二面楚歌 グラビアレビュー備忘録

「二面楚歌」http://petri.tdiary.net/
のグラビアレビュー備忘録。
最新記事は上記サイトに。

週刊ヤングマガジン 2011 43号 の高城亜樹

2011-10-02 | グラビア落穂拾い
栗山秀作の撮影。 前号が酷かったので立ち読みすらしないで流そうかと思っていたのだけれど、偶々手に取る機会が有り散見。 他はともかく高城亜樹のグラビアは良く出来ていた。
頑健な下半身や張った頬骨など、粗になり兼ねない部分も隠さずに且つ綺麗に撮って貰えている。
考えさせると死んでしまう表情も、放牧に出された動物のように生きたものになっている。
カメラマンが自分の流儀に拘泥せず、モデルを生かそうと撮ったグラビア。
懐都合さえ良ければ、これの為だけに買っても良かった。

週刊ヤングジャンプ 2011 44号

2011-10-02 | 週刊ヤングジャンプ
AKB48 チーム亀有(梅田彩佳、菊地あやか、倉持明日香、増田有華、宮澤佐江、渡辺麻友)
経緯は分からないが秋本治が撰んだと言う6人。 9ページ14カット、うち見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
旧チームKから四人、旧チームBから二人と言うのも面白い。 こうした「チーム何々」には珍しく、浮世のしがらみの感じられない構成。

菊地あやかは週刊プレイボーイでやらされた裏本紛いの罰ゲームグラビアと較べれば格段に良いが、色々と作り込み過ぎていて素材の味がしないのはいただけない。
梅田彩佳は綺麗に撮って貰えている。 添え物扱いにされがちなこの辺りの面子がしっかり撮って貰えているのも嬉しい。
宮澤佐江は例によって男装の麗人の趣ながら、何時に無く妖しく艶っぽく。 私はこちらが宮澤の本領だと思っている。
倉持明日香は「まぁ、こんなもんかな」位の、良く言えば安定した、悪く言えばおざなりの写真。 歯見せ笑顔ばかりでは詰まらない。 Not yet とフレンチ・キスの違いは、メンバー同士の感化力に有るのではないかと思う。 組ませたことによる相互扶助による向上の点で Not yet と較べると見劣りする。
増田有華も良く言えば安定、悪く言えば何時も通り。 この人は一定以上の質の仕事をしていても手馴れた感じに見えてしまうのが損なのだけれど、それは見る側の期待値が高いからでもある。
渡辺麻友は個別の写真も集合も「求められるまゆゆ像」をきっちりこなしている。 偶にはそれ以外の部分も見たくは有るが、下手を打つと例の写真集のように本人の魅力の半分以下しか引き出せないなんて事にもなり兼ねないのが難しいところ。

しかし軍隊と警察、アメリカとドイツがごちゃ混ぜになった米村による衣装が酷い。 まぁ考証もヘッタクレも無いゴッタ煮見たようなのがこの人の味な訳で、これが良いと思う人が多いから仕事が引きも切らないのであろう。 世も末である。

和田絵莉
巻末グラビア4ページ8カット、撮影は中山雅文。
目にする度にボロッカスに書いているような気がする中山雅文のグラビアであるが、今回は非常に良かった。
相変わらず動きの無い、スティーグリッツ以前のポートレートのような静物画が8枚並んでいるのだけれど、モデルとの相性が良いのか表情も生きており、じっくり撮った事が吉と出て見応えのあるグラビアに仕上がっている。
雑誌のグラビアはカメラマン本人の作品撮りではないので、モデル側(事務所側)の意向や編集者の構成プランなど、カメラマン以外の意志も入って来る。 それが吉と出る場合もあれば、凶と出る場合もある。
中山雅文の場合、後者が多かったのではなかろうか。
じっくりと描くように撮られたポートレート。 これは拾い物だった。

週刊ヤングジャンプ 2011 43号

2011-10-02 | 週刊ヤングジャンプ
ももいろクローバー
7ページ31カット、撮影は細居幸次郎。
これまで見たヤングジャンプのグラビアの中でも最低に近い出来。 細居幸次郎に撮らせた意味は無い。
ももいろクローバーは水着グラビアをやらない訳で、それをどう料理してグラビア一本仕立てるかが編集者の腕なのだけれど、まるでなってない。
見るべきものは6ページ目の個別写真のみ。 これすらもヘアメイクがおかしなことをして有安は台無し。

スタイリストとして米村弘光を多用するようになって、ヤングジャンプのグラビアもおかしな事になってきた。
仕事は細かいし悪くは無いのだけれど、どのグラビア見ても似た様な絵柄ってのはいただけない。

まゆゆマンガ家計画 第11回
まゆゆ先生のヲタヲタしい日常が語られるインタビューと美麗な1カットグラビアで1ページずつ、更にマンガ本編2ページ。 今回もどうかしていて面白い。

童話をモチーフにしたマンガもそろそろ根多切れ。 そもそも副業のアイドルが忙しすぎて本業のマンガに集中する時間が足りない。
モノクロページのインタビュー時の写真が、最近のまゆゆ先生の写真の中では一番生き生きしている。
まゆゆ先生の慰藉の為にも、世界平和の為にも、続いて欲しい企画。

藤原令子
5ページ9カット、撮影は細野晋司。
他誌で見る藤原令子は、表情に幅のある良いモデルになっていたのだけれど、このグラビアに限っては単調な歯見せ笑顔に終始。
これはモデル本人の責任ではなく、編集者の構成力不足によるものだと思われる。
以前プレゼントページにモデルとして使われたときは良かっただけに惜しい。

週刊ヤングマガジン 2011 42号

2011-09-25 | 週刊ヤングマガジン
YM7
9ページ、撮影は唐木貴央。
最初のページとオマケピンナップの裏面を地続きにして都合3ページ使った集合で始まり、あとは個別で1ページずつ。
何となく引っ掛かるものがあって考えながら見直すと、グラビアの最初のページである部分、つまり左端の部分に高城亜樹、指原莉乃、河西智美で並んでおり、ピンナップの裏に佐藤すみれ、小森美果、宮崎美穂、竹内美宥。 指原、高城、河西の三人と残りの四人とでは、扱いにあからさまな差がある。
ピンナップの裏面まで使ってグラビアを構成する工夫、枠の中で出来ることをしようとする意気込みは感じられるのだけれど、その「枠」が目先の商売に囚われ過ぎていて、新たな需要を掘り起こそうとまではしていない。
個別写真は一人1ページ、河西と高城と宮崎はバストアップなのだけれど、河西はともかく宮崎と高城に関しては粗を隠して撮った消極性が興醒め。 ただ、この3枚に関しては写真そのものは良く撮れており、消極策ではあるが成功はしている。

しかし、佐藤すみれと小森美果に関しては扱いが雑なのが気になる。
小森が撮りにくいのは判るが、佐藤すみれに関しては撮られ慣れ過ぎたのが時として鼻につくことはあっても、もっと撮り様はあったと思う。

もう一つ鼻についたのは水着に入れた餡子の量。 寄せる肉が有る連中は良いとして、元本が無いところに無理に利息をつけようとした指原莉乃あたりは逆にその貧相が強調されてしまっている。
それがまぁ Justine 的な意味合いにおいて訴求力のある写真になっているのだけれど、これは文字通り怪我の功名。

ヤングマガジンのグラビアは一と言で言って「子供騙し」。 情緒より性衝動を刺激することを第一義に考えて構成されている。
巻末の秋月三佳のグラビアを見て驚くのが、その表情の種類の少なさ。 水着は布地面積の少ないものを取っ替え引っ換え6着使っているが、表情が全て同じ歯見せ笑顔。 肌さえ露出していれば良い下衆な写真、実に酷い。
これに較べればAKB48絡みのグラビアはまだ考えて撮って貰えている(これは対戦企画のページを見ても判る)
この雑誌の性衝動第一主義の縛りの中でよく頑張った、と、褒めておく。

週刊ヤングジャンプ 2011 42号

2011-09-25 | 週刊ヤングジャンプ
YJ7(市川美織、多田愛佳、北原里英、佐藤亜美菜、峯岸みなみ、山内鈴蘭、横山由依)
巻頭グラビア8ページ8カット、撮影は桑島智輝。
集合で始まり、あとは個別で1ページずつ。
左腕を枕にして横たわり、手前側に長い髪をうねらせているのだけれど、何時に無く大人びた表情の市川。
北原は白いファーの上にぺたりと座り、小首傾げて微笑むカット。 上手いこと白く撮ってある。 北原は idiot な感じの表情の方が映えるように思う。
多田は髪をアップにして反り気味に腰掛け、身体の線を綺麗に見せて「大人になりかけのあやうさ」を引き出して貰っている。
山内はウエストアップの立ちポーズ。 腕を背中に廻したのと、小首傾げたのがアクセントとして利いている。
佐藤亜美菜は光を強めに当てて魔法を掛けて貰っていたり、ポーズの妙で肉感的な部分を強調しつつ太く見えないようにしたり、三日目のおでんのちくわぶ見たような感じに写りかねないところを頃合に煮えたはんぺんの如く撮ってある。
横山は柔らかい笑顔の立ちポーズ。 安定して良い。
峯岸は流石の一枚。 横向きの所謂「体育座り」なのだけれど、膝を抱えて前傾した肩口から覗き込むようにこちらを向いており、これがまた良い。

佐藤亜美菜にしても北原里英にしても体形の粗はあるのだけれど、それを隠すのではなくそれを生かすべく工夫して撮って貰えている。
性衝動ではなく、情緒を刺激するグラビア。

YJ7(市川美織、多田愛佳、北原里英、佐藤亜美菜、峯岸みなみ、山内鈴蘭、横山由依)
巻中グラビア3ページ27カット、撮影は古賀良郎と藤丸修。
花やしきにて撮影。 3ページなのだけれど、手抜きは無く(寧ろ過剰)、揃いのようで揃いで無い白いワンピースと麦藁帽子。 園内で戯れる七人、小雨そぼ降る花やしきの甘苦い思い出を共有できるのは峯岸だけか。
固まった表情とポーズで畏まって写っていないので、佐藤亜美菜が特殊効果で痩せて見えるように撮った訳ではない事も判るし、他の連中も良い表情。
この「良い」は単に可愛らしく撮れていると言う事ではなく、一見可愛らしくない表情まで含めて味わい深く撮れていると言う事。

市川・峯岸対談
9期ともなると、既にAKB48が恒常的にテレビに出るようになってからの世代であるので、AKB48本体ではなくノースリーブスから入ったと語る市川に驚きつつ納得。
峯岸みなみも顔が大きい訳ではないのだけれど、市川と並ぶと矢張り一と回り大きく見えてしまう。

この対談は判っているライターの手による記事なので、牧歌的な市川の口調が文章で再現されており、峯岸と較べて平仮名率が上げてある。
峯岸の与えられた(求められる)役割をこなしすぎるのは気になるが、読み出のある記事。