― どうなるかは自分で決める ―
「人口減に耐える社会創設を」
(産経新聞 オピニオン 2023.3.19)
このところ、政府は金をやるから子どもを産め、子供を産めと口やかましい。
なるほど子どもの数が減ると年金暮らしの年寄りは困る。なぜなら年寄りは若い者が出した金を年金としてもらっているからである(賦課方式)。例えていえば、天秤棒の片側に若い者が出す保険料を、もう一方に年寄りがもらう年金を乗せているようなものだ。天秤棒の一方が軽くなれば、もう一方は落ちてしまう(「年金が危ない」 金子幸嗣 新屋真摘 マイコミ新書)。
そもそもなぜ年寄りが若い者の出す金に頼らなければならないのか。若い者にしたって、なぜ見たこともないどこかの年寄りのために金を出してやらなければならないのか納得がいかないだろう。
老後必要になる金は働ける若いうちに自分の才覚で貯めるのが基本で、そもそも年金制度のない国もある。
それはさておき、政府は子どもを産んでもらって年金の保険料を払ってくれる人間を増やそうとしている。しかし、子どもを産める年代の母親の数はどんどん減り続けている。2021年10月1日現在943万人余りだったのが25年後には24.7%減って710万人余りになる(上掲産経新聞 オピニオン 2023.3.19)。分母が減っていくのだから子どもが増えるわけがない。
それに、金をくれてやった結果子どもの数が増えたとしても、その子どもが年金の保険料を払い始めるのは20年後である。こちらは生きているかどうかわからない。
こうなると、先のことは自分で決めるしかない。例えば、年金は〇年〇月〇日には今もらっている額の半分になると決める。拱手傍観、手をこまねいて成り行きを見るというこれまでのやり方とはサヨナラだ。
そうすれば、たとえば今2台ある車は1台にしようとなる。実は先日2台あった軽を1台人にくれてやって手持ち1台にした。
車検は以前からディーラーに出すのを止めて自分でやるようにしている。オーナー車検だとほぼ半分、2万7千円ほどで済む。所要時間は2時間くらいだったと思う。
浴室のリフォームも近々やろうと思っている。金額のかさばるものは年金がちゃんと出ているうちに直してしまうのが得策だ。
なにしろ「日本は、人口が減っても豊かさを維持するという極めて難しい道を歩まざるを得ない」(同上紙)のである。