ちょっといっぷく海中散歩

沖縄の海中映像にご案内します。

ちょっといっぷく海中散歩ー103

2010-03-18 12:23:55 | 海中散歩

                 

石垣市宮良:赤馬の像


赤馬物語り

 昔石垣島宮良村に大城師番(1671~1750) という徳の高い人がいた。師番は28才で役人を命ぜられ、川平湾近くの仲筋村にあった当時の八重山政庁の米穀倉庫に勤めていた。人頭税で集めた米穀はこの倉庫で保管し船積みして首里王府に送られた場所である。師番は時々母の住む宮良村に往復していた。当時名蔵湾岸は道路がなく、干潮時を見て人々は干潟を通っていた。或る日宮良村へ帰る途中名蔵大干潟で海から上がって来たらしい赤馬に出逢った。赤馬は師番に近寄りクンクン鼻を鳴らし馴れなれしく顔を寄せたりして、師番が歩くと馬も従いて来、師番が止ると馬も止るという。師番も不思議に思い試みに裸馬に乗って見た処、賢い足並みの良い馬であった。馬主の見付かる迄預って上げようと思い宮良村へ乗り帰った。
 師番は勤務の都合で村人と相談した。海から上がって来る馬は龍馬(りゅうめ)と言って、昔から神のお召馬と言われている。この馬も主が居なければ神馬であるかも知れない、村の衆皆と共に大事に育てたい、との話が決り育てることにした。この馬乗ると並歩、速歩、大駆け等凡て抜群であった。実に名馬だ。
 赤馬の風評は八重山のみならず、琉球首里王の上聞にも達した。時の尚貞王は馬役を呼び時の銘可路(めかる)馬見利役を八重山に派遣し、評判の赤馬なる名馬を調査させ、事実ならば献上させるよう命じた。銘可路馬見利役は八重山在番を通じ大城師番を呼び事の次第を告げてその決意を求めた。師番も名誉なことでこれをうけて村人達と共に曳かれ行く赤馬を宮良村西の崖の上で見送った。師番は人間でさえ王様の前に出ることは大変名誉なことであると感極まって「可愛い赤馬よ、四つ足の赤馬よ、沖縄主に召されて生り甲斐があったな」と感嘆詩を読んだ。
 然し献上された赤馬は首里城に着いた後、如何なる風の吹き廻しか、耳を後に大口をあけて噛みつく等暴れ馬に変じ、人を寄せ付けずがんじがらめに縛り付けられる破目になった。王はこの事を聞き銘可路を呼び、「大城師番は悪馬を名馬だと吹聴して献上した。馬と師番を死罪に処せ」と厳命した。馬役が今一度師番に調べた上でと、とりなし馬役は再び八重山に渡り、師番に事の次第を告げその死を告げた。師番は死を覚悟して妻子と水盃をして馬役に伴われ上覇した。
 上覇した師番が首里城の馬舎に行くと案の定四方八方にがんじがらめに繋がれいた。師番が一声、声をかけると馬は暴れるどころか至極温和しくなって人々を驚かせた。引き出された馬は首里城庭で百官を従えて待期する王の面前に於いて、前足を折り師番に乗馬を促した。師番が乗るや軽妙な足取りで場内狭しと駈け廻った。無論萬雷の拍手が湧いた。
 王は師番を呼び「私が徳がないからこの馬は乗れない。この赤馬は何人も乗れない馬だ。改めて汝にこの赤馬を賜ふ」と言った。王は更に側にあった扇子を取り上げて「仰高徳」なる自筆の揮毫をして師番に与えたという。死を覚悟して登城した師番は驚き、心の底から感激して

一、いらさにしゃ 今日の日  (本当にうれしい今日の日)
  どうきさにしゃ 黄金日   (誠に感激の黄金の日)

一、ばんすでる今日だら    (我今日生まれかわった)
  羽むいる たきだら     (羽があったら飛び立ちたい)

 と自ら唄い貰った扇で王の前で舞った。これが有名な赤馬節である。八重山では祝儀座と言わず、紘歌の始めにはこの赤馬で座開きをする慣習である。
 この赤馬はその後島津藩にも評判になり使者が薩摩から八重山に来島、師番に再び献上を命じて師番も再び献上した。処が馬を乗せた船が二度も時化で船が進まず、暴風に逢って船は沈み、馬は綱を切って平久保の陸地に泳ぎつき、主人のいる家目指して必死にに暴風をついて帰り、師番のいる家を三回廻ってとうとうその庭で息絶えたという。・・・おしまい


                 

                 

ギチベラ



                 
                 
正面から・・・宇宙人観たことないけど?そのような顔(笑)




                   

ちょっといっぷくして

おきなわ海中を散歩しませんか?


石垣島:宮良近海スクーバダイビングにて




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3月19日19時からの矢野沙織コンサート(兵庫県立文化センター)へ23歳?jazzサックス奏者の生音色を聴きに行ってきます。
本人はまるっきり気づいていませんが、2年ぶりの再会です(笑)








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