二面楚歌 グラビアレビュー備忘録

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のグラビアレビュー備忘録。
最新記事は上記サイトに。

立ち読みグラビア日誌

2011-10-12 | グラビア落穂拾い
週刊ビッグコミックスピリッツ 2011 45号の大島優子
渡辺達生の撮影による、渡辺達生らしいグラビア。 光が強すぎて流石に大島優子でも表情が死んだカットが有り、見るに堪えないので購入には至らず。
光がさほど強くない最後のカットは良かったが、これだけで買う訳にも行かない。

週刊フライデー 2011 10/21号の渡辺麻友
定番のハーフツイン無しでのグラビア。
いつもの決め顔だけではない、渡辺麻友の多面的な魅力が切り取られた佳品。
パーツの見せ方も扇情的で有りつつ下卑たところはなく、爽やか。 表情にも幅が出て来た。

UTB+ 2011 11月増刊号

2011-10-02 | UTB+
鈴木愛理、前田憂佳、鞘師里保
UTB 出ずっぱりの鞘師里保と先輩二人を絡ませたグラビア。 10ページ21カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
鈴木愛理と前田憂佳は似通った系統の顔立ちだけれど、鞘師里保は一寸違った古風な顔立ち。 朴訥にして清楚。

4ページ目、前田憂佳のバストアップのポートレートが絶品。 これ以上のものは中々無い。
ピントの置き所、深さ、露出、構図 etc...、全てが噛み合っており、憂いを含んだ前田憂佳の表情も良い。

鞘師里保に早くも変化の兆し。 撮られ慣れたのが悪い方に振れて、一寸媚びた様な表情が目に付く。
これを進歩と取るか退行と取るかは評価の分かれるところだとは思うが、持ち味が減殺されたと言う点に於いては矢張り退行と見るべきであろう。
朴訥さと言うものが見る者の幻想であったとしても、幻想を売るのがアイドルの仕事の一つではある。

鈴木愛理は撮られることに於いて一日の長があり、全てのカットでブレが無く「求められる鈴木愛理」であり続けており、それでいて巧んだところが無いのも良い。

前田憂佳は未だ少し「撮って貰っている」感じはあるが、それによって引き出された表情が良いので救われている。 受動的だからこそ醸し出される味わい。
憂いを含んだ表情が多いのは気になるが、それによって笑顔がより引き立っているのも確かであり、一概に悪いとも言えない。

とまれ、巻頭を飾るに相応しい見応えのあるグラビア。
かつては肝心なところでピントが甘くなる事がままあった佐藤裕之だが、最近はそんな事も無くなった。
マニュアルフォーカスのライカ M9 でこの打率は凄い。

逢沢りな
7ページ8カット、撮影は西田幸樹。
曇天の屋外と光の廻った屋内なので、どちらも柔らかな表情。
3ページ目のアップのカットは少々ピントが浅いが、表情そのものは良いので然程気にならない。
青少年の Libido を刺激しつつ、それだけでは終わらない7ページ。

橋本愛
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は例によって熊谷貫。
時として踏み込みの浅い、切っ先の鈍った写真を撮ることもある熊谷貫だが、こと橋本愛に限ってはハズレが無い。
また撮り手によってはキツ過ぎたり甘過ぎたり振れ幅の大きい橋本愛も、熊谷貫だとブレが無い。

今回はボーイッシュな出で立ちでの撮影なのだけれど、それでいて表情は嫋やか。 撮る側も撮られる側もやる気漲る5カット。 漲るやる気と打率の高さが切ない。
これが職人としての矜持に起因したものなのか、熊谷貫個人の感情から来るものなのかは定かでないが、いずれにしても甘く切ない秋らしいグラビア。 眼福。

高柳明音
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
鳥好き女子の、鳥好き女子による、鳥好き女子の為のグラビア。 高柳明音へのご褒美の意味合いもあると思われる6ページ。
前半は鳥毛立女屏風のような白い羽根の衣装。 後半のインタビューの中で触れられているが、3ページ目で加えたオリーブの枝はノアの箱舟に新天地への到着を知らせる鳩が齎したもの。 遂に自分たちの演目を手に入れたチームKIIを寿ぐ暗喩。
後半はコンゴウインコのような極彩色の羽根ドレス。 こうして考えに考えたグラビアを組んで貰えるのも、高柳明音の人徳のなせる業であろう。
例によって額に斜めに海苔を貼ったような、前髪安定の髪形。 ペタリとした前髪を自我同一性の象徴とする芸風は漫画トリオに通ずるものが・・・と茶化して書こうかとも思ったが、正直申し上げて野暮ったい。 それでもこれが本人にとっては「高柳明音」の形なのだろう。
鳥グラビアとしては最高に近い出来映え。 これ以上のものを・・・となると、山階鳥類研究所に乗り込むしかあるまい。 同業他誌の蛮勇に期待したい。

山本彩(NMB48)
6ページ11カット、撮影は門嶋淳矢。
バンド経験も有る山本、本当に弾ける人に持たせているのでギターもさまになっている。 そしてその「弾けます」が厭味になっていない。
これまで棒組でNMBを引っ張ってきた渡辺美優紀が謎の降格、一人でのグラビアとなった訳だが、立場が人を作る好例、プラスに振れてより良くなっている。 水着のカットと着衣のカットで表情に差が無くなって来ており、それでいて取り繕ったようなところも無い。
NMBの看板を背負わされた苦労が身になって来つつある。

横山由依
7ページ16カット、撮影は桑島智輝。
見る度に良くなる横山、このグラビアも良い出来。 屋内での水着と屋外での白ワンピースなのだけれど、屋外撮影分が表情からポーズから仕草まで全て良い。 そして量的にも多く使われていてる。
目線の来ているカットとそうでないカットが有るが、意識だけがカメラに向けられた横顔が良い。 撮られる仕事を量的にこなして慣れたと言うのも勿論あると思うが、大島やら指原やら良いお手本に囲まれて仕事が出来る環境と、そこから何かを掴もうとする横山の姿勢がプラスに働いているのだと思う。
大島優子の手の表情の良さが曖昧さの妙だとすると、横山由依のそれはきっぱりとした強い意志の表れが無意識に出た面白さにある。 柔らかい顔の表情と相反するものが手に表れていたりするのも横山ならでは。

渡り廊下走り隊 7
10月半ばに出ると言うフォトブック的なものから5ページ8カット、撮影は桑島智輝。
まゆゆ先生のみ1ページ、あとは二人で1ページずつ。 最後に告知がてら集合で1ページ。
こうして並べると際立つのが小森の撮り難さ。 現物の造形美が写真となると何割引きかになってしまう。 今回は引き攣り笑いになっていないだけまだ良い。
平嶋夏海は落ち着いてきたのだけれど、菊地あやかが安定しない。 計画性の無い奴の取ってきたサラダバーの皿みたいに、色々と盛りすぎている。 もっとあっさり見せた方が映えると思うのだけれど、どうもこの事務所は弄りたがるのでいけない。
さて、岩佐美咲。 この路線にどこまで付き合うのだろうか。

NMB48 2期研究生
5ページ5カット、撮影は門嶋淳矢。
研究生として入っていきなり一人1ページ。 これが良いことなのか悪いことなのか、私は後者だと思うのだけれど、AKB48が肥大化して収拾がつかなくなった結果なのでこれも仕方が無い。
研究生各位も、難しいとは思うが浮き足立たず、地に足をつけて頑張っていただきたい。
しかしNMB48は癖球を採らない。 変化球でもせいぜい Moving Fast Ball 程度のストライクゾーンに収まるものばかり。
これも吉本の打算なのだろうか。

森迫永依
2ページ2カット、撮影は藤本和典。
達者な子役も14歳、元々が funny 寄りの顔なので、笑顔になるとクシャッとしてしまっているが、可愛く無い訳ではなく、見せ方の問題。
役者にありがちな、役ではない自分に慣れていないことからくるぎこちなさか。

小池唯
5ページ7カット、撮影は長野博文。
昼間の浜辺で撮った水着グラビアなのでどうやっても眩しいのだけれど、眩しく無さそうになるように秘術を尽くす長野博文。 眩しそうでありつつ、何とか見られるものにはしている。
しかし一本調子な歯見せ笑顔の小池唯。
これで良いと言うか、これが良いのだろう。

上白石萌歌
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
柔らかい光の中でしっとりと。 薄暗い林の中で絞りを開けてスローシャッターで撮っているので、ボケたりブレたりしている訳なのだけれど、ピントは合わせるべきところに合っているし、手ブレも無い。
4ページ目のワンピースの裾を持って廻っているカット、ボケているようにも見えるが足元の下草を見るとピントは来ているのが分かる。 ピントが合っている部分、ブレていない部分が芯として画面内にあると、それを基準にして写真を見る事が出来る。 これはこれで良い写真。
この写真が載るのも、使い難い写真を敢えて使った編集者の審美眼あってこそ。

小桃音まい
4ページ6カット、撮影は桑島智輝。
夏の野音で実際に歌っているのを見るまでは私も見くびっていたのだけれど、兎に角ちゃんとしている。
まぁ、ライブに於ける「民族大移動」なるものは迷惑以外の何物でもなく、それがこの人の出るライブに足を運びにくい要因の一つになっているのだけれど(一番の要因は金欠)、本人に悪い印象は無い。
場数を踏んだ強さはグラビアにも出ていて、(それは撮影会モデルなどの仕事をして来ていない・せずに済んだと言う事もあろうがそれはさておき)媚びることなくカメラの前に立てているし、表情の種類は少ないもののカメラを見ないカットも写真になっている。

杉咲花
4ページ7カット、撮影は長野博文。
長野スタジオと思われる屋内で制服。 長野博文はこうして柔らかく光が廻る条件下で撮らせた方が良い仕事をする。
しかし杉咲花、寄りで撮られてこれだけ表情に幅と奥行きを出せるとは。 末恐ろしい中学生。

スマイレージ(和田彩花 + 新メンバー)
5ページ5カット、撮影は飯田かずな。
集合で2カット、和田のみで1カット、あとは2人ずつ3人ずつで1カット。
新メンバーはまだ野暮ったく、枯れ木も山の賑わいと言う感じなのであるが、これがこの先急に垢抜けて可愛らしくなってしまう事もあるし、そうでない事もある。
写真の方はと言えば、さながら記念写真。 こう言う写真が欲しいなら態々スタジオを押さえてセットを組む程の事は無く、気の利いた営業写真館に行った方が早いし、上がりも良い。

真野恵里菜×矢島舞美
7ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
この7カットだけで1200円の半分くらいの価値は有る。 ページを来るごとに妖しさの増す構成なのだけれど、6カット目が実に良い。 程の良い妖しさ。
グラビアでは基本的に一人である真野恵里菜と、ソロでもグループでも撮られる仕事をして来た矢島舞美を組ませる事で、真野のモデルとしての仕事にも幅が出るし、一人で仕事をすることであったり、役者としての経験をモデルとしての仕事に生かすやり方であったり、矢島の方にも得る所が多かったのではないかと思う。

高橋愛
最新のモーニング娘。として最後の写真集から7ページ9カット、撮影は西田幸樹。
水着と屋内過多な構成はいただけないが、水着以外のカットは表情も良い。 表情を作るために力まずに済む、西田幸樹の光の使い方が効いている。
最後くらい商売抜きで・・・とは行かないまでも、もう少し商売っ気の薄い、高橋愛の良さを引き出すようなものを作って欲しかった。

フォトテクニックデジタル 2011 10月号

2011-10-02 | フォトテクニックデジタル
竹富聖花
9ページ7カット、見開き2箇所。 撮影は西條彰仁。
見開きに目次を絡めたり、変則的な割付けだが、判型の大きさを生かしてゆったり見せる構成。
世間はもうすっかり秋だが、夏の名残のグラビア。 目に力のあるモデルだからか、かなりのアップで撮ったカットも有り、肌の質感も割りと生々しく描写されているのだけれど、これで破綻しないのが竹富聖花の若さ。
演技の仕事を重ねてモデルとしても幅が出ており、目線を外したカットに味がある。
写真技術誌のグラビアなので、青年マンガ誌やアイドル専門誌と違って糊塗しなければならない浮世のしがらみも少ないのだとは思うが、肌の質感が厭味にならない程度に再現されているのは矢張り良い。

藤江れいな
セーラー服で6ページ5カット、撮影は萩原和幸。
Eos-1DsMarkIII とペンタ645Dでの撮影なのだけれど、ペンタ645Dで撮ったカットが素晴らしい。 一枚毎のデータ量が大きくなってしまうので使い勝手は必ずしも良くないらしいが、描写力と情報量、前後のボケ味が段違い。

藤江はメディアに登場する頻度こそ少ないが、少々釣り目気味なのが疵ではあるが顔の造作に関しては申し分無く、脚もコンパスのように細くて長い。
梅田彩佳の Night view DJ にゲストで出た時、間近で見た若者が帰りのエレベーターの中で「近くで見ると超絶カワイイんだぜ!!」と鼻息荒く語っていたのを見た事があるが、知られていないだけで素材としては素晴らしい。
今回のグラビアでは「美形感」に関しては引き出してもらっているものの、脚の長さ(スタイルの良さ)に関しては試みては貰っている(4カット目を見ると、ウエストの位置が高いのに気付く)ものの今ひとつ。 撮り方次第でもっと良くなると思う。
このグラビアの次のページには、撮ったカメラマンによる「ポートレート レタッチの教科書」なる教本の宣伝が載っているが、こう言う細かい仕事でも「撮って貰う機会」を貰ってきたイトーカンパニーの担当者は目の付け所が良い。
あまり売れていないAKB48メンバーを抱えている事務所の担当者は売り込む・育てる努力をしているだろうか。 AKB48本体の仕事を優先させられたりするリスクや制約は付きまとうと思うが、AKB48の看板で取れる仕事もある訳で、劇場公演も碌すっぽ無い上に、テレビの冠番組にもお呼びが掛からない、掛かっても並び大名扱いである状況のままお茶を挽かせておいても旬の時期を逃すばかりで良いことは一つも無い。(これはAKB48に限った話ではなく、ZONEあたりが酷かったが)飼い殺しにされたまま歳を重ねてしまう娘を何人も見て来たが、 ユニットを組ませて歌わせている事務所が増えたのは、飼い殺しにしない為にとりあへずやらせているのではないかと私は考えている。
閑話休題、「撮られる機会」の話。 以前も何度か書いたが、生写真撮影が「撮られる機会」の全てだと、いざグラビアだ演技だとなった時にまるで使い物にならない。 これは撮影会モデル慣れ(狎れ)しすぎたモデルにも言えるのだけれど、素でカメラの前に立てなくなる。
雑誌のグラビアとなると難しかろうが、こうした技術教本のモデルなら未だ押し込む余地は有る筈なので、どんな仕事でも良い訳ではないが、撮られる機会をより多く与えてやっていただきたい。

藤麻理亜
6ページ6カット、撮影は長野博文。
屋外で2カット、屋内で4カット。 屋外撮影分は珍しく夕景。
4カット目の構図のぶった切り方が面白い。 組写真なら、全体を収めずに部分だけで構成したカットが有っても良い。

6カット目はガラス越しに撮っているのだけれど、額の辺りに手をやってガラスに凭れてこちらを凝視する藤麻理亜の目から鼻にかけてピントを合わせている。
長野博文の場合、多少捻って撮ったカットでもそのまま誌面に載るとは思うが、ここまで思い切った構図のものは流石にこの雑誌でないと載らないのではないか。

週刊プレイボーイ 2011 41号 の小島慶子

2011-10-02 | グラビア落穂拾い
沢渡朔の撮影。 39歳の小島慶子を糊塗せずに、且つ綺麗に撮っている。
若いモデル相手だと人の悪い撮り方もするし、それが良かったりもするのだけれど、頭も勘も良い小島慶子相手だと悪戯せずに撮っているのが微笑ましくあった。

週刊プレイボーイ 2011 41号 の深田恭子

2011-10-02 | グラビア落穂拾い
今村敏彦が生々しく撮っているのだけれど、モデルが強いので破綻しない。
同時期に載ったビッグコミックスピリッツのグラビア(こちらは野村浩二)は、弄り壊してしまったようなところが有ったが、こちらは良かった。