森の中の恍惚

野山が笛を吹いている

When words leave off music begins.


わがおもいの松林座

2014年04月05日 | 32-20 Blues 

東松山市の夜桜見物イベント「夢灯路」のチラシの中に、夢灯路10周年協賛企画として『古き良き東松山の景色がよみがえる 松林座映写会』というのがあった。かつては「松映」「銀映」と大きな映画館が二館もあったという東松山市。その昭和11年当時の姿を映した35mmフィルムの復元映写となれば・・・・、いざ東松山市松山市民活動センターへ!


「松林座」とは、かつての松山町(現東松山市)にあった大衆演芸の興行劇場(寄席)。後に活動写真の興行館としても大きな賑わいをみせていたが1962年に火事で全焼。その「松林座」の三代目座主「高埜次郎」氏が昭和11年に行われた大規模な消防演習の様子撮影した35mmフィルムを座主のお孫さんであり映画監督の「澤野計」氏が復元。そして「松林座」への思いも込めて当時と同じ35mmフィルムで映像詩として作りあげた『わがおもいの松林座』という作品の上映会となります。


澤野監督の解説の後、63分間の上映となりました。2001年に撮影を始め2007年に完成したという「わがおもいの松林座」ですが、もうそこに写る風景さえ様変わりし懐かしく感じられますね。かつて東松山市のシンボルとして存在した駅の大鳥居が映画の中に映し出されたときの会場のどよめきは何を思ってのことだったのでしょうか‥‥‥。
残念ながら映写機を使っての上映ではなかったのですが、ぜひかつての「松映」「銀映」のように銀幕に映る松山町を観てみたいものです。
映像とは人が生きた証です。
道、一本の木、使い古された道具、家屋、農産物、犠礼、服装や髪型、肖像‥‥‥
物知りの暗りべがいれぱ、一枚の写真を説き、映画に引けをとらない物語を紡ぎます。
語ることで写真は息を吹き返すのです。時代をつないてゆくのです。
人が暮らしてゆくための知恵や訓え、規範を示しうるのです。
生活の厳しさと気持ちの豊かさを合わせ持った時代の記録を、
科学の進歩による最新テクノロジーを的確に活用し、修復し整えて残す。
それは何かを萌芽させる標となりうる、この地で育まれた私たちの郷土遣産てす。

プロデューサー・映画監督 澤野 計
(上映会パンフレットより抜粋)

1400405_17
・・・・と、思いを馳せながら「夢灯路」女沼会場(下沼公園)をちょっと覗いて現実に戻るのでありました。


:昭和15年当時の街並み。中心の十字路が現在の「本町一丁目交差点」となります。(東松山市本町研究会:刊「東松山市の今昔あれこれ」より)

:「東松山夢灯路」は明日(6日)までの開催。残念ながらこの上映会は本日(5日)限りのイベントとなります。

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