自己満足度 5点満点で4点
終わってみれば、なかなか素敵な作品だった。
是枝監督の初連ドラ監督・脚本・演出ということで。
映画と連ドラでは、根本的に違うんだとたたかれていたりして。
普通の連ドラならば、毎回なにかしら"事件"が起こるところを
このドラマは、ずーっとオフビートのようなリズムが続く。
そもそも是枝監督の作品は、行間を読み取るような作風で
いちいち、セリフにしなくても
登場人物の表情や仕草や、その場の雰囲気や、
何より言葉の間を縫うように流れる空気感
みたいなものを感じて楽しむもの。
それを前提にしないと非常につまらなく写ってしまう。
しかし、それを連ドラでやられたら正直
私も中間地点では萎えた。
でも、最終回の
あの良多(阿部寛)の
父親(夏八木勲)の棺にすがって泣き崩れる
あれが・・・とても胸に迫った。
そ~なのよねぇってゆー家族の構図みたいなものを実感できるドラマだった。
そ~なのよ、一人っ子、しかも娘で、その両親、ってなると
どーしたって母親と娘はオンナという名の下に同盟し仲良くなってしまうもの。
その構図が良多の一家にもあった!
紗江(山口智子)と萌江(蒔田彩珠)との親子関係を見てて、思わずニンマリ~。
同じく良多の姉・多希子(YOU)とその母親・敏子(吉行和子)の関係も。
そ~そ~、母と娘ってこんな感じよねぇ。
話す言葉にもいちいち納得!
あと、嫁の実家における娘婿の微妙な立ち位置も!
多希子の夫(安田顕)がこまめに動いたりするあれもね
観てて共感したな。
逆に紗江が良多の実家に行った時の
嫁という立場での振る舞いとか会話とかも。
そ~なのよ、父親が亡くなっても、みんなそんなにワンワンと泣けないものなのよ。
むしろ冗談言ったりして、不謹慎にも笑ったりできるものなのよね。
とは言っても悲しくないわけじゃなく
でも笑えないこともなく
な~んか、こんなドライな雰囲気漂うよね~って思い出した。
自分の父親が亡くなった時のこと。
私としては
クーナの話はどーでもよかったけど。
紗江の作る料理が美味しそうなのと
長野ののどかな景色と
どこにでもあるような家族が
終わってみればとても心和む
そんなドラマでした。