さよなら原発市川パレード

「3.11さよなら原発市川パレード」です。
被災地復興・支援!放射能から子どもを守ろう!2018年は3/11に歩きます

第3回さよなら原発市川パレード写真集

2014-03-14 | よもやま
第3回3.11さよなら原発市川パレードは、3月8日、250人の参加で盛り上がりました。
年々参加は少なくなっていますが、声をあげ続けることが大事だと思っています。

原発はなくならないばかりか、今の政権は主力電源として位置づけようとしています。
先の見えない暮らしに、生活のめどを立てられない被災者も多くいます。
民意の力で打開を!

「忘れないで」―福島から 12

2013-05-10 | よもやま


無題

転々と避難所から避難所へ
何度も何度も繰り返し
ようやく、辿り着いた仮設住宅
四畳半一間の不自由に囲まれた、
異様な空間。
眠れない夜がつづく
苛立ちと絶望が交差する席に見えない不安
「もう、だめだ!頭が変になりそうだ!」
きのうそういっていた人が
フラフラ今日も歩いている
こんな事をこの先
何年繰り返せばいいのだろう
「頑張れ!」と言われても、
「立ち上がれ!」と言われても
「前を向け!」と言われても
どこに向かって進めばいいのだろう。
折角、震災の中を生き延びたというのに
自らの命を絶つ人が後を断たない。
そういうボクも紙一重の毎日、
そんなボクの折れそうな心を
支えてくれたのはあなたです。
日本中のあなたのはげましや支援のおかげで
辛うじてここにいます。
たすけてくれて「ありがとう!」
助けてくれる人が居るから
「すごい!」
そのやさしさがうれしい、
心強い。その感謝の気持ちを伝えるために
精一杯の強がりと
精一杯の笑顔で
「がんばります!」
「負けません!」と
差し伸べてくれたあなたの手を握りかえします。


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12篇の詩を紹介しました。
作者は南相馬市鹿島区寺内塚合寺内塚合第二仮設自治会長の藤島昌治さんです。

「忘れないで」―福島から 11

2013-05-10 | よもやま


突然の病

地震だ!
津波が来る
原発(原子力発電所)が爆発した
逃げろ!
子供達は
家は大丈夫か?

遠のく意識
パニックを起こした、脳みそ
薄れゆく意識の中で
震災の記憶がかけめぐる

夜が過ぎ
朝が過ぎ
二日目が過ぎた
倒れたままのトイレの中で
遠くに倦怠電話の呼び出し音
「ここにいるよ」と思いながら
空しく時間が過ぎて
又、携帯の呼び出し音
焦る気持ちとは裏腹に
手が、足が
身体が動かない

又、しばらくして
「明かりがついている」と誰かの声
玄関のベルが鳴る
何度も何度も繰り返し鳴るベルの音
「助けてくれ、ボクはここに居る」
叫んでいるはずの声は
喉の奥で消えてゆく
時は容赦なく流れて
確実に近づいてくる
死の足音

外でみんなが騒いでいる
「郵便がたまっているぞ」
サッシの窓を
誰かが激しく叩いている
悲痛に叫ぶ姉の声
「きてくれてありがとう」
声をふりしぼるが届かない
姉の声が、足音が遠ざかる

それからどれだけの
時が流れたのだろう
「ガタ! ガタ! 、バリ! バリ!」と
玄関を打ち破って
入ってきた見知らぬ人
絶叫する姉の顔
普段、とりたてて
話すこともなかった
仮設住宅の人が
ボクを助けてくれた
かすかに聞こえる救急車の音
何度となく
死を覚悟しながら
助けだされたこの生命
これからどう生きたらいいのだろう

「忘れないで」―福島から 10

2013-05-10 | よもやま
3月11日 東日本大震災

何だ!
何なんだ!

地の底から、きこえてくる
はらわたを引きちぎるような
不気味な、呻き声は、

突如、大地が裂け
山が呻き
恐怖におののき
逃げ惑う人々
絶叫と悲鳴の後には
瞬く間に瓦礫の山ができた。

松林の遙か上空を越えて
猛り狂った海が
悪魔と化して、襲いかかる
船が、自動車が、家屋が、
押し流され
としよりが、子供が
津波に呑み込まれる。

チキショウ!
悔しさと行き場のない憤りが
頬を伝う。

「ドーン」
今度は何だ
数十キロも離れた
俺のところへ
背骨もきしむ、地響き
原爆が落ちた
脳裏を広島がよぎる
東京電力
福島第一原子力発電所
水素ガス
大爆発である。

逃げろ! 逃げろ!
はやく! はやく !
遠くへ! できるだけ遠くへ
見えない敵
放射能から
一目散に逃げる
一体、どこへ逃げればいいんだ

日本中を
丸ごと揺さぶる
悪魔の所業に
東北は地獄を見た

こつ! こつ! と
純朴で
ただひたむきに生きてきた
みちのくの人々が
こんな裁きを受けようとは
思いも寄らぬはずだ

だが、もう嘆くまい
鋤を手に
鍬を手に
ひたすら粘り強く
この地をきり拓いてきた
脈々と
受け継がれてきた伝統が
我々にはある。

負けてたまるか!
負けてなるものか!
            (手を差し伸べてくれたせべ手の人々に深く感謝)
            平成二十三年三月 東日本大震災 原発避難民

「忘れないで」―福島から 9

2013-05-01 | よもやま


無題

例えば、
ここでこのまま私が
信だとしても
驚かないで下さい。
慌てないでください。
あの日(震災)
別々のくらしが始まった時から
わたしには
覚悟ができています。
仮設に移ってきてから
二回目の冬がきて
一人暮らしは、
思っていたより
遙かに辛いものです。
灯りを消して
滑り込んだ布団の中で
訳もなく涙がこぼれたり
大声で叫ぶ苛立ちもある
それでも仮設住宅は
嫌なことばかりではなく
八十過ぎの
汚いばあさんに
優しく声をかけてくれる人がいたり
散歩に誘ってくれたりもする
カラオケが年がいもなく
楽しかったり
嬉しかったり
心が弾んで
臆病者のわたしが
身の上話をしたり
ここでのくらしも
満更でもなく
確かに先の見えない
不安がない訳ではないが
まぁ、こんなものかと・・・・。

例えばここで、
このまま死んだとしても
決して不幸だなどと
嘆かないで下さい。
力一杯に生きて来たのだし
これから先も
わたしの身の丈分の
がんばりで
しなやかに、したたかに
藁って生きて行くのだから
心配はいらない
笑顔は流行病いのようなもので
他人には直ぐ移るものだから
笑ってさえいれば
そのうち又、
わたしは戻ってくるよ。
案外と
八十過ぎの婆さんも
逞しいものさ
心配はいらない

(子供たちへのメッセージ)


「忘れないで」―福島から 8

2013-05-01 | よもやま


放射能汚染

他人事のように報じられている
地下貯水槽の水漏れがつづく
もう少しがんばれば
戻れると微かな期待を持った
三年目の春
遠いどこかの出来事のような
思いもよらない汚染水の流失
又、ふるさとが遠ざかる

又、ですか
いつまで待てばいいのですか
もう駄目なんでしょうか
どうすればいいのですか
いったい誰のせいですか
答えはどこにあるのですか
汚染水は、好むと好まざるとに
かかわらず、海を汚すでしょう
知っているのなら
教えてください
訪ね先は東京電力でいいのですか

ふるさとが
だんだん
ふるさとが遠ざかる


「忘れないで」―福島から 7

2013-05-01 | よもやま


寂寥

ほんの何日前に
「元気でいようね!」と
約束したのに
一人こんな所で(仮設住宅)
あまりにも哀しく
一言の別れもなしに逝ってしまった。

「もう少し待ってね!」と言ったら
飛び切りの笑顔で
たこ焼きの焼き上がりを待っていたあなたも、
あっさりと、いつの間にか居なくなった。

ダンディな帽子に
ステッキ付いておしゃれに散歩していた
ロマンスグレーのあなたも・・・。
あれから(震災から)
二回目の冬が来る。


「忘れないで」―福島から 6

2013-05-01 | よもやま


停電

慌ただしく人が動き回る
「ダイジョウブカナ!」
「何処へ逃げればいい!
仮設住宅は
異様な緊張が走る

震災から二年が過ぎて三月十八日
東京電力
福島第一原子力発電所
停電
使用済み核燃料プールの
温度計が不気味に上昇る

「ダイジョウブカナ!」
「何処へ逃げればいい!」
不安が加速する
とりあえず給油だ!
ガソリンスタンドには
長蛇の列ができた


「忘れないで」―福島から 5

2013-05-01 | よもやま


やさしさ、が

ヒョコ、ヒョコと
鯵の干物がやってきた
「焼いて喰うといまいんだ!」
後を追って白菜がやってきた
「鍋にでもしろや!」

「じゃが芋は、いつでも食えっから!」
煮しめやお新香もきた

「みそ汁にでも入れろや!」と
長ねぎもきた

焼酎がきて、ビールがきて
ウィスキーもきて
日本酒もきた

「甘い物もいいべ!」と
羊羹がきて、
最中がきて、
ゆべしがせんべいも連れてきた。

こんなところで独り暮らしの爺さんに
優しさが列をなしてやってくる
焼酎のせいで
ホロリ、と、涙がこぼれる