見出し画像

合言葉はヒュッゲ

最期の

母が危篤だと姉からLINEが届いた。チアノーゼが進行し、施設から入院となって2週間。延命治療はなしで今は酸素のみでの看取りとなった。

母は認知症。先月、姪と息子とで面会に行った時、誰のことも覚えておらず。リモート画面をチラ見しても心ここにあらず。声もどこから聞こえるかわからないようだった。

入所してまる6年。ここ2年の間にだんだん
と弱り、歩行ができなくなるとともに認知もどんどん落ちて行った。

私は母とは気が合わなかった。でも、思い起こせば色々心配をかけ、それなりに面倒もみてもらった。息子はおばあちゃんが大好きだと言う。それは母の愛情のしるしだからありがたい。

もう目も閉じたままで反応もなかったけど、今までありがとうねと話しかけると薄目を開けた。耳は聞こえているんだね。

底冷えのする夕暮れ。病院へ入る道すがら、大きな雲がいくつも群をなし流れて行くのを見上げた。

その雲が父、兄、姉、愛犬ぎんじに見えた。母を待っているのだろうか。

母は苦しむ様子もなくうとうとしていた。
戦争をはじめ、暴君の父に連れ添い苦労の大きかった人生。でも母には味方が多かった。今思えば、そこそこ幸せだったのではないかと思える。




名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「家族」カテゴリーもっと見る