実家にマサカリや斧がありました。マサカリの刃には錆が浮かんでいました。
胡桃か樫と思われるその柄には、たくさんの仕事をしてきたであろう汗や握り癖が滲んでいます。お疲れ様でした。
マサカリの柄はしっかりしていましたが楔に釘が使われていたので、今回、柄を作ります。
できれば胡桃、ヒッコリーと考えましたが、中太の欅があるのでこれを使います。欅も硬く粘りがあるので。
この欅は20年以上前、鉛筆くらいの太さだったのが直径15センチくらいになり、大きく茂ったので途中から伐採、乾燥させたものでした。
その中から手ごろな部分を切ると芯もしっかりしていたのでこれを使います。
握り具合を想像しながら形を決めていきます。のこぎりでは厳しいくらい緻密で硬さがあります。
鉋とディスクグラインダーで形を整えながらヤスリを使い、何とかイメージに近づきました。
マサカリの刃を嵌めて試し切りをしてみると・・・マサカリの刃が薪材を割くとき、割れた薪が柄に当たることが分かりました。
頑丈にと思い、刃の付け根を厚くしていましたが、これが原因でした。
元の柄がそれなりの薄さだった理由が理解できました。
こういうとき、素人を自覚します。
先人の知恵、プロの手仕事、さすがです。
次回は、刃の付け根を薄く削り上げ、柄に油をしみ込ませて完成品をご披露したいと思います。