HANのブログ

アマチュア無線をやってます。アンテナ作成、真空管の無線機に興味があります。

50MHz 定K型ローパスフィルターの製作。

2018-04-22 21:20:10 | 日記

以前、トロイダルコアとトリマーコンデンサーを使った定K型7次T型ローパスフィルターの記事を書きました。

先日、JARL「測定サ-ビス」にて測定した結果、2倍の100MHzで-12dBで7次T型ローパスフィルターとしては減衰が少なく、トリマーコンデンサーを計算値と同じ61pFの固定コンデンサーに変えてみましたがトロイダルコア使用のコイルため、インダクタンスにバラツキがありSWRが低くならず、今回は空芯のコイルと固定コンデンサーで作ってみました。

JARL「測定サ-ビス」にて測定した結果、50MHzで0dBに近く2倍の100MHzで-30dB、200MHzで-50dBでコイルを極力直角に配置し、簡単なシ-ルド板でも7次T型ローパスフィルターとしてそれなりの結果がでました。

回路図

 

 

コイル及びコンデンサーの計算

計算周波数=52MHz 入力インピダンス(ZO)=50Ω  Q=1

減衰量が3dBになる周波数=52×1.35=70.2MHz

XC=XL= ZO(50Ω)

C(pF)=1/(2πF(MHz)×10^-6×XC×Q)

C(pF)=1/(2×3.14×52×10^-6×50×1)=61.24pF

C1=C2=C3=61.24≒31+30=61pF

(30pFのシルバードマイカーコンデンサーをCメ-タで選別しました)

コンデンサーの耐圧(E)は、出力(W)を50Wで計算すると...

E=(√W×ZO)×Q=(√50×50)×1=50V(実効値)で余裕をもって100V以上。

今回、在庫のシルバードマイカー(50V)を使ったため、後日耐圧の高いコンデンサーに交換予定です。

 

L(μH)=(Q×XL)/(2πF(MHz))

L(μH)=(1×50)/(2×3.14×52)=0.153μH

 コイルの作成

L1=L4=0.153μH 

直径7.6mmの色鉛筆に1.0mmエナメル線を4回密巻

ディプメ-タの測定で、約 0.177μH

L2=L3=0.153×2=0.306μH

直径10mmのアルミパイプに1.0mmエナメル線を7回 幅約 11mm

ディプメ-タの測定で、約 0.281μH

基板は厚さ1.6mm紙エポキシ両面基板で、86×40でM型メス角座にタマゴラグを取り付け、半田付けし固定しました。

コイル取り付け部分は約約3mmで正確には2.7mm(50Ω)のようです。

その他、両面基板のグランド部分4ヶ所をメッキ線でショートしています。

ケースはタカチのMB-2です。

 

コイル調整

フィルターの波形をチェックする環境にないので、BR-200にて50MHz付近でSWRが最低になるようコイルの幅を調整しました。

調整の結果、L1、L4は密巻でL2、L3は幅約11mmでSWR1.05位になりました。

 

基板とシ-ルド板(他に使用していた基板を使ったため半田付けの跡があります)

 

完成品

 調整しすぎでコイルが変形しています。

 

 接続図

 

今回のローパスフィルタ製作にあたり、下記の本を参考にしました。

(計算の周波数を同じにしたため、本と同じ値になっています。)

「CQ出版社 トロイダル・コア活用百科 山村英穂著」

「CQ出版社 LCフィルタの設計&製作 森 栄二著」

 

ロ-バンド用フィルタも作りました。

構成は50MHz用と同じ7素子T型でケ-スも同じですが基板のパタ-ンが異なります。

また、コイルにトロイダルコア使用したため、シ-ルド板はありません。

 

7MHz用ローパスフィルタ

回路図

 

 

コイル及びコンデンサーの計算

計算周波数=7.05MHz 入力インピダンス(ZO)=50Ω  Q=1

減衰量が3dBになる周波数=7.05×1.35=≒9.52MHz

XC=XL= ZO(50Ω)

C(pF)=1/(2πF(MHz)×10^-6×XC×Q)

C(pF)=1/(2×3.14×7.05×10^-6×50×1)=451.7 ≒450pF

L(μH)=(Q×XL)/(2πF(MHz))

L(μH)=(1×50)/(2×3.14×7.05)=1.129μH

 

C1=C2=C3=450pF

コンデンサーの耐圧(E)は、出力(W)=50W  ZO=50Ωで計算すると

E=(√W×ZO)×Q=(√50×50)×1=50V(実効値)で余裕をもって100V以上。

コンデンサーは耐電圧500VDCシルバード・ディップマイカ・コンデンサ誤差±5% を通販で購入しました。

450pFの値はないので、180+270=450pF

3組をCメーターで誤差が少なくなるよう組み合わせました。

 

L1=L4=1.129μH   L2=L3=1.129×2=2.258μH

コイルの作成

L1=L4=1.129μH

トロイダルコア、T-50#2に0.95mmエナメル線を14回

N=100×√1.129/50=15.0 回ですが、インダクタンス測定の結果、

14回で計算値に近くになったので、14回にしました。

L2=L3=2.258μH

トロイダルコア、T-68#2に0.85mmエナメル線を19回

N=100×√2.258/57=19.9回ですが、インダクタンス測定の結果、

19回で計算値に近くになったので、19回にしました。

 

各コイルの実測値(多少の誤差はあります)

 L1=1.107μH    L2=2.212μH    L3=2.212μH    L4=1.112μH

C1=450pF       C2=450pF       C3=450pF

7MHzローパスフィルタ完成品

 

 JARL「測定サ-ビス」にて測定した結果、7.0MHzで0dBに近く2倍の14MHzで-39dB、

 

3.5MHz用ローパスフィルタ

回路図

 

コイル及びコンデンサーの計算

計算周波数=3.54MHz 入力インピダンス(ZO)=50Ω  Q=1

減衰量が3dBになる周波数=3.54×1.35=4.779MHz

XC=XL= ZO(50Ω)

C(pF)=1/(2πF(MHz)×10^-6×XC×Q)

C(pF)=1/(2×3.14×3.54×10^-6×50×1)=899.6≒900pF

C1=C2=C3=900Pf

コンデンサーの耐圧(E)は、出力(W)=50W  ZO=50Ωで計算すると

E=(√W×ZO)×Q=(√50×50)×1=50V(実効値)で余裕をもって100V以上。

コンデンサーは耐電圧500VDCシルバード・ディップマイカ・コンデンサ誤差±5% を通販で購入しました。

900pFの値はないので、220+680=900pF

3組をCメーターで誤差が少なくなるよう組み合わせました。

 

L(μH)=(Q×XL)/(2πF(MHz))

L(μH)=(1×50)/(2×3.14×3.54)=2.249μH

L1=L4=2.249μH   L2=L3=2.249×2=4.498μH

コイルの作成

L1=L4=2.249μH

トロイダルコア、T-68#2に0.95mmエナメル線を19回

N=100×√2.249/57=19.8回ですが、インダクタンス測定の結果、

19回で計算値に近くになったので、19回にしました。

 L2=L3=2.249×2=4.498μH

トロイダルコア、T-80#2に0.95mmエナメル線を28回

N=100×√4.498/55=28.6回ですが、インダクタンス測定の結果、

28回で計算値に近くになったので、28回にしました。      

 

各コイルの実測値(多少の誤差はあります)

 L1=2.206μH    L2=4.488μH    L3=4.497μH    L4=2.223μH

C1=905pF       C2=911pF       C3=903pF

3.5MHzローパスフィルタ完成品      

 

 

JARL「測定サ-ビス」にて測定した結果、3.5MHzで-0.2dB、2倍の7MHzで-40dB、

 

1.9MHz用ローパスフィルタ

回路図

 

コイル及びコンデンサーの計算

計算周波数=1.91MHz 入力インピダンス(ZO)=50Ω  Q=1

減衰量が3dBになる周波数=1.91×1.35=2.585MHz

XC=XL= ZO(50Ω)

C(pF)=1/(2πF(MHz)×10^-6×XC×Q)

C(pF)=1/(2×3.14×1.91×10^-6×50×1)=1667≒1670pF

L(μH)=(Q×XL)/(2πF(MHz))

L(μH)=(1×50)/(2×3.14×1.91)=4.168μH

C1=C2=C3=1670pF

コンデンサーの耐圧(E)は、出力(W)=50W  ZO=50Ωで計算すると

E=(√W×ZO)×Q=(√50×50)×1=50V(実効値)で余裕をもって100V以上。

コンデンサーは耐電圧500VDCシルバード・ディップマイカ・コンデンサ誤差±5% を通販で購入しました。

1670pFの値はないので、1200+470=1670pF

3組をCメーターで誤差が少なくなるよう組み合わせました。

L1=L4=4.168μH   L2=L3=4.168×2=8.336μH

 

コイルの作成

L1=L4=4.168μH

トロイダルコア、T-68#2に0.8mmエナメル線を27回

N=100×√4.168/57=27.0 ...27回

L2=L3=8.336μH

トロイダルコア、T-80#2に0.8mmエナメル線を38回

N=100×√8.336/55=38.9 ...39回 ですが、インダクタンス測定の結果、

38回で計算値に近くになったので、38回にしました。

 

各コイルの実測値(多少の誤差はあります)

 L1=4.236μH    L2=8.203μH    L3=8.298μH    L4=4.209μH

C1=1654pF       C2=1643pF       C3=1654pF

 1.9MHzローパスフィルタ完成品    

 

 JARL「測定サ-ビス」にて測定した結果、1.9MHzで0dBに近く2倍の3.8MHzで-39dB、

 

作成したローパスフィルタをJARL「測定サ-ビス」にて測定した結果7次の定K型で第二高調波は

50MHzで-30dB、7MHz・3.5MHz・1.9MHzで-39dBでおおよそデ-タ通りになりました。

(今回の製作記事は再現性が高いと思いますが自己責任でお願いします。)

 

※この記事は、2018-04-22に書いた記事で50MHzのコイルをトロイダルコアから空芯に変更し作り直しました。また、JARL「測定サ-ビス」にて測定した結果も記載し、一部修正しています。2018-05-30

追加..

SHINWAの1003(LPF)

 

 

 セラミックコンデンサを使っていました。

SWRの測定ですが、30MHz以下はフラットではなく、SWR1.5の値もありましたが、40年前位と記憶しています。

経年劣化があるかもしれません。

 

TRIO TX-88D の 50MHzのローパスフィルタ

 

完全なシ-ルドケ-スではなく、ケ-スが付いていた記憶があります。