせんせー!もうオレそつぎょーしたから!っつってね。
ちくしょーかわいいなこのやろってね。
そら乗せちゃいますよ。








そこでの、事故だったとしたら。






そう考えると、
映画では当然の如く無視されてた、
事故の原因になったという、先生の「飲酒運転」という過ちが、クリアになるんじゃないか。




そして
だからこその、
だからこその、
「傷を治さない」という選択だったんじゃないか。





という。
そんな想いの刻まれたあの火傷だったら。
どうする。





傷だらけ先生が好きすぎる。
そしてそんな先生から見たチャールズが、
どんだけ純でまっすぐで眩しかったのか、
また、どんだけ傷をえぐるような存在だったか。





恋愛とか片想いとか
そういう一直線な関係じゃない場所で、互いに絡み合って傷つけあって癒しあう。
そんな二人のように思える。







私の中でこの小説は
「少年の成長物語」と「男の救済物語」との間を行ったり来たり。
どちらも捨てがたい…!
もういっそ「とあるカップルの馴れ初め」でいんでねーの(大岡裁き)
脳内はいつだってハッピーエンドレス。












SSup中の拍手、本当にどうもありがとうございます!
あぁ、先チャ好きなの自分だけじゃないんだ、とはぁはぁしております。
書かない後悔より書く後悔スピリッツで頑張っていきます。
感謝多謝です。ありがとうございます!

Unlok Your Heart4

2010-03-26 | 顔のない男 二次創作
終わり






●●◎





僕は無性に泣きたかった。
だが、泣けなかった。
何が悲しいのかすらわからないまま、一人彼のベッドに取り残され、泣けるはずがなかった。
ゆるゆると体を動かし、ふらつきながら立ち上がった。
体の節々が痛むのを他人事のように感じながら、僕はシャワーを浴びようと部屋を出た。
廊下を左へ曲がり、洗面所の鏡の前に立つと、ひどく情けない姿の自分がそこにあった。
彼の大きなシャツの襟元から、見慣れた自分の体と見慣れない幾つかの赤い痕が覗いていた。
恐る恐る触れてみたが、また何かが一挙に押し寄せてきそうに思え、すぐに手を離した。
そのとき、鏡の前でふと、奇妙なことを思った。


彼も、この鏡に自分の傷を映してきたのだろうか。
何度も、毎日。


そう思うと、胸の奥がくしゃりと鳴った。
いたたまれなくなってブルーのシャツを脱ぎ、バスルームへ入った。
熱いシャワーを浴びながら、全身にのこる彼の気配やにおいをゆっくりと洗い流した。
最初は痛いほどにごしごしと体をこすったが、無駄なような気がしてすぐにやめてしまった。
下半身に強く残る痛みは、しばらくは消えてくれそうになかった。



バスルームから出ると、脱衣所に彼の衣服が出されてあったことに気付いた。
それを着ようか少しの間迷い、結局自分の服を着た。
まだ少し湿っていて、気持ちが悪かった。
のろのろと身支度を整え、階段を下りると、ジャスティンは明るく広い書斎でいつものように書き物をしていた。
この一夏、それは見慣れた光景だったのに、今は僕を酷く戸惑わせるものだった。

何と話しかければいいのだろうか?

僕は黙って机の斜め向かいにある広いソファに座り、彼の顔を見ないよう背もたれに片肘をついて大きな窓の外を眺めた。
海に面した窓は開いていたが、その日、風はほとんどなかった。
僕らは言葉を交わさなかった。
何一つ、交わすことはなかった。



突然、どすどすという勇ましい足音がして、部屋にミッキーが入ってきた。
ミッキーは僕を見つけると、わふっと奇妙な鳴き声を出し、嬉しそうに駆け寄ってきた。
俊敏なミッキーは、もの凄い音をたてて辺りのものを落としながら、部屋をかけて来た。
そして前足でソファを襲うように乗り上げ、そのままの姿勢で僕の耳をべろべろと舐めた。
半分はトラの血が入っているんじゃないか、と思うほど巨大なミッキーは、僕の頭にまで簡単に鼻を寄せてきた。
生暖かい舌と動物のにおいに、心が一瞬ほどけたように軽くなった。
自然と、口元が緩んだ。へへへ、と笑い声がこぼれた。
「こら、ミッキー、だめだよ」
ソファの上まで上がってきそうな勢いのミッキーを、僕は笑って押し戻した。
ミッキーのほっとするような表情と、自分が笑顔でいられていることに、僕は安堵を覚えた。
毛むくじゃらの頭と首周りを両手いっぱいで撫でてやると、ミッキーの黒い瞳がきらきらと光った。
ミッキーは僕の膝頭に頭をのせ、さあ撫でてくれ、というようにこちらを見上げた。


それを見て、モクシーのことを思い出した。


心にずきりとした欠片が戻ってきたが、ミッキーの体の温かさは僕を救ってくれた。
ミッキーの長い黒い毛に額をおしあてて、僕はしばらく彼を撫で続けていた。
ふとジャスティンを見ると、彼も手を止めてこちらを見ていた。
今日初めて、まともにジャスティンの顔を見たような気がした。
彼は笑ってはいなかったが、さっきのような辛そうな顔でもなかった。
僕と同じ、少しだけ安心したような、なんだか情けないような、そんな表情だった。





心の奥で、またくしゃりと音が鳴った。


けれど、やっぱり言葉は出てこなかった。
感じているたくさんのことや、痛んでいる胸のことを伝えたかった。
だが喉の奥でにいろいろなものが絡み合って、それが邪魔をしているようだった。
そして、きっとジャスティンもそうなのだろう、と思った。


暫くすると、玄関脇から車のエンジン音が聞こえた。
バリーのカーキ色の車が、庭に入ってきていた。
その枯れ草のような色と、慌てて降りてくるバリーの心配そうな顔を窓越しに眺めながら、僕は悟った。
これで、全てが終わることを。
大切なことを言えないまま、この夏が終わることを。
自分がかけがえのない何かをここに残したまま、ここを去ることを。
それが何かわからないまま、彼を傷つけたまま、逃げ出す自分を。

がちゃり、と玄関の扉が開かれる音がした。



僕はありったけの力をこめて、ミッキーの大きな体をぎゅっと抱きしめた。
はたはたと揺れていた長い尻尾が、突然大人しくなった。
くん、と寂しそうに鳴くミッキーの声を聞きながら、僕はあることをじっと願っていた。




いつかまた、ジャスティンの隣で笑える日が来ることを。
幸せだったこの夏に、きっと再び巡りあえることを。












End




●●●








おわり!?
お、おわりですすんません


このあとは、まぁ、悲しいだけなんで




これから先生とバリーが
この度はうちの子がご迷惑をおかけしましてー
んまーいえいえそんなこちらこそみたいなやり取りを
なんという保護者会
この場合、きっと両方にとってチャールズは「うちの子」はぁはぁ
このママ友め!



あれ先生とバリーがくっつけば問題ないんじゃね
(何か言い始めた)







えー。
少し真面目に。






チャールズの未熟さというか幼さというか、甘え、弱さ。
そんなものたちが愛しい。
この朝の先生は、怒っちゃったというか、突き放しちゃったけど、
きっと、後から自分を責めるであろうチャールズのことをすごく心配してたと思う。



身勝手な自分自身とか、初めて愛した人の喪失とかを
ちゃんと受け止めて乗り越えたチャールズは、きっと良い男になる。
マクラウド先生くらい良い男になる。
そこは私の中で揺ぎ無い。
(ただし書けない)
別に最終的にはバイでも、
ノンケでもレズでも(おい)何でも良いんだ、チャールズが幸せになれば。





ミッキーはシェパードの毛の長い感じの子だと良いなぁ
もふもふ!
どうしたら主人が喜ぶか知ってるんだ。賢いんだ。



タイトルは毎回適当なんですが
今回は皮肉な感じになった。なぜ



先生が最期に見るチャールズに、せめて一瞬だけでも笑顔がありますように。
そんな願望で書き始めた話でした。
99%原作のなぞり書きですが、
読んで下さった方、どうもありがとうございました。







予約更新してたつもりが、されてなかった!
ショック

Unlock Your Heart3

2010-03-24 | 顔のない男 二次創作
子供は子供過ぎ、
大人は大人過ぎた。






●●●





だが、昨夜の出来事に怯えているのはジャスティンだけではなかった。
僕自身、確かに心のどこかで何度も自分に言い聞かせていた。


昨日のことは、偶然起きたことだ。
僕らはかけがえのない親友だし、これからもずっとずっと、そうだ。
あれは、「何かの間違い」だったんだ。


頭の中で、何人もの自分が口々に叫んでいるようだった。
悪寒と、頭の中に熱い杭を打ち込まれたような感覚が同時に湧いてきた。
気遣うような表情で僕を見つめるジャスティンに、僕は思いをぶつけたかった。
しかし思わず僕の口をついて出たのは、僕が考えもしなかった、小さな言葉だった。

「どうして、あんなことに」

僕の言葉がぽつんと零れた瞬間に、ジャスティンの眉間に深い皺が刻まれた。
そのときのジャスティンは、今までに見たなかで、一番辛そうだった。
少し離れた距離からでも、彼の体がぎゅっと張り詰めたのが感じられた。
彼が僕の言葉に傷ついたことが、僕自身の心が傷ついたときのように、分かった。
ジャスティンの黒い髪が揺れ、俯いたのを見ながらも、自分を守ること以外に僕にできることはなかった。
きつく握り締めた指先が、白くしびれ始めていた。
心の端っこのあたりで、きつく組まれたジャスティンの腕も痛んでいるのではないか、と思った。
ジャスティンが、押し殺すような声で言った。
「私は、自分がどんな人間か、ずっと分かっていたよ」
「だったら、どうしてあのとき、僕を」
そこまで言いかけ、僕はまた唇を噛んだ。言うべき言葉はどこにも見当たらなかった。
彼が僕に、何をしただろうか。
何も、しなかった。ジャスティンは何一つ奪おうとはしなかった。
彼は、セピア色の記憶の中の父よりもずっと優しく、僕を抱きしめてくれていただけだった。
全ては僕だった。
指で、唇で、彼に触れたのは、僕だった。
僕は俯いて、額を両手で覆った。膝をたてて、小さく縮こまるようにもたれた。
これ以上何も見たくなく、思い出したくなく、聞きたくなかった。



ざざ・・・と、風の音だか波の音か分からないものが、小さく部屋に届いた。
ジャスティンが大きくため息をついたのが聞こえた。
「チャールズ、聞くんだ」
冷静で落ち着いた話し方だったが、なぜだか泣いているように聞こえた。
僕は動かずにいた。
「私は、君を誰よりも大切に思っている」
僕ははっとして、額から両手を離した。それは、昨夜星の薄明かりの中で、彼が僕にくれた言葉だった。
昨夜の彼は、何かにじっと耐えるような表情で僕を見下ろし、額にそっと口付けたあとで囁くようにそう言った。
僕はそれを聞いてとても安心し、そしてキスをねだった。何度も何度も。
彼はひたすらに優しく、僕の求めるものをくれた。
その甘く幸せな感覚が、体の奥に蘇ってきた。唇も吐息も、においも温度も、鮮明に。
そっと触れる甘い指は次第に僕を高揚させ、二人きりで泳いだあの波間での感覚と同じような気持ちになった。
二人でなら、どこまでも行けるような気がした。
しかし、何もかもを暴き出すような朝の光の中では、それは空恐ろしいものだった。
彼の顔を見ると余計にそれらを思い出してしまいそうで、やっぱり見られなかった。
ジャスティンのその言葉は、彼が僕にくれた最期の架け橋だったのかもしれない。
でも僕は、それを自ら棄てた。
その橋を渡るのが恐ろしかった。
最期まで彼の顔を見ないまま、僕は吐き棄てるように言った。


「もう、その話はしたくない」


さっきまで包まっていたこげ茶色の毛布の無地が、僕を非難するように目に入った。
風向きが変わったのか、開かれた窓から潮騒の音はもう聞こえなかった。
雲ひとつない空から、強い日差しだけが、相も変らず部屋を明るくしていた。
黒いシャツに覆われたジャスティンの広い肩が、小さなため息で少し動いたのが見えた。

「いいよ、チャールズ。好きにしなさい。用があれば、私は下にいるから」

その声は、どこまでも穏やかで静かだった。
けれど、その声を聞いた僕には、彼が僕から遠ざかっていくのがわかった。
ジャスティンは部屋へ入ってきたときと同じように、ゆっくりと出て行った。
彼は、飲むことを促すようにグラスの置かれた椅子にそっと触れた。
グラスを横目で見たときに、彼の姿が一瞬だけ目に飛び込んできた。
すぐに、目を逸らした。
ドアの静かに閉じられる音が、僕の背中に淋しく届いた。










●●●






先生サイド書きたい。
でも書かないほうが良い気もする(チキン)






チャールズが至極情けないですが、14歳ってこんなもんですよね。
女の子ならもう少し大人でしょうけどね。
いやでももうそらーあんないろいろあったらそうなるだろ!
理不尽な態度とっちゃうよ!



まあそれは、
教師やってたマクラウド先生が一番分かってたと思うんだ。
分かってたのに、先生自身もいろいろまともにくらっちゃったんだと思うんだ。
だって真っ直ぐ受け止めたから。






とりあえずちゅーして欲しがるチャールズを思うと
それだけで
それだけで
心おきなく去ねる(志が低い)