人手が足りなくなったので、”援軍”を要請されたのである。
車窓の風景は事務室のそれよりも変化があり、新鮮にオイラの眼に映った。
転勤は、幾度となく経験した。
その度に、「ここ」への不満を感じ、前の職場で体験した「良かったこと」を
思い出す。
そして、前が良かったなぁ~と感じたのである。
外回りをしていた頃は、内勤に憧れていた。
寒暖の差がなく、天候の変化を”まとも”に受けないですむから。
雨でびしょ濡れになった時など、その想いを強くしたものである。
ところが、内勤になると風景がかわらない。
いつも同じ事務室内の”模様”を、ずっと見続けなかければならない。
澱んだ空気に息がつまるので、昼休みに社外へ出る。
新鮮な空気を吸いながら、外が良いなぁ~と呟くのである。
「ここ」でしか、味わえない。
「ここ」でしか、経験できない。
「ここ」でしか、やれない。
そんな事が、たくさんあるんじゃないかと先程脳裏に浮かんだ。
床で、新聞配達がポストへそれを入れる音を聞きながら。
「ここ」が、オイラの人生全てである。
「ここ」に、今あることしか出来ない。
連続を、何時やめてしまうかもしれない「今」に。
また、ぼやくだろう、”前が良かったなぁ~”と。
でも、同時に「ここ」を意識する事も忘れないと想う。
オイラとしては、一歩前進した感じだ。
階段を、ひとつ登ったような快感がある。
「ここ」。
足元の地面を、しっかりと踏んで確認しよう。
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