上級者

世に、高所恐怖症なるモノがございます。
高い場所がダメで、そんな恐ろしい所に立とうものなら・・・。

高所恐怖症にも、初級から上級まであるのです。
眼下の風景を見て、ガタガタ震えるのは初級。
そんでもって、座り込むのが中級。
これが上級者ともなると、まったく違うのです。

高い場所に立っていなくても、そこにいると思うだけでフラフラ。
例えば、写真の電信柱。
下から見上げただけで、あたかもその頂上にいるように想像してしまいフラつく。
これぞ上級者であります。
ちなみに、私めも。

以前、橋の上を車で走っていて、頭上にあるワイヤーを固定している部分を見たのです。
その瞬間、フラ～ときて鳥肌が立ちました。
慌てて正面を睨み、一目散に通過致したのであります。

高層ビルの屋上から、片手でぶら下がっている夢を何度も見ました。
（鉄筋コンクリート製のビルなのに、なぜか屋根がトタンだったのが不思議でしたが）
そして、汗をしこたまカイて、ガバッと飛び起きるのでした。

きっと前世で、とんでもないメにあったのでしょう。
翼竜につかまれ、高い場所から落されたとか。

今朝散歩をしていて、無意識に電信柱を見上げてパチリ。
上級者であることを思い出しフラり。

ヨタヨタとその場を立ち去る私を、散歩中の犬がヘンな目で見ておりました。