HANのブログ

アマチュア無線をやってます。アンテナ作成、真空管の無線機に興味があります。

T型CLCアンテナカップラー

2018-02-28 22:54:53 | 日記

50MHz T型CLCアンテナカップラー

ネットに14~50MHz T型CLCアンテナカップラー制作記事があったので作ってみました。

今まで私が作ったアンテナカップラーの中で、製作および調整が簡単でSWRが限りなく1になります。

 

部品は、バリコン(2個)とコイル(1個)の3個と製作が簡単なので、周波数50MHz用と18~28MHz用(免許が旧電信級のため)の2種類作りました。

 

50MHz用 T型CTCアンテナカップラー回路図

 

カップラーの入力側にBR-200を接続。(回路が対象なので、どちら側でも良い)

出力側は50Ωのダミーロードを接続。

 

バリコンVC 1 、VC 2 の容量が、50pFの半分(25pF)でSWRが1になるよう、コイルを作りました。

ダミー抵抗を1Wの高周波抵抗で、25Ω、50Ω、75Ω、100Ω、150Ωを作りSWRが1になるか確認しました。

 

コイルの作成

L1..単三電池にVVFケーブル1.6mmを4回、幅約1cm

 現在使用のスケアロアンテナで確認しました。

50W出力でSWR-3を限りなくSWR-1にできました。

 

 

18~28MHz用 T型CTCアンテナカップラー

 

18~28MHz用 T型CTCアンテナカップラー回路図

 

 

カップラーの入力側にBR-200を接続。

出力側は150Ωのダミーロードを接続。(SWRを3に設定)

BR-200の周波数を18MHzに設定し、VC 1 、VC2 を調整し100pF(約90pF)でSWRが1になるよう、コイルを作りました。

50MHzのカップラー同様、18~28MHzでダミー抵抗25Ω、50Ω、75Ω、100Ω、150ΩでSWRが1になるか確認しました。

 

コイルの作成

L1..T-80#10に0.9~1mmポリウレタン線(または、エナメル線)を14回。

T80#10を使ったのは、Qを高くしたかったためです。

 

トランシーバーとカップラー及びアンテナの接続図

私の調整方法ですが、トランシーバーの出力を最小にし、2個のバリコン を最小容量にし交互に容量を増やし、SWRを最小にします。

調整が終われば出力最大(50W)にする。

 

完成したカップラー 左、50MHz用  右、18~28MHz用  (ケースはカタチ電機の MB-2)

 ※ バリコンのローテタ側はシャーシーと接触しないよう、大きめの穴をあける。

 

 

 1.9~7 MHz用 T型CTCアンテナカップラーの実験

出力50Wの場合受信用バリコンが使えそうなので、ローバンド用も実験してみました。

計算式は、CQ出版「トランジスタ回路の簡易設計」久保大次郎編著(昭和56年11月1日 第6版発行)を参考にしてます。

 

 

 

計算を簡単にするため、入力側インピダンスと出力側インピダンスを  50Ωに設定し、Qは2.5で計算。

計算結果...

R 1 = R 2 = 50Ω、Qを2.5で計算。

XC 1 = XC 2 = 125Ω    XL = 72.5Ω

C (pF) = 159000 / ( f (MHz)×XC )   L (μH) = (0.159×XL) / f (MHz)

 

7MHz用

VC 1 = VC 2 = 159000 / (7×125 )= 181.7 pF

L = (0.159×72.5) / 7 = 1.65 μH

VC 1 、VC 2 は...430 pF×2

 

コイルの作成

トロイダルコアT-68 # 6 に0.8mmポリウレタン線(または、エナメル線)を18回。

N=100×√1.65 / 47 = 18.7  (18回)

 7MHz出力インピダンス 50Ω.. バリコン容量が、430pF×2のバリコンの位置。

 

 

7MHz出力インピダンス 50Ω.. バリコン容量が、430pF×3のバリコンの位置。

 

 

3.5 MHz用

VC 1 = VC 2 = 159000 / (3.5×125 )= 363.4 pF

L = (0.159×72.5) / 3.5 = 3.29 μH

VC 1 、VC 2 は...430 pF×3

 

コイルの作成

トロイダルコアT-68 # 2 に0.8mmポリウレタン線(または、エナメル線)を24回。

N=100×√3.29 / 57 = 24.02  (24回)

 

3.5MHz出力インピダンス 50Ω.. バリコン容量が、430pF×3のバリコンの位置。

                                                    

 

1.8 MHz用

VC 1 = VC 2 = 159000 / (1.8 × 125 )= 706.7 pF

L = (0.159×72.5) / 1.8 = 6.4 μH

VC 1 、VC 2 は...430 pF×3

 

コイルの作成

トロイダルコアT-80 # 2 に0.8mmポリウレタン線(または、エナメル線)を34回。

N=100×√6.4 / 55 = 34.1  (34回)

 

 1.8MHz出力インピダンス 50Ω.. バリコン容量が、430pF×3のバリコンの位置。

 

BR-200にて、1.8MHz  3.5MHz 7MHz の 各バンドで 25Ω 、50Ω 、 75Ω 、 100Ω 、150 Ωのダミー抵抗でSWRが限りなく1になることを確認しました。

 送信テストでは、出力50W、ダミー抵抗、50Ωで確認しました。

 

使用したコイル

左、から、1.8MHz用(T-80#2) 、3.5MHz用 (T-68#2) 、7MHz用 (T-68#2) 、7MHz用 (T-68#6)

7MHzはQの高い T68#6 を使いました。

 1.8 ~ 7 MHz のアンテナカップラーは、VC 1 、VC2 に 430pF×3(1290pF) を使いコイルのタップ切り替えで作れそうです。

いづれ、ケースに入れ完成したらブログに載せたいと思っています。

 

その他、自作アンテナカップラー

以前 1.9MHz、3.5MHz、7MHzのアンテナにアイソトロン・アンテナを使っていたので周波数帯域幅が狭く2種類のアンテナカップラーを使っていました。

πCカップラー(3.5 MHz ~ 28MHz 用)

マルチバンドに適していると思いますが、調整に手間取り私にとっては、良いイメージがありません。

 

 

 

 

正式名称はわかりませんが開局当時、このタイプのカップラーを使っていました。(1.9 MHz ~ 7 MHz)

VC2に高耐圧のバリコンが必要で、最近は高価で入手しづらいと思います。

マルチバンド化しづらい。

 

 

 

 入力側のバリコンを省略した回路

 

 各、アンテナカップラーの大きさ比較

 右側の2個が今回製作した T型アンテナカップラー(ケースはカタチ電機の MB-2)

 右上が、18  ~ 29 MHz用  右下が、50 MHz用

 

アンテナカップラーのインピダンス可変範囲をスミスチャートで確認しようとしましたが、理解できずダミー抵抗での確認になりました。

スミスチャートを使いアンテナカップラー及びフィルタの計算ができることを知りました。

最近のトランシーバーにオートチュ-ナが付いている機種には不要ですが、オートチュ-ナ無しのトランシーバーで短縮アンテナを使っている場合、有効と思います。

(自己責任でお願いします。)