AKB48 チーム亀有(梅田彩佳、菊地あやか、倉持明日香、増田有華、宮澤佐江、渡辺麻友)
経緯は分からないが秋本治が撰んだと言う6人。 9ページ14カット、うち見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
旧チームKから四人、旧チームBから二人と言うのも面白い。 こうした「チーム何々」には珍しく、浮世のしがらみの感じられない構成。
菊地あやかは週刊プレイボーイでやらされた裏本紛いの罰ゲームグラビアと較べれば格段に良いが、色々と作り込み過ぎていて素材の味がしないのはいただけない。
梅田彩佳は綺麗に撮って貰えている。 添え物扱いにされがちなこの辺りの面子がしっかり撮って貰えているのも嬉しい。
宮澤佐江は例によって男装の麗人の趣ながら、何時に無く妖しく艶っぽく。 私はこちらが宮澤の本領だと思っている。
倉持明日香は「まぁ、こんなもんかな」位の、良く言えば安定した、悪く言えばおざなりの写真。 歯見せ笑顔ばかりでは詰まらない。 Not yet とフレンチ・キスの違いは、メンバー同士の感化力に有るのではないかと思う。 組ませたことによる相互扶助による向上の点で Not yet と較べると見劣りする。
増田有華も良く言えば安定、悪く言えば何時も通り。 この人は一定以上の質の仕事をしていても手馴れた感じに見えてしまうのが損なのだけれど、それは見る側の期待値が高いからでもある。
渡辺麻友は個別の写真も集合も「求められるまゆゆ像」をきっちりこなしている。 偶にはそれ以外の部分も見たくは有るが、下手を打つと例の写真集のように本人の魅力の半分以下しか引き出せないなんて事にもなり兼ねないのが難しいところ。
しかし軍隊と警察、アメリカとドイツがごちゃ混ぜになった米村による衣装が酷い。 まぁ考証もヘッタクレも無いゴッタ煮見たようなのがこの人の味な訳で、これが良いと思う人が多いから仕事が引きも切らないのであろう。 世も末である。
和田絵莉
巻末グラビア4ページ8カット、撮影は中山雅文。
目にする度にボロッカスに書いているような気がする中山雅文のグラビアであるが、今回は非常に良かった。
相変わらず動きの無い、スティーグリッツ以前のポートレートのような静物画が8枚並んでいるのだけれど、モデルとの相性が良いのか表情も生きており、じっくり撮った事が吉と出て見応えのあるグラビアに仕上がっている。
雑誌のグラビアはカメラマン本人の作品撮りではないので、モデル側(事務所側)の意向や編集者の構成プランなど、カメラマン以外の意志も入って来る。 それが吉と出る場合もあれば、凶と出る場合もある。
中山雅文の場合、後者が多かったのではなかろうか。
じっくりと描くように撮られたポートレート。 これは拾い物だった。