壊れない、機能が多い、良心的に造られた、日本企業の各種製品
こんなに素晴らしい製品をつくっているのに日本企業が衰退する理由を明かす 東大教授中尾政之氏の記事をみつけました。
※昔使ってそのまま放置中の「日本製品」ヒマにまかせて使ってみると。。。
SONYの8ミリVTRカメラ 1987年製。 2020年時点でも不調部分無し
8ミリVTRカメラ用ステーション 不調部分無し、33年経過するも不調箇所なしです。
シチズン本木製の柱時計 1975年製 45年間手入れなしでこれは現役中。
1~12回のボーン・ボーンという報知音は夜間のみ停止機能付き。 本木に割れ、ヒビ、歪みなく、一分の塗装の剥がれさえありません。さすがにシチズン
SEIKO製のクオーツ腕時計 1969年製
完全防水・夜光・自動巻きメンテナンス無しで潜水にも使用して2018年まで一切の不調なし
大正9年頃の精工舎 (SEIKO) 製 本木製柱時計
100年ほども無整備で完璧な稼働を続けました。日本の大正時計なんて今でもアチコチで見掛けます。当時は100年もって当たり前だったのでしょう。
機械製品でなくとも
木綿製の前掛け 製造年不明ですが縮みやホツレなしの完璧縫製と生地
これも作業時に現役中
1984年製 シャープ電子手帳 現在も何の問題なく稼働
カシオ社製・蛍光管式8桁電卓 オリンパスカメラ
半世紀近く経過していても完璧稼働かつ新品同様
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素晴らしい日本製品、日本企業が衰退するのはなぜ?
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東京大学教授(工学博士)中尾政之氏の論調に自分たちが知らなかった日本製品の弱点についてこんな記事が
🔶日本の義足デザイナーが インドに行って気づいたこと
近年の日本人は顧客の一人ひとりと向かい合わず、データや傾向ばかりでターゲットをとらえるようになっている。
ソニーコンピュータサイエンス研究所の研究員であり、ロボット工学者、義足エンジニアの遠藤謙さんにインタビューをしたとき、こんな話を聞いた。
彼が義足をデザインしようと決心したのは、MIT(マサチューセッツ工科大学)の博士課程に在籍しているとき。
その意志を知った先生は、彼にインド行きの航空券を渡し、「どういう義足がいいのか現地で考えてこい」といったそうだ。 彼はひどく驚いたが、いわれるままにインドへ行ってみて初めて、
「インドの患者は貧しく、20ドル以下の価格に抑えないと商品の需要がない」
と気づいたという。
高性能で頑丈な気配りの効いた 「良い商品」 を作っていれば売れるのは当然と考えていた日本人は多い。 中国製品のように 客に気配りも無く、壊れやすくて、低性能かつ危険な商品でも 「安ければ買う」 ということに気付かなかった。
また、要求機能に応えなかった例として有名なのが
🔶「停電になると使いものにならなくなる日本製の冷蔵庫」
である。
インドではしょっちゅう停電になるが、そのたびに冷蔵庫の電源が切れて食品が腐ると困る。そこで韓国メーカーの冷蔵庫は、冷媒(たとえば氷やゲル)を内蔵している。また停電しても稼働し続けるバッテリーつき冷蔵庫も売れているそうだ。
日本の主要都市であれば、20年住んでいても停電はほぼ無い。あったとしても事前に停電の連絡があってから。それも切替に要する数秒から5分程度しか停電することはない。
だから世界の多くの国で停電が頻繁にあることなど日本の若い技術者は思いもよらずに電気冷蔵庫に 「冷媒」 や 「バッテリー付き」 というところに思いが及ばなかったのかもしれない。
日本製家電は、従来の部品まで日本製を使った商品なら10年、20年何もせずに使い続けても不調になることはなかった。東芝・松下・NECなどはプライドを持って商品開発と製造・販売していたから。
東芝のウォーキー2種 1984年製。2020年不調部分無し、36年経過するも完調です。
東芝ウォーキーの人工皮革製(ビニール)カバーまでもベタつきや破れ・伸び等一切なしにも驚かされます。中国製品のビニールやゴムは1年程度で ベタつきや破れ・伸びが発生します。
昭和初期?100年近く? National製(松下電器~パナソニック)扇風機 鉄板製のプロペラで首振り、上下稼働システムも完璧完動中。
中国製品は、顧客なんてどうでもいい、安全装置に金は使わない、安ければ良い、使って火を噴こうが知らない、売ったらおしまい、コスト下げのため検品がいい加減、初期不良は当たり前、という商品でも 『値段が安ければ世界の人民は買う!』 という
悪貨は良貨を駆逐する
ということわざとおりの結果を生んでいます。
『値段が安くなければ買えない人がいる』 『良いと分かっていても高いと買えない!』 ことが解っていなかった。
最近は日本製品も価格競争に勝とうと
「中国製部品を使用」
「組み立てを中国で行う」
「コストは極限まで省く」
という方向に舵を切って、同じ低劣製品ながら 中国や韓国製品にまだまだ価格負けしているようです。
🔶左甚五郎の逸話
甚五郎に商店の修繕で、ホゾを彫る仕事をさせるとこれがひどく時間がかかり、遅くまでコツコツやっている。出来たホゾを見ると、この形が「雲」に「龍」になっている。雲と龍は水を呼び、火事になってもこの柱だけは焼けないという。
次の日は、板っ切れをカンナで削る仕事をさせる。カンナを研ぐのにえらく時間がかかるが、板を削ってみると荒っ削りも仕上げも一度で済ませてしまい、あっという間に終わらせてしまう。削った板2枚を水に湿してくっつけると、この2枚はどんなに力を入れても離れない。こんなことから兄弟子たちも自然と甚五郎を見る目が変わる。
現代は製品の職人技を見抜ける逸話の兄弟子のような消費者は少なくて、コストを削って価格の安い製品が売れているのでしょうか。
30年全く支障なく使える製品であれば、価格は倍でも欲しいと思います。 それが結局は地球環境にも良いことですから。。。