先日、BSプレミアムで放送された「阪急電車」。
この原作、文庫本コーナーで少し立ち読みしたことあります。始発駅から終点駅までわずか八駅、15分の道程を走るローカル線ですが、小豆色で地味ながら存在感のある鉄道です。たぶんファンも多いのではないかな?
映画では、その阪急電車が乗客達の人生を乗せて走ります。
宮本信子さんのおばあちゃんぶりが秀逸ですね。電車の中で傍若無人ぶりを発揮するおばちゃん集団に喝を入れる姿のカッコ良いこと!
この作品、セリフの最後あたりにあるように「人生の機微」がテーマでしょうか。
12年前に公開されたこの映画には、子役時代の芦田愛菜ちゃん、高校生役の有村架純さん、女盛りの中谷美紀さん、娘盛りの戸田恵梨香さんなど豪華キャスト。
ママ友集団の付き合いに辟易しながら、誘いを断れない南果歩さんのおどおどした表情も良かった。
女性の生き方に焦点を当てているようですが、フィアンセを裏切り若い娘と結婚する役柄の鈴木亮平さんや、戸田恵梨香さんが演じる彼女に、DV被害を与える彼氏役の小柳友さん、有村架純さんの歳上の優しい彼氏役で玉山鉄二さんとかダメンズもいれば思いやりのある男の姿も描かれていて、その人間模様を楽しめます。
普段使う電車の中で、なんとなく顔見知りになりつつも関わり合うことなく過ぎていく日常。でも大勢の中で行き交う人々はどこか繋がっていて、何かのきっかけで互いの人生に影響を与えている。
誰かがある人にほどこした親切を、受けた人がまた別の人にほどこす。そしてその親切は伝染するように違う人へと渡ってゆく。
ペイフォワード的な優しい物語です。
ほんとこういうの好きなんだよなあ。