スマホで簡単にいろんなブログを読めるようになっている現代。
5年前に肺癌でなくなった父が
残した幼い日の記録を
私たち家族だけではなく
どこかの誰かにも読んで欲しいと
ふと 思いついて書きます。
父の満州の思い出を。
ソ連兵の侵攻
開拓団本部を幾重にも取り巻いていた満人たちは、しばらくは騒いでいたが、そのうち居なくなり落ち着いてきた。
治安もよくなり、近くの空き家になっている民家に、わたしたちは移り住み 生活するようになった。
そんなある日、ソ連兵が侵攻してきた。
噂は聞いていて、若い男はみな連れて帰って働かされる。とか 女は暴行される。というので
女性はみな、丸坊主になり、男性の服を着て男性の格好をし、若い男性は隠れていた。
兵隊たちは噂どおりで
一軒一軒、探し歩いた。
たくさんの人たちが捕まって連れていかれたし
「用の済んだ女性をむごい殺しかたしてる。」
と 大人たちが話していた。
他のサイトより引用
うちにも来た。
家の中を探し回ったが、わたしとおじさんだけがいて、峰さんとおばさんは屋根裏に隠れていた。
何回もやって来た。
日本人から取り上げた腕時計は、両腕に何個も、肩のほうまではめていて、万年筆はポケットにいっぱい差していた。
珍しいものはどんどん掠奪していった。
とは言うものの、皆 着のみ着のまま逃げてきているので、ろくなものはなかったはず。
わたしたちも、空き家になった日本人の家へ生活道具を探しにいって、役に立ちそうなものは持って帰っていた。
ソ連兵は ところかまわず やたらと自動小銃を乱射していた。