ビッグバーン理論は、とても難解な理屈で成り立っています。難解というよりは不思議、不思議と言うよりは矛盾した理屈で出来上がっているのです。その矛盾をビッグバーンの理屈をよく理解していないところからきているものだと考えて、いろいろと勉強してみましたが、しかしいくら勉強しても、やっぱり分かりません。そこで、国立天文台に質問してみましたが、国立天文台自身が、この矛盾に全く答えられないのです。これまで24回(2年間)のやり取りをしておりますが、今もってほとんど回答らしきものを貰っていません。真面目な回答をいただいているのですが、答えになっていないのです。
その矛盾は決して高度な理論の矛盾ではありません。ちょっと考えれば、誰でもおかしいと気がつく単純素朴な矛盾です。ここにその疑問を披露いたします。ご意見をいただければ幸いです。
そこで、まずは、ビッグバーン理論がどのような経緯で誕生したかを簡単に説明したいと思います。以下はある本から抜粋したものです。
…………………………………………………………………
≪1929年のことです。アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、遠方の銀河からくる光のスペクトルがすべてスペクトルの赤いほうにむかってずれている(赤方偏移)を発見しました。かれはこれを光による一種のドップラー効果と解釈して、『銀河がおたがいに遠ざかっている。しかも遠くにある銀河ほどはやい速度で遠ざかっている。すなわち宇宙は規則ただしく膨張している』と理解したのです。しかしなお、宇宙の始まりの状態については、よく分かりませんでした。
そして1946年、ロシア生まれのアメリカの物理学者ジョージ・ガモフが、宇宙は高温高密度の状態から膨張しはじめたというフリードマンの解に適合するひとつの理論を完成しました。この理論に相反する「定常理論」を主張するイギリスの天文学者フレッド・ホイルは、50年、ガモフの理論を「ビッグバン」(大爆発)と軽くよびすてましたが、この呼び名がそのまま定着してしまったというわけです。最初はこの理論を信じる人もいなかったようですが、例の3K(-270°C)が宇宙背景放射として観測されて以来、事情は一変したという次第なのです。
「宇宙は膨張するにつれて冷えていく。そして宇宙の誕生から1秒後には、陽子が生成される。しばしば「最初の3分間」と形容されるその後の数分間のうちに、陽子と中性子の結合によって、水素の同位体である重水素やヘリウムを主として、少量のリチウム、ベリリウム、ホウ素などその他の軽い元素が生成される。重水素、ヘリウム、その他の軽い元素が生成される割合を研究することは、現在ひとつの大きな研究分野になっている。宇宙の中ではどこでもヘリウムの量が一定であることはビッグバン理論の証拠のひとつである。また重水素の量は、宇宙の中の物質の密度を推定するためにもちいられる。
ビッグバンから約100万年後には、宇宙はほぼ絶対温度3000Kにまで冷えている。そして、陽子と電子が結合して水素の原子を生成する。水素原子はあるきまった色、すなわちあるきまった波長の光を吸収し放出する。すなわち、原子が形成されたために、そのほかの大多数の波長の光は自由な電子によって吸収されず、じゃまをされないため、光はそれまでよりずっと長い距離をすすむことができる。この変化によって光は自由になり、数十億年以上にわたる冷却をへた後、現在われわれが検出することのできる約3K(-270°C)の宇宙背景放射として観測されている。この宇宙背景放射は1965年、アメリカの天体物理学者アルノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによってはじめて検出確認された≫
……………………………………………………………………
以上のように、ものの本には出ています。
「銀河を観測すると、その距離に比例して赤方偏移(光のスペクトルが赤いほうにむかってずれ込んでいること)が大きくなっているが、これを一種のドップラー効果だと仮定すると、観測されている全ての銀河は遠いものほど高速度で地球から遠ざかっていることになる。このことは、かつて一点にあった宇宙が、過去のある時期に大膨張して現在に至っていることの証で、その大膨張(ビッグバーン)を宇宙の誕生とするなら、宇宙年齢は観測銀河までの距離を平均の後退速度で割ったものとなり、そこから137億年という数字が算出される。つまり、他の全ての銀河同様、かつて地球と接していたアンドロメダは、137億年という時間をかけて、230万光年という位置まで遠ざかり、100億光年先に観測されるX銀河は137億年という時間をかけて、観測位置まで遠ざかって行った」
とこう言うのです。
さて、何処が変だったでしょうか。一見しただけでは、
「何処が変なのだ。何処も矛盾していないではないか」
とお考えかも知れません。しかし、何回も何回も繰り返して読んでみてください。きっと、次の、そのうちきっと矛盾に気がつかれるはずです。
答えは、『観測されている全ての銀河は遠いものほど高速度で地球から遠ざかっていることになる。このことは、かつて一点にあった宇宙が、過去のある時期に大膨張して、現在に至っていることの証である』という一文です。
以下、わたしと国立天文台の質疑応答をお読みください。
わたし、
「宇宙年齢とは何なのでしょうか」
国立天文台、
「天体を観測しますと、全ての銀河は地球から遠ざかっています。それも遠いものほど速い速度で後退しています。現在最も遠くに観測されている銀河は地球から137億光年の距離にあって、ほぼ光速度で遠ざかっています。そこで、この無数の銀河の出来事を遡っていきますと、近い銀河も遠方の銀河も、137億年で同時に一点に集まります。換言しますと、137億年まえ、一点にあった宇宙は大膨張をして現在に至ったのです。この137億年が宇宙年齢です。宇宙年齢=観測距離÷後退速度=137億年(宇宙年齢とは観測されているものが一点に集まるのに要する時間である)ということになります」
わたし、
「観測されている銀河は過去のものでしょうか。現在のものでしょうか」
国立天文台、
「観測は光によってなされるものですが、光速度といえども有限の速度です。伝播に時間がかかります。したがって、観測されているものは過去の銀河です。現在の銀河は今光が出たばかりですから、観測することは不可能です」
わたし、
「観測されているものは過去の銀河ですが、しかし各々の銀河は現存するものとしてあります。したがって、銀河の集まりである宇宙は現存するものとしてあるのではないでしょうか」
国立天文台、
「そのとおりです。宇宙は現存するものとしてあります」
わたし、
「それでは、宇宙年齢とは現存する銀河が一点に集まるのに要する時間ではないでしょうか」
国立天文台、
「そのとおりです。宇宙年齢とは現存する宇宙が一点に集まるのに要する時間です」
ここまでのやり取りで変だとはお思いにならなかったでしょうか。
前半では『宇宙年齢とは、観測さている銀河までの距離を平均の後退速度で割ったものです』と言いながら、後半では『宇宙年齢とは現存する宇宙が一点に集まるのに要する時間であるです』と言います。そして、『観測されている銀河は現存している銀河ではありません』と言うのです。
そこで、
「①『宇宙年齢とは観測距離÷後退速度である。そして観測されているものは過去のものであり、現存するものではない』
と言われながら、
②『宇宙は現存する。宇宙年齢とはこの現存する銀河が一点に集まるのに要する時間である』
と先生は言われます。①と②は明らかに矛盾していると思うのですが」
と質問しますと、とたんに返事がなくなってしまいます。正確に言いますと、返事はありますが、前に進んだ返事がないのです。
『宇宙年齢とは、観測さている銀河までの距離を平均の後退速度で割ったもので、値は137億年ということになる。137億年まえ、宇宙は一点にあった』を繰り返しばかりで、①と②の矛盾について説明がないのです。
さて、
①『宇宙年齢とは、観測さている銀河を一点に集めるのに要する時間です』
②『宇宙年齢とは現存する宇宙が一点に集まるのに要する時間です』
この二つのどちらが正しいのでしょうか。どちらも正しいと言うことはありません。なぜなら、『観測されている銀河は現存している銀河ではない』だからです。
わたしは②のほうが正しいと思うのですが、ビッグバーン論は①が正しいというのです。しかし、②は自明の理ではないでしょうか。国立天文台もそのことは暗に認めているのです。だからこそ、答えに窮しているのです。
その矛盾は決して高度な理論の矛盾ではありません。ちょっと考えれば、誰でもおかしいと気がつく単純素朴な矛盾です。ここにその疑問を披露いたします。ご意見をいただければ幸いです。
そこで、まずは、ビッグバーン理論がどのような経緯で誕生したかを簡単に説明したいと思います。以下はある本から抜粋したものです。
…………………………………………………………………
≪1929年のことです。アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、遠方の銀河からくる光のスペクトルがすべてスペクトルの赤いほうにむかってずれている(赤方偏移)を発見しました。かれはこれを光による一種のドップラー効果と解釈して、『銀河がおたがいに遠ざかっている。しかも遠くにある銀河ほどはやい速度で遠ざかっている。すなわち宇宙は規則ただしく膨張している』と理解したのです。しかしなお、宇宙の始まりの状態については、よく分かりませんでした。
そして1946年、ロシア生まれのアメリカの物理学者ジョージ・ガモフが、宇宙は高温高密度の状態から膨張しはじめたというフリードマンの解に適合するひとつの理論を完成しました。この理論に相反する「定常理論」を主張するイギリスの天文学者フレッド・ホイルは、50年、ガモフの理論を「ビッグバン」(大爆発)と軽くよびすてましたが、この呼び名がそのまま定着してしまったというわけです。最初はこの理論を信じる人もいなかったようですが、例の3K(-270°C)が宇宙背景放射として観測されて以来、事情は一変したという次第なのです。
「宇宙は膨張するにつれて冷えていく。そして宇宙の誕生から1秒後には、陽子が生成される。しばしば「最初の3分間」と形容されるその後の数分間のうちに、陽子と中性子の結合によって、水素の同位体である重水素やヘリウムを主として、少量のリチウム、ベリリウム、ホウ素などその他の軽い元素が生成される。重水素、ヘリウム、その他の軽い元素が生成される割合を研究することは、現在ひとつの大きな研究分野になっている。宇宙の中ではどこでもヘリウムの量が一定であることはビッグバン理論の証拠のひとつである。また重水素の量は、宇宙の中の物質の密度を推定するためにもちいられる。
ビッグバンから約100万年後には、宇宙はほぼ絶対温度3000Kにまで冷えている。そして、陽子と電子が結合して水素の原子を生成する。水素原子はあるきまった色、すなわちあるきまった波長の光を吸収し放出する。すなわち、原子が形成されたために、そのほかの大多数の波長の光は自由な電子によって吸収されず、じゃまをされないため、光はそれまでよりずっと長い距離をすすむことができる。この変化によって光は自由になり、数十億年以上にわたる冷却をへた後、現在われわれが検出することのできる約3K(-270°C)の宇宙背景放射として観測されている。この宇宙背景放射は1965年、アメリカの天体物理学者アルノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによってはじめて検出確認された≫
……………………………………………………………………
以上のように、ものの本には出ています。
「銀河を観測すると、その距離に比例して赤方偏移(光のスペクトルが赤いほうにむかってずれ込んでいること)が大きくなっているが、これを一種のドップラー効果だと仮定すると、観測されている全ての銀河は遠いものほど高速度で地球から遠ざかっていることになる。このことは、かつて一点にあった宇宙が、過去のある時期に大膨張して現在に至っていることの証で、その大膨張(ビッグバーン)を宇宙の誕生とするなら、宇宙年齢は観測銀河までの距離を平均の後退速度で割ったものとなり、そこから137億年という数字が算出される。つまり、他の全ての銀河同様、かつて地球と接していたアンドロメダは、137億年という時間をかけて、230万光年という位置まで遠ざかり、100億光年先に観測されるX銀河は137億年という時間をかけて、観測位置まで遠ざかって行った」
とこう言うのです。
さて、何処が変だったでしょうか。一見しただけでは、
「何処が変なのだ。何処も矛盾していないではないか」
とお考えかも知れません。しかし、何回も何回も繰り返して読んでみてください。きっと、次の、そのうちきっと矛盾に気がつかれるはずです。
答えは、『観測されている全ての銀河は遠いものほど高速度で地球から遠ざかっていることになる。このことは、かつて一点にあった宇宙が、過去のある時期に大膨張して、現在に至っていることの証である』という一文です。
以下、わたしと国立天文台の質疑応答をお読みください。
わたし、
「宇宙年齢とは何なのでしょうか」
国立天文台、
「天体を観測しますと、全ての銀河は地球から遠ざかっています。それも遠いものほど速い速度で後退しています。現在最も遠くに観測されている銀河は地球から137億光年の距離にあって、ほぼ光速度で遠ざかっています。そこで、この無数の銀河の出来事を遡っていきますと、近い銀河も遠方の銀河も、137億年で同時に一点に集まります。換言しますと、137億年まえ、一点にあった宇宙は大膨張をして現在に至ったのです。この137億年が宇宙年齢です。宇宙年齢=観測距離÷後退速度=137億年(宇宙年齢とは観測されているものが一点に集まるのに要する時間である)ということになります」
わたし、
「観測されている銀河は過去のものでしょうか。現在のものでしょうか」
国立天文台、
「観測は光によってなされるものですが、光速度といえども有限の速度です。伝播に時間がかかります。したがって、観測されているものは過去の銀河です。現在の銀河は今光が出たばかりですから、観測することは不可能です」
わたし、
「観測されているものは過去の銀河ですが、しかし各々の銀河は現存するものとしてあります。したがって、銀河の集まりである宇宙は現存するものとしてあるのではないでしょうか」
国立天文台、
「そのとおりです。宇宙は現存するものとしてあります」
わたし、
「それでは、宇宙年齢とは現存する銀河が一点に集まるのに要する時間ではないでしょうか」
国立天文台、
「そのとおりです。宇宙年齢とは現存する宇宙が一点に集まるのに要する時間です」
ここまでのやり取りで変だとはお思いにならなかったでしょうか。
前半では『宇宙年齢とは、観測さている銀河までの距離を平均の後退速度で割ったものです』と言いながら、後半では『宇宙年齢とは現存する宇宙が一点に集まるのに要する時間であるです』と言います。そして、『観測されている銀河は現存している銀河ではありません』と言うのです。
そこで、
「①『宇宙年齢とは観測距離÷後退速度である。そして観測されているものは過去のものであり、現存するものではない』
と言われながら、
②『宇宙は現存する。宇宙年齢とはこの現存する銀河が一点に集まるのに要する時間である』
と先生は言われます。①と②は明らかに矛盾していると思うのですが」
と質問しますと、とたんに返事がなくなってしまいます。正確に言いますと、返事はありますが、前に進んだ返事がないのです。
『宇宙年齢とは、観測さている銀河までの距離を平均の後退速度で割ったもので、値は137億年ということになる。137億年まえ、宇宙は一点にあった』を繰り返しばかりで、①と②の矛盾について説明がないのです。
さて、
①『宇宙年齢とは、観測さている銀河を一点に集めるのに要する時間です』
②『宇宙年齢とは現存する宇宙が一点に集まるのに要する時間です』
この二つのどちらが正しいのでしょうか。どちらも正しいと言うことはありません。なぜなら、『観測されている銀河は現存している銀河ではない』だからです。
わたしは②のほうが正しいと思うのですが、ビッグバーン論は①が正しいというのです。しかし、②は自明の理ではないでしょうか。国立天文台もそのことは暗に認めているのです。だからこそ、答えに窮しているのです。