頭の中どうなってんの?

他の男性もこんなのでしょうか?

遊園地へ

2017-03-31 12:46:41 | 日記
ユリと逢えることにはなったが、何の心構えもしていなかったのでどうしたものか考えながら車を走らせた。

九時前に事務所を出発し、現在時刻は九時半。

後30分ばかりでユリに逢うことになる。

ユリの住む街はおれの住む街から一時間の距離だが仕事上、ちょくちょく行く事がある。

なので協力業者なんかと昼間は頻繁に車ですれちがう事もある。

社用車でユリとデートになるのであまり街中をうろついたり繁華街に行くのは危険だ。

デート一つに強烈に神経を尖らせなければならないのである。

オレはユリのマンションに迎えにいく事になっている。

前回ユリを送ったので場所もわかっている。

到着してユリに電話をした。

「すぐ降りて行くけ。ちょっと待っててね!」

降りて行くという事は一階に住んでいないということだ。

マンションは五階建てワンルームマンション。

洗濯物を干してあるバルコニーは見当たらないのでどの部屋かはわからない。

マンション出入り口は一つのようだ。

オレは車を降りて出入り口でユリが来るのを待つ。

「お待たせ~」

相変わらずショートカットが似合うかわいい奴だ。

「おはよう。すまんな、今日も作業服で。」

格好もクソもない薄汚れた作業服姿だ。

「その格好好きやけ、気にせんでええよ!仕事頑張ってる人って感じですきやけ。」

ガテン系がユリのタイプなのだろうか?

「今日はいきなりだしどこへ行くかも何も考えてないんだ。昼ご飯にはまだ早いし。」

本当に何も考えていなかった。

「とりあえず走ってたら何か思いつくかも知れんけ。行こ!それにここ路駐うるさいし」

迎えに来ただけだから広くはない道路に路上駐車したままだった。

「よし、まぁ行くか」」

人目を避けつつ、ある程度の人のあるところを模索する。

ある程度の人があるところと言うのは誰もいないところで顔見知りと出くわしたら逃げ場がなくなるからだ。

「そうだ!マリンアリーナへ行こう!観覧車に乗りたいな!」

マリンアリーナとは本県では有名な遊園地だ。

あくまで本県ではであり、他府県の遊園地と比べれば規模は小さい。

どうやらユリはそこの観覧車に乗りたいらしい。

オレは実は高所恐怖症だがユリと二人っきりになれるし、何にしろマリンアリーナなら平日の午前中だ、知り合いと出くわす確率はまずない。

「わかった。平日だし空いてるだろうからな」

車の屋根に脚立を積んだ社用車が遊園地に着く。

少し雨も降っていた。

「傘、あるから」

そうオレは言ってユリと一つの傘に入る。

彼女はオレの傘を持っていない左腕に腕を絡ませてきた。

相合い傘。

妻帯者のオレが妻以外の女性と。

目撃されれば死すら覚悟せねばならぬ。

ゲートをくぐりまずは観覧車へ。

「やっぱり空いてるね。天気も天気やしね。」

待ち時間もなくすんなりと観覧車に乗り込む。

彼女は高度を増していく景色を楽しんでいたが、オレは腰が引けていた。

「どうしたん?もしかして高い所苦手?あはは!」

小悪魔のようだがユリなら何でも許せてしまう。

完全な密室で観覧車の籠の小さな軋み音だけのこの空間。

あまり得意ではない。

体を抱き寄せたかったが今はそれをしたくはなかった。

オレはユリといちゃつく為に逢いにきたのではないから。

観覧車が一周し、元の場所に戻り俺たちは籠を降りた。

「楽しかったね~。もう一回乗ろうか?」

「はは…勘弁してくれよ」

などと他愛ない会話をしながら遊具の整備士しかいない雨のマリンアリーナを歩く。

天気はよくないがまるでオレ達の貸し切りのようだ。

オレはユリの事はすでにかけがえのない人になっている。

妻ももちろんオレにとって二人といないオレの理解者。

しかし、妻とユリとはかけがえのない人だが、よくわからないが言うなれば種類の違う大切さ。

でもこの時はユリの事しか考えられていなかった。



またさぼり

2017-03-29 11:55:40 | 日記
昨日はまさかユリと一日過ごせるとは夢にも思わなかった。

本当に夢のような一日であった。

昨日の余韻を残したまま、また朝を迎える。

いつもと変わらない朝。

しかしオレの心は間違いなく数週間前と比べてまったく違うものになっていた。

「行ってきます」

いつものように事務所へ向かう。

今日も社長は来ていない。

ほとんどの場合、オレより早く出社しているのが通常。

恐らく寝込んでるのだろう。

待てよ。

と言うことは今日もユリに逢えるチャンスじゃないか!

しかし彼女は今日は出勤だと聞いていた。

昨日のようには二日連続ではいかないだろう。

逢いたい気持ちは山々だ。

事務所を抜け出しまた店に行く事は今日も可能だが、店へ行くにはそれなりの金も必要だ。

残念だが小遣いがないオレには今はどうする事もできない。

退屈なので彼女の店のHPを見てみた。

もし出勤していなければプライベートで逢う事ができると思ったからだ。

出勤情報には彼女の名前があった。

ユリは朝から夕方まで出勤しているので今日はもう逢えない事が確定した瞬間だった。

店のHPには嬢達のミニブログがある。

客引きのため店側からの命令なのかどうかわからないが。

ユリのものもある。

オレはユリを一人の女性として見ているので嬢としての彼女の日常を知りたくなかったので見る気なんかなかった。

でも、どんな些細な事でもユリの事を知りたかったのでついに見てしまった。

「今日は出勤してるよー!いっぱい楽しもうね!」

的な文言を見たくなかったからだ。

恐る恐るスマホのパネルを押す。

すると、昨日行った温泉の画像をつけたブログが掲載されていた。

「大事な友達と疲れを癒やしに行ってきました!」

だそうだ。

「大事な友達」というのが引っ掛かるが、彼女が嬢と言う事をを加味すればこのような表現が妥当なのだろう。

店用のHPに掲載するぐらいなのだから、余程楽しかったのに間違いないだろう。

嬉しいものだ。

何日か前のも見てみると、オレと行ったパスタ屋のことも掲載していた。

ユリにとってオレという存在は薄っぺらいものではないのだろうとこの頃は思っていた。

でも、他のを見ると友達と○○へ行ってランチしてきたなど掲載されていた。

さすがに凍り付いた瞬間だった。

オレのような奴が他にもいるのか?

いや、余計な事は考えたくない。

もし居たとしてもオレがユリにとって掛け替えのない男になればいいだけだ。

誰にも負ける気なんかはない。


この日は一日事務所で留守番をし、次の日もまた次の日も社長は寝込んでるらしく出社してこなかった。

一旦寝込めば一週間は寝込む人だ。

留守番しつつ昼寝の毎日。

考える事はユリの事ばかり。

出勤してるかのチェックはかかさずするようになっていた。

まるでストーカーのようだが他人に迷惑をかけているわけじゃない。

そして留守番四日目。

出勤早々朝から電話が鳴る。

「オレだ。今日は病院来てるから今日も休む。」

社長からだ。

この人はよくわからん連絡をたまによこす。

とりあえずは今日も一人だ。

ユリの店のHPを見てみる。

ユリは今日、休みだ!

さっそく電話をしてみた。

朝早くだから寝てるかと思ったが電話に出てくれた。

「ん~。おはよー。どうしたん?こんな朝から?」

彼女の声を聞くだけで生きている実感がわく。

「いや~今日は社長休みでオレは留守番で誰もこないだろし、ユリの声をききたかったんだ(笑)」

冗談交じりで答えた。

「あはは、そうなんや。仕事ないん?」

ユリが問う。

「特にしなければならない仕事ってないから一日どう過ごそうか迷ってるんだ」

本当に今日も暇なのだ。

「じゃあさ、どっか出掛けようよ!もしわたしが○○さんの立場ならさぼっちゃうけ!」

大胆な事をユリは言う。

「う~ん。よし!行くか!」

即断した。

逢えるチャンスがあれば逢いたい。

今日という日は二度と来ない。

オレはまた作業服に社用車というスタイルでユリと逢う事にした。

二度目のデート終了

2017-03-28 11:58:42 | 日記
ユリとの二度目のデートも終わりの時刻となったので帰ろうとしたところ、ユリが家まで送ってほしいと言ってきた。

今いる駐車場から彼女のマンションは近いらしい。

店側が寮として借り与えているマンションなのでここから店も近い。

「なぁ、送るのはいいけど本当にいいの?」

マンションまで送るという事は住み家がオレに知られると言うことだ。

部屋まで着いて来てとは言わないだろうが…。

「いいよ。何で?」

特に何とも思ってないのだろうか?

それだけオレは彼女にとって危険度がないと認識されているということだろう。

「そこの信号左ね。そこのやけ。」

何とオレが何度となく走った事のある道路沿いだ。

(こんなところだったのか。まぁ教えられないと気づかないか)

「送ってくれてありがとうね。」

温泉効果でユリも少し疲れてたのだろうな。

「ああ、夜にまたメールするね」

そう言ってユリの住むマンションを後にした。

部屋に通してくれるかなと少し期待したがさすがにそこまではいかなかった。

まぁ他の嬢も住んでるだろうし、男連れでバッタリ他の嬢と会ったら冷やかしやイヤミの対象になるかもしれないからな。

もしくは部屋に入れるほどまでランクがないのだろう。

とりあえず急いで事務所へ車をかっ飛ばす。

夕方の時間帯は渋滞が発生する。

下手に帰宅時間がズレると妻に怪しまれる。

それにしても今日は楽しかった。

まさか店でいいからユリに人目逢いたかっただけなのに温泉デートになるなんて思いもよらなかった。

ある意味仕事さぼってまで。

オレは妻を愛しているが、ユリの事も愛してしまっている。

独身時代にも体験しなかった思い高ぶるこの感情は一体なんなんだろう。

浮気、不倫という禁断の恋だからかも知れない。

でも、もっと何かが違う。

本気でユリと数年早く出逢っていたならと人生を呪うオレがいる。

彼女への想いはこの時点で果てしないものとなっていた。

そして帰社。

何も変化もなく、社長が顔を出した気配はない。

帰宅。

いつもと変わらないオレを演じる。

バレることはない。

今日は普段通り仕事へ行き、帰ってきただけなのだから。

そして夜。

妻が寝静まるのを皮切りにユリにメール。

「今日は楽しかったよ。また時間作るからそれまで待っててね」

時間作るからと言う言葉が妻帯者という現実を表している。

「今日はありがとう。家まで送らせてしまってゴメンね。楽しかったよ。でも罪悪感あるけ。」

一緒にいる時はそんな素振りないが、一人になるとやはりそう思うのだろう。

もしバレたりすれば大変な事になるから予防線を張ってるのかも知れないが。

でも万が一の事があってもユリの事は命を懸けても守る気だ。

それほどまでユリを想う気持ちが壮大となっていた。

また暫くユリに逢えない日が続くと思えば気が浮かない。

自由に逢う事が許されない。

仕事は仕方が無いとして、家庭という縛りがある。

何か理由をつけて彼女と逢う事ができる計画を常に考える日々がこれから続くのであった。

ランクアップ

2017-03-27 12:17:45 | 日記
前回の続き

この日、三度目のキス。

片時も彼女の事を頭から離れないる事もないここ最近。

あの日出逢ったのがオレの人生が変わりつつある。

夕方に差し掛かろうとするこの時間帯は平日にもかかわらずある程度の買い物客が駐車場を行き来している。

普通なら恥ずかしくていくら車中だと言っても女性と抱き合いあまつさえキスなんか外国人でもないのに出来るわけがないが、そんな事を考える余地なんかない。

今日、この日ユリと楽しい時間を過ごせているが次回があるかどうかは定かではない。

何かの拍子に妻にバレる事も考えられなくもない。

100%大丈夫という保証などどこにもない。

独身者の恋愛ではなく、妻帯者と独身女性との水面下の恋なのだから。

だから一分一秒とユリとの時間は全てが貴重なのだ。

「ユリ、ユリ!」

普通に話す程度の声で何度となく彼女の名を呼ぶ。

「何…。聞こえてるよ」

そういう意味で名を呼んでいるのではない。

何とも説明のつかないオレの気持ちが声として発せられているだけだ。

彼女を抱きしめる力が少し強くなった。

「もぉ…。どうしたん?」

彼女が問いかけるがどこにも行ってほしくない気持ち、もうすぐ帰らなければいけない現実、オレとユリとの認められない関係という事実が入り交じって尚のこと彼女が愛おしくなって仕方がない。

本気でユリに惚れ込んでいる。

これはマズイという感覚がなぜか生まれない。

妻を裏切っている罪の意識の欠片もない。

自分のわがままな欲だけが全てを支配しているかのようだ。

何度も口づけを交わし、何度も抱きしめた。

こんな状況なら相思相愛なのだろうがその実、ユリの心の声は残念ながらオレには伝わってはこない。

おそらくはオレに気が無いわけではないが、友達よりランクが上だが恋人には至らない人物。今はフリーなので恋人ができるまでの恋人という位置ずけというのが濃厚だろう。

しかし、オレはそんな関係が精一杯だと思うよりもそうはさせないという気持ちが勝っていた。

でないと危険を犯してまで彼女の元になんか来ない!

段々と日も陰ってきた。

そろそろオレはオレの住む街に帰らなければならない。

「ユリ、帰りたくないけど帰らなければならない。また、逢える日を作るからね。」

そう、自由に彼女と逢う事は無理な環境なのだ。

「うん。それまで待ってるけね。今度○○さんの街へわたしが行こうか?」

そこまで言ってくれるのは嬉しいが

「さすがにそれはすぐにバレてしまうよ。ド田舎だから」

都会だと他人だらけだろうがオレの住む街なんかはすぐに顔見知りと会う事はザラだ。

「名残惜しいけど行くわ。」

彼女を見送ろうど車のドアノブに手を掛けた。

「今日は温泉はいって疲れたけ。家まで送ってほしいな」

思わぬランクアップである。

彼女にとってそこまでの男になってるのだと実感した。

「お、おう。いいぜ。でもいいの?」

一応断りをいれた。

「うん。案内するから行こ!」

オレはキーを捻りエンジンをかけた。

買い物の後

2017-03-24 12:17:53 | 日記
温泉を後にしたオレ達はユリの住む街へと買い物をするため車を走らせた。

「ゴメンね。買い物に付き合わせて。」

「いいよ。まだまだ時間あるしさ」

今日は目一杯ユリと過ごせている。

帰らなければいけない時間までまだ一時間以上ある。

「えぇっと、シャンプーと…」

どうやら家での使う物を購入するらしい。

「それからうがい薬っと」

…自分でも使うだろうが連想させられる。

まさか店での消耗品の買い物とはな。

「○○さんは何も買わないの?」

「いや、一応今日は仕事中だから買い物して帰ったら変だろ?」

特に入り用な物はないが彼女とのショッピングはなんだか幸せを感じた。

客も多い。

この中に私の顔を知る者がいないかに注意を払うのにも神経を使った。

「もう三時過ぎてるのにまだまだ暑いね」

清算を済ませ外に出て彼女が言った。

温泉での保温効果もあり本当に暑い。

三十分くらいの買い物で時は四時前。

四時半には街を出なければいけない。

もうあまり遠くへは行けない。

「そろそろ戻ろうか。」

「うん。今日は楽しかったね。」

そう言ってユリと初めてデートに待ち合わせた駐車場に戻り、時間ギリギリまで彼女と一緒にいることにした。

「ユリ、タバコいいか?」

もうすぐ帰らなければならない。

楽しかった一日が終わる。

永遠に彼女との関係は切りたくない。

でもいずれは終わりが来るだろう。

その日まででもかまわない。

そんな事を考えながら紫煙を吐き出す。

「どうしたん?何か考えごと?やっぱりわたしといること後悔してる?」

彼女は感覚が鋭いようだ。

一応接客業だしな。

「いや、後悔なんかないよ。不思議と後ろめたさもないんだ。おかしいよな、妻がいるのに。」

妻がいるのに自分の行動を正当化しているオレがそこにいた。

「ん~。仕舞いにバチあたるよ。奥さん大事にせんとね。」

痛い所を突いてくるがもうオレは彼女に染まっている。

「いくらでもバチなんか当たっていい。ユリがそばにいてくれるならね。」

オレは本気だ。

「ば~か」

ユリの口癖だが可愛げがあってたまらない。

オレはタバコを揉み消して一呼吸おき、彼女を停めた車中で抱き寄せた。

「ユリ、ずっとそばにいてほしい。」

ほおっておくとどこかへ行っていまいそうでいつも口にしてしまう。

「うん。行かんよ」

そう彼女は答え、今日三度目のキスをした。

彼女の答えの真相はわからない。

でも今はそんな事はどうでもよかった。