自民党の谷垣禎一総裁は18日の記者会見で、党所属国会議員による両院議員懇談会を来週後半から計3回開催する考えを明らかにした。初回は党運営のあり方を議題とし、与謝野馨元財務相の月刊誌論文を契機に広がった執行部批判に谷垣氏自ら答える。しかし、谷垣氏は大島理森幹事長らの交代要求は拒む構えで、懇談会が単なる「ガス抜き」に終われば、求心力の回復はおぼつかない。
与謝野氏支持グループは谷垣氏との会談を求めたが、執行部は党全体で議論するのが得策と判断した。開催を遅らせたのは、鳩山邦夫元総務相の離党に同調する動きがないことから、さらに冷却期間を置く狙いもある。党幹部は「ハプニングを避けるため、正規の両院議員総会ではなく懇談会にした」と明かした。2、3回目は参院選の政権公約に盛り込む基本政策を議論する。
谷垣氏は会見で「必要なのは人事の見直しよりも、参院選を一体で戦うための体制の大幅な強化だ」と述べ、執行部の交代を改めて否定した。
各派領袖も18日の派閥会合で党内の結束を呼びかけた。麻生太郎前首相は「前回の内閣でも仲間割れという話を随分と言われて、敵(民主党)の点数を上げたことを忘れている」。ただ、古賀誠元幹事長は「総裁はじめ執行部に参院選に取り組む危機感が足りないことを県連は心配している」と苦言を呈した。【木下訓明】
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