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Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

告白

2010-06-22 07:29:20 | 映画
展開を考えれば、何処に落ち着くんだろう?
そんなたどり着くところが無いサスペンスに思える。
「学校」という雛形の中で、向き合う生徒と教師、大人と子供は知っている。
生徒に愛娘を殺されて報復を企てる女教師。
罪を犯した我が子を偽りの姿でかばう母。
自己中心的な熱血教師。
しょせんは個性が無いその他大勢の生徒たち。
彼らが繰り広げる負の連鎖に、一歩踏み間違えれば、誰しもが引きずり込まれる可能性があることを。
多角的なドキュメンタリータッチで、時折、冷酷なユーモアを散りばめ、ロック音楽を被せつつ、青少年をめぐる殺伐とした今の仮想現状をポップな宗教画のようなタッチで描き出していく。
全ては独り語りによって進行するのだが、皆、虚空に向かってつぶやいていくよう。
告白は必ず真実とはいえず、自分にとって都合のいい解釈や妄想を含むことを示唆する映像は、「自分が一番」と自分愛から悪をも肯定する、そして自分を取り巻く周りの環境とのコミュニケーション不在を強化する。
無機質な画面、色あせた画調。
曇天に覆われた校舎、高画質ハイスピード撮影で捉えた暴力。
そして、そうあっては欲しくない「祈り」にも似たレディオヘッドの歌声。
悪として利口に考えていく、大人と子供の陰惨なバトルではなく、一人孤立した者たちの、悪であろうが善であろうが、同情を求め、自分の味方を増やそうとする行為を、自分で正当化して偽りの美化された、また矛盾した、いわゆる「魂の叫び」に他ならないのか。
話はさながら復習劇のような....。
学校いや、社会崩壊の状況もと、それでもライフワークである天命としての「教師」を全うしようとする女性が、子供の目線に降り、「命」の尊さを過激に諭す物語である。
「アウトレイジ」や「ヒーローショウ」などの陰惨なだけの暴力と同列にみなしてはいけない。
人間臭いゆえ、泥沼にはまった者が抱える痛みと哀しみ。
憎悪は反転し慈愛へと向かい、生きづらい時代のバイブルとして誰もが認め合う。
いわば現代を深く理解した、厳しいマリア様のメッセージのようだ。

いよいよ出てきました、今年度の僕の秀作候補。
こう言った映画に出会えると嬉しい。
ぜひぜひ。